お話
おはようございます。
もうぬくぬくのお布団から出たくない。
そして七日後。
会場に着くと、
「蓼川涼太さんですか?」
突然、スーツを着た知らない男の人に声をかけられた。
「あっ、はい。そうですけど。」
訳が分からないまま肯定してしまう。
「申し訳ありませんが、総理が蓼川様に会いたいと申しております。ご同行をお願い出来ますか?あっ、私、こう言う者と申します。」
ん?総理大臣が?んな事知るか!
「あの、実は俺、この後会いに行かないといけない人がいるんですけど。」
「存じております。精霊王様と、凪乃様ですね?」
「あ、はい。」
「お二人とも一緒にいらっしゃいますのでご安心下さい。」
そうなのか。なら仕方ない。相手が国家権力なら、尚更だ。
「分かりました。」
「ご理解とご協力、有り難うございます。では、こちらへ。」
言われるまま、駐車場に停めてあった高そうな車に乗り込む。なんか、メッチャ緊張してきた。
そのまま車は静かにかつ、周りの視線を集めながら動きだした。
車に揺られる事約三十分。
「着きました。では、ここで降りて下さい。」
これもまた高そうな建物だった。
エレベーターに乗り、最上階へ上がった。
そして、一目で高いと分かる扉の前まで来た。
「総理、蓼川様をお連れしました。」
ここまで連れて来た人が扉をノックして中にいる筈であろう総理?に言った。
「そうか。ご苦労。通してくれ。」
中からテレビでよく聞く声が聞こえてきた。
「どうぞ、お入り下さい。」
扉を開けられそう言われる。
「し、失礼します。」
言われるまま、おっかなびっくり中に入る。するとそこには、今の日本の総理大臣達?がいた。
何故疑問形なのかと言うと、一人は総理大臣で間違いない。しかし、残りの二十人弱は外人だ。
しかも、一人はアメリカの大統領。後は、知らん。
「蓼川様。よく来て下さいました。そこに座って下さい。」
言われるまま、彼らの真正面に位置する所に置かれた椅子に座る。
「あなたをここに呼ばせて頂いたのは、あなたが精霊王様と契約されていると言うので、どういった事をされたいのか、そこを聞きたいのです。勿論、世界に対して脅威とならないのならば、我々はその契約を歓迎したいとおもう。様は、あなたが精霊王様と何をしたいかという事なんだが。」
なんで、俺みたいな一般市民に敬語?ま、いいか。
ん?何をしたいかって?そりゃモチロン、
「まぁ、僕達は三人でのんびり暮らせればそれでいいんですが。」
「本当に?本当にそんな事だけでいいんですか?」
「え?それ以外になんかあります?僕的には特に無いんですが。」
他に何があるって言うんだ。世界征服とか?やれちゃうけど。(笑)
「そうですか。それなら良かった。いや、実は精霊王様とその契約者であるあなたが世界に宣戦布告なんてされたら、我々としては、全世界の人々が生きるか死ぬかの大問題なので。」
え?本当にそういう事だったの?一瞬でも、世界征服なんて思った事は黙っておこう。
「はぁ。そうなんですか。」
「そうなんです。三人でのんびり暮らしたいと言うのならば、我が国、いやここにいるアメリカ、カナダ、ロシア、中国、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリアの計九ヶ国はあなた方が快適な生活を送れるように全力で援助します。もちろん、ここに代表がいない世界中の国々も同様です。」
「はぁ。」
そんな、援助とか言われてもなぁ。
「具体的には、毎年、二千万円の援助金と新居の進呈また、必要な家具類も付けます。ただ、どのような家具がお好きなのかが分からなかったので、取り敢えず必要最低限のテーブルと椅子、ベッド、冷蔵庫、洗濯機を一時的にご用意させて頂きました。必要が無くなればいつでも処分しますので、その時はお知らせ下さい。あなた方の娘の凪乃ちゃんにつきましては、あなたの通っている高校に一番近い保育園への手続きを。また、精霊王様に関してはあなたの高校の同じクラスへの編入手続きをしておきます。また、お二人の戸籍もこちらで用意しておきます。」
ん?毎年二千万⁈ちょっと待て。それは流石に貰いすぎだろ。
「あの、流石にそこまでして頂くのは…」
「いえ、是非させて下さい。毎年二千万というのも、それを使用して何とか精霊王様ご機嫌をとって欲しいのです。」
「はぁ。分かりました。」
断ろうとした時の慌て振りが凄かった。
そんなにノエルが怖いらしい。
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本日18時に次話を投稿致します。