閑話 少女の願い
今回はかなり短めです
少女は昔から、騎士というものに憧れていた。
尊敬している姉、リーフェレールも騎士になった。彼女も考えての事だ。
兄であり、王位継承権第一位のラディアントは優秀で非常に仕事もできる。
しかし、彼はどちらかというと文官。武官と違って、身体を動かすのではなく頭を動かす。そちらが得意分野だ。
そんな彼を支えるために彼女は騎士になろうとした。いや、なった。
尊敬する姉に憧れ、私は騎士になろうとする。
騎士になるために父は、騎士団長を教育係として手配してくれた。
騎士団長フォードル。大柄な肉体で引き締まった筋肉、まるで岩そのものが歩いている、そういう印象があった。
大きな身体の反面、優しい顔つきで接してくれて騎士というものを教えてくれる師匠のような大事な存在だ。
そんな人が師としているなら、懐くのは当然。
けど、周りの人達は何故か注意するのです。
あの人を信用したら駄目。近づいた駄目。
どうしてなのか、全く分かりません。
何故かは分からないけど、私は一生懸命フォードルに騎士というものを教わりました。
このまま続く。そう思っていました。だけど、そうはいきません。
騎士団長のフォードルが殺されました。
それを知ったのは、死んでから三日後の事です。
あの時は顔を見ない事を不信に思っていると、フォードルと仲の良い騎士が教えてくれました。
影の王と呼ばれる暗殺者が殺した、と。
私はそれを聞いて、泣いた。大いに泣いた。
同時に恨んだ。許さない、影の王を。いつか必ず殺す、と。
それが私、イリスイスの初めて憎しみだった。
遠征訓練。
魔法学院で初めての森への遠征。
それは森での魔物を鳴らすための訓練でもあるし、文官が調合の素材である薬草を採取して、武官である騎士見習い達は魔物との戦い。そして、護衛の練習。
近場で魔物がそれなりにいる場所であり、もってこいだ。
そんな遠征訓練で優秀な私は第一陣に選ばれた。
周りも優秀な人間が多く、そう困ることはないとそう思っていたが、そうはいかない。
大量の魔物、そして暗殺者。
流石の量にキャパシティーオーバー。見習い達も対応するようになった。
騎士見習いである私も同じ。
王族だというのは関係ない。中には、私を守ろうとする者もいたが遠慮した。
私も騎士。戦える人間だ。戦えるのだから私も前に出ないと。
そう思い、前に出た。それが間違いだ。
気づけば毒で眠らされ、暗殺者に連れていかれた。
そして気づけば、どこか森の中で横たわっている。
身体は毒でまだ動くことはできず、力が出ない。
それでも匂いや感触、そして音は聞こえた。
「流石、影の王。胴体真っ二つとは恐れ入った」
その言葉を聞いた時、耳を疑った。
影の王が、いる? 出会うとは思っていなかった。会うにしても、普通では会えない。
なら、この好機を逃す訳にはいかないのだ。
首を必死に動かそうとする。
しかし、毒のせいで身体が動かず影の王を見ることは叶わなかった。
その後、私は騎士達に回収される。そんな中、騎士達の話題は影の王で持ち切りのようだ。
やっぱり、いたんだ。なら私のすることは唯一つ。
王である父に頼んで、影の王を捕らえよう。
そして、殺す。
第一章が終わりました。今まで読んでくださり、本当にありがとうございます。投稿できたのも皆さん読者のおかげです。今現在、第二章の執筆していまして、投稿するにはまだ内容不足ということもありまして、三週間ほど投稿をお休みしようと思います。事前に投稿する場合はTwitterの方で連絡するので、そちらをフォローしてくれると幸いです(基本、何もつぶやきませんが)
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