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閑話 ティシアの変化

 私は暗殺者が嫌いだ。

 その暗殺者と一緒に護衛というのも御免被る。

 しかし、王族の護衛という言葉は何人にも代えがたいほど誉れだ。

 

 前回、この国の第三王女であるフィラルシア様が誘拐された。

 そのことで護衛を務めていた騎士二人は降格し、護衛を辞めさせられた。

 当然だ。護衛できない騎士をいつまでも置いておくほど騎士団は甘くない。

 しかし、フィラルシア様が誘拐されたと聞いた時は非常に驚いたものだ。

 フィラルシア様はいつも城の中にいる。そこには当然人もいて、騎士もいる。そこから誘拐する、というのは骨が折れる。

 

 しかしそれをやってのけた。なら、次はどういう対応するのだろうかと思っていた事を頭の片隅に会った時に、護衛のお話が来た。

 王族の護衛。その言葉を聞いた時に受けます!! と力強く即答したものだ。

 ただ、詳しく話を聞けば他の護衛に暗殺者、影の王がいるという話を聞き何故? と理由が分からず混乱した。

 

 暗殺者を雇うぐらいなら大勢の騎士を護衛にすればいい。

 しかし、最近は国境沿いが少しきな臭い。それに、魔法学院の遠征訓練で騎士を何人か失ったばかりだ。

 人が足りない、それに尽きる。

 暗殺されないために暗殺者を雇う。

 それは分かる。しかし、何故影の王だ。

 

 影の王。前騎士団長フォードルを殺した男であり、憎しみすら抱いたものだっている。

 あれから、月日が経っても憎しみを持った人間の恨みは消えることない。

 そんな時、影の王が遠征訓練に出たという話が上がった。私は第一陣にいて分からなかった。

 最初は嘘かと思ったが、言うのが一人ではなく複数。

 これは本当か? と思っていると騎士団長からではなく国からの命令で影の王を探すことになった。

 

 普通なら国から騎士団長、と説明して騎士団長から我らに説明する。しかし、今日はそういった流れではなく騎士団長を抜かして連絡が行われた事に疑問を抱きながら探していたのを覚えている。

 影の王がどんな男か、少し興味を持ちながら探した。

 最強と謳われた暗殺者だ。筋骨隆々の大男やずる賢そうな小男をイメージしたが実際は男女判断不能な人。

 顔だけしか特徴のない人間。 

 

 これが影の王? という疑問が浮かんだ。

 しかし、戦ってみて分かった。こいつは強い、と。

 その後に色々あり、一緒にフィラルシア様の護衛をすることになった。

 

 強い人間は歓迎だ。しかし、影の王だけは御免だ。

 影の王は前騎士団長を殺した。その事で貴族の中にも反対意見が多い。

 だから住まわされる家は城から遠いものだし、護衛といっても夜までいることもなかった。

 そういう条件での、護衛だ。

 

 私としても暗殺者から教わることはない、と思っている。

 暗殺者なんて卑怯でずる賢くて、何か教わる必要があるのだろうか。

 そんな思いのせいか教育に関しては教わる気がないことを態度にも出していた。


 護衛を辞めてほしい。しかし、もし彼が辞めるようなことがあれば、辞めるのは多分私のほう。

 私が護衛に選ばれたのが騎士の中で唯一、カインと面識があるから。

 その面識も一度戦闘しただけ。面識と言えるのか首を傾げてしまう。

 

 護衛は騎士として誉れ。辞めさせられるくらいなら、我慢したほうがマシだ。

 それらを押し殺して会話をすると、やはり暗殺者として知識は多い。

 護衛としてフィラルシア様を誘拐されるわけにはいかないのだ。

 それが暗殺者を利用するとしても。

 

 最初に会ってから、毎日少しの時間だけ暗殺者に対しての教育が行われていく。

 彼との会話は日を経つごとに少しばかりだが増えていった。

 話していくと分かるが、カインは良い人だ。

 暗殺者だから性格が悪い、と偏見があったが実際は全くもって違う。

 

 良い人間だ。そう思うと、関係も少しずつだが良くなっていった。

 教育に関しても、元暗殺者ということもあって詳しく知識が豊富なため色々な事を教えてくれる。

 その部分が騎士である私では真似できないし、尊敬できた。

 護衛という仕事をしながら、私はカインに対して尊敬できる部分を少しずつだが見つられた。

 

 騎士が影の王を恨んでいる、それは確かにそうだ。

 しかし、あれは私がまだ騎士になってすぐの事。

 私は恨みはするが、そこまでではなかった。

 だからすんなり受け入れられたが、もし前騎士団長につながりのある者なら受け入れる事は絶対にないだろう。

 

 だから、私は周りの騎士から少しばかり距離を置かれるようになっていた。

 騎士からすれば、カインと仲良くする私が気に入らないのだろう。

 王の護衛にもなって、さらに前騎士団長を殺した男と一緒にいるから。

 そんな生活を送りながら、私は今日も護衛をする。

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