表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理系男子と文系女子  作者: あおねこ
イマジナリーワールド
3/18

-3-

 昼休み。特別教員室の外の廊下では生徒の話し声や走り回っているのだろうバタバタとした足音。時々それをとがめる教師の声も聞こえていた。

 そんな喧騒を聞きながら佐藤は一人パソコンに向かいカップラーメンを啜っている。視線はパソコンのモニターに注がれたままだ。

 その佐藤が眺めるモニターには何やら難しい公式が並んでいた。その内容を理解できる者が見れば脈絡もなく、関連性もない何かの暗号のようにも見えただろう。事実、その並んだ公式自体には特に大きな意味は持っていなかった。佐藤以外には。


 カップラーメンを食べ終えるとその空き箱を机の下に隠れているゴミ箱へ放り捨てると溜息を一つ吐き再びキーボードを叩き始めた。





 放課後を告げるチャイムが鳴ると佐藤はキーボードから手を離しパソコンをシャットダウンする。その後、パイプ椅子の背もたれに上半身を預けると大きく一つ伸びをする。ぎしぎしとパイプの結合部から軋む音が聞こえていた。

 佐藤は眉間を右手の指で揉むとパイプ椅子から立ち上がりロッカーの前まで歩いていき、その扉を引いて開けた。その内にはハンガーに吊るされた白衣が一着入っていた。その白衣を手に取るとワイシャツの上から羽織る。

 次に本棚を開けると倒れている本を二冊手に取る。その表紙には物理基礎、化学基礎と書かれている。それは大学で使用されているものだった。

 佐藤はその二冊の本を脇に抱えると特別教員室のドアを開け廊下へと出て行る。後ろ手にドアを閉めるとその足はゆっくりと一階、小学校に併設をされている児童会館へと向かっていた。

 その途中すれ違う生徒や教師に軽く頭を下げ会釈をしながら児童会館の入り口まで辿り着くと、その扉を開け中へと入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ