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46話 反省会。そして

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 ティシアとイリスイスの二人の間には、葬式のような空気が流れていた。

 どちらが先に話すか待つ、という訳ではなく本当に反省してなんて言葉にすればいいのか分からないでいるのだ。

 イリスイスとしてはあの時行くように強く押さなければ良かったと後悔しており、ティシアはあそこで行かないように、理由などを強く説得しておけば良かった。

 

 使用人が来た時、違和感があった。それを口にすればいいのだが、言葉にすることができずにその結果が敗北だ。

 どうすれば良かったのだろう、とイリスイスは自問自答する。

 あれが敗因の一つだ。

 

 もしあそこで強く押さなければ、その言葉が頭の中に流れている。

 うじうじと考えていると、

 

「負けちゃいましたね」


 ティシアが先に口を開いた。

 その顔は後悔の色が見える。

 

「そう、ですね。すみません、私があの時に強く言ったから……」


「あそこは私も行ってしまったから同じですよ」


 二人は慰め合いをする。ただそれは傷の舐め合いであり、前に進まないことは分かっていた。

 だから、二人は前に進む必要がある。

 

「だから、どこが悪かったか一緒に話し合いましょう」


 王族ではあるが一人の少女。まだ経験もあまりなく、引っ張てくれることが何よりも助かった。

 

「ええ、そうしましょう。次は絶対に勝ちましょう」


 二人は次はカインに勝つことを誓い、反省会を始めた。

 

「楽しそうですね」


「お嬢様……」


 その二人を遠くから見つめる少女、フィラルシアはどこか現実を見ていないような目をしていた。

 

「お守りの制作の話ですが、聞いていますか?」


 現実逃避しているフィラルシアをゲイルバッハが連れ戻す。

 

「聞いてますよ。ただ、難しい話が頭に入ってこないだけです」


「お嬢様は一度誘拐されたのですから、真面目にしないと駄目ですよ」


 フィラルシア様ができる子だと、ゲイルバッハは知っている。だから、理由を説明すればやりたくないと思ってもちゃんと取り組む。

 

「分かってます。不満を言いたかっただけです」


 そう言ってフィラルシアは夕食の準備が始まるまで取り組むのだった。

 

 

 

 三人が反省会をしている中、カインは帰路についていた。

 空は夕暮れに染まり、貴族街であっても帰っているいる者が多い。

 人混み、というほど多いわけではないがぽつぽつと見える。

 そのせいか、こちらを注視するようなそんな気がしていた。

 

 見られている?

 暗殺者だった頃はよく付け狙われていた。おかげでそういう視線には敏感であり、気のせいかと思いたい所だが良く当たるのだ。

 人のいるこの通り、襲えばどちらが罰せられるかは丸わかり。このまま無視してもいい。が、宿屋を襲撃されるかもしれない。

 宿屋を襲撃されるのは御免だ。そうなると、答えは一つ。

 

 裏道に入り込んだ。奥まで進み、振り返って立ち止まる。

 誰が入ってくるか、もしくは気のせいか。気のせいであることを期待したい所だが……。

 

 そんな期待を裏切り、誰かが裏道に入って来た。

 黒いフードの付いたマントで身を隠しているのだが、カチャカチャと金属の擦る音が歩く度に聞こえてくる。

 騎士か。

 

 甲冑。それは冒険者で着る人間はあまりいないし、そもそも貴族街にいない。となると、残される可能性は一つだ。

 前騎士団長の関係者に恨まれているが、そこまでするか。

 騎士が近づいてくる。

 剣を抜き、殺気を漏らしていた。

 

 喋らないか。これは問答はしてくれないな。

 相手からすれば、ただ殺すだけなのだろう。

 さて、どうするか。

 

 剣を一つ抜く。

 このままやり合うのはいい。しかし、殺してしまえば問題になる。

 相手は殺しても揉み消すことができるかもしれない。

 可能性の話だ。

 対して、こちらはないのだ。

 ならできることは一つ。

 

 こちらから接近することはせず、相手から間合いに近づいてくるのを待つ。

 その最中、とある物を影の中から手に持って待ち構える。

 さあ、来い。

 

 騎士はゆっくりとした足並みで近づき、一瞬だけ前のめりになると地面を蹴って強襲をかける。

 魔法で強化してるのか、速い。

 強化魔法か。シンプルだが面倒だ。

 

 近づかれるより先に、こちらが剣とは反対の手に持つ物を真下に投げた。

 それは地面にぶつかった衝撃で小さな爆発を起こし、煙を辺りに撒き散らす。

 

「なっ!?」


 突然の事に騎士が言葉を漏らした。

 身体が硬直し、立ち止まる。

 その隙を逃さずに影魔法の影拘束で身動きを封じた。

 このまま殺すことは簡単だ。しかし、殺してしまっては意味がない。

 身動きを封じている隙にこの場から去った。

 

 一分近く走り、肩で激しく息をしながら立ち止まって振り向く。

 振り向いた先にはローブで身を隠した騎士の姿はいない。

 撒いたか?

 

 追われている時に宿屋に逃げ切ってしまえば、特定されて襲撃される可能性があるのだが、見られているような気配は感じなかった。

 それに、他の協力者がいるかもしれない。

 その可能性も踏まえて、宿屋へ向かう。

 落ち着いたのは、宿屋の自室に入ったあとだった。

現在、今の章の最後辺りを執筆している状況です。あと一週間か二週間もすれば書き終わり、毎日投稿に移行できる状況です。

遅筆ですみませんが、引き続き読んでもらえると幸いです

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