6話
買い物袋を片手で持ち、ボロっちくて赤く錆びてる階段を登る。そして自宅の扉の鍵穴に鍵を差し込み、ドアノブを右に回しドアを開ける、一人暮らしを始めて1ヶ月家族がいない家に帰るのも...
「あ、あるじぃぃぃ 助けてにゃぁぁぁ」
「えーくーん!? どういうこと!? 急に一人暮らししたいって言い出して、 もうそろそろ恋しくなったかなって思って遊びに来たのに...遊びに来たのに!! 女の子連れ込んでるなんて... う、うわぁぁん ママ嫌われちゃったよぉぉぉ」
「お兄ちゃん...もう...みき...要らない子? お兄ちゃんに捨てられちゃったら私もう...もう...」
寂しい訳ないだろ...何のために一人暮らししたと思っている...
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「ぐす... ママ最初から信じてたよ すん... 」
片方の手で俺の袖をちょこっとだけつまんでいて、栗色の髪の毛を床にばらまき、今は内股で座っているが立っても俺の胸ぐらいまでしかなく、黒く大きな目を涙目でクシャと目を細めて笑ってるこのどう見ても幼女の彼女は一人称の通り俺達の母親 日倉 桜子。
頭が少しお花畑だが、一応母親として家事全般は出来ないことはなく、 飽きっぽい性格だが責任感はあったらしく俺達をここまで育ててくれた人だ。
「良かったぁ...みき、お兄ちゃんに捨てられちゃったら死んじゃうとこだったよぉ...」
「そんな物騒なこと言うなよ...」
藍色の髪を腰辺りまで垂らし今度は俺より頭一個分は小さいが、それでも母親よりも大きい背丈で、立ったまま上を向き髪と同じ色の目で涙ぐんでる彼女は俺と2歳差の妹 日倉 未希。
昔は純粋なちょっとお兄ちゃん子で可愛かったのだけど思春期に突入したのにも関わらず未だ兄離れしないのと、だいぶ内気な性格だから学校ではうまくやっているのか少し兄として不安だ。
「あるじ、所でこいつらは誰にゃ?」
先程の出来事のせいか少し不機嫌そうな顔でそう聞いてくる。
「ああ、お前には説明してなかっな... ちっちゃい方が母親で大きい方が妹だ」
「そう! その事でお話があるのー! ねえねえ きいてきいて えーくん!!」
完全に泣きやみ、俺の片腕を両手で抱き締める形で突撃してくる。
恐ろしいほど絶壁なので感じるものなどない... それに母親だしな
「痛いって 母さん...」
「このツンデレさんめ〜うりうり〜」
今度はその体勢のまま頬を腕に擦りつけてきた。少し女の子特有のいい匂いはするが何度も言うように感じるものなどない... ないと思う...
「そんで話ってなに?」
「そーそー 実はママ達血繋がってないの〜 詳しい話はめんどくさいから 後でするけど とりあえず ママが言いたいのは処女なんだぁ」
は?.......
「ほら? 光源氏って人えーくん知ってる? その人ってまだ若い子を自分好みに変えちゃったっていうんだってー それ聞いた時ママ、ビビって来たんだ! 」
「ちょっと待って!? 父さんはそれ知ってるの!
?」
「そりゃ知ってるよ〜 全部分かっててしてくれてるの結婚式もしてないからちゅーもまだしてないよ♡」
報われなさすぎるだろ...父さん...
「それで子供引き取る時にやっぱりギャルゲーみたいに血の繋がりが無い姉妹も必要かなって思ってつい...ね?」
ついじゃねえだろ...ついじゃ...
「そんな事でママ達もここのアパートに住むから よろしくね♡」
え...
こうして俺の平和は完膚なきまでにぶち壊され、またうるさい日々が戻ってきそうだ...




