ようこそ異世界!
初投稿です!
流行に乗ってみました!
頑張ります!
異世界。
一度は聞いたことがある言葉だ。
ここではない違う世界のこと。
一般にはゲームのような世界観で捉えられている。
魔法を使ったり、剣で戦ったり、というような世界。
そんな世界が今、なぜ流行っているのか。
初めは不思議なものだった。
突如として、とある高校の生徒が一クラス分消えたのだ。
その時は一限目で、先生は体調を崩して自習となっていたらしい。
そして、自習時間が終わり他の先生が教室に行ったところ、誰1人教室にはいなかったそうだ。
警察などは行方不明として捜査していたが、手掛かりのなさに捜査は困難を極めていた。
ネット上では「異世界に召喚された」という書き込みが多くなり、最初こそ馬鹿にしていたものの、捜査が進まないことで、次第に信じ込むようになった。
そしてその三日後。
またクラスが一つ消えた。
最初とは全く関係のない場所で消えたらしい。
そしてその時も前と同じく自習時間だった。
警察は捜査をしたが、やはり手掛かりはなかった。
ネットでも「異世界」ということで結論がつき、色々な話しが出た。
「一限目、先生が急に体調不良で自習になったら異世界へ飛ばされる」
「異世界へ飛ばされたとこから100キロ以上500キロ未満の範囲で次が来る」
など、信憑性のないものばかり。
しかし、これのおかげで学校へ行く人が増えたり、逆に怖くて登校拒否になった人たちもいた。
その十日後にまた一つ、2ヶ月後にまた一つと消える高校は増えていった。
だがここで、予想外の事態が起きた。
4つ目の高校が消えてから半年後、最初に消えた生徒が戻って来たのだ。
35人いたはずの数は、12人になっており、魔物との戦いで死んでいったと生徒達は話した。
これにより、異世界に召喚されたという話は世に広まっていった。
だが、生徒達は皆記憶が乏しく、曖昧な事しか分かっていなかった。
ただし、皆共通の事は
「最初は教室ごと飛ばされ、窓を見ればジャングルにいた」
「全員一緒にいて、街まで歩いていった」
「ゲームのような魔法や剣のファンタジー世界」
「僧侶になって、テレポートで帰ってきた」
大まかにはこのくらいしか分からず、細かいところは皆それぞれ違った。
この生徒達は、全員あり得ないほどの能力を持ち、魔法が使えるなどして一躍有名になった。
それに関係してか、世界では、様々な人が能力を持ち始めた。
これらの人達を能力者と政府は定めた。
日本には既に百万人を超えたらしい。
そして人々は忘れていった。
原点である、異世界への召喚を…
→→→→→→→→→→
「あれから一年…確か今日だったかな、異世界召喚」
「ん?何だいきなり?」
高校二年生である、和式 刻亜は机に突っ伏しながら誰に言った訳でもない独り言を呟いた。
それに反応したのが、前の席の、李本 堅也。
刻亜の友人であり、能力者である。
使える能力は、大きい声で敵を少し怯ませる【咆哮】と、一時的に筋力をもの凄く上げる【強体】。
どれも物理的なもので、周囲からは見た目に合ってぴったりと言われている。
「いやさ、ほら、だって今突然の自習だし、あれからちょうど一年だし」
「そういやー、何で國松先生休んだのかなー。昨日あんなにピンピンしてたのに」
「だからそれで思い出したんだ、どうだ?来るかもしれないぜ?」
「うーん、でも流石にくるわけ無いよなー」
「だよなー…」
俺たちは冗談で夢みがちなことを言う。
確率としては何千分の一以下の確率だ。
そうそう来るものではない。
俺は大人しく自習課題のプリントを解こうとすると、後ろから声がかかった。
「あんた達、あの噂信じてるの?証拠もないのに?」
声をかけてきたのは俺の後ろの席の女子、水無 香織だ。
そのスレンダーなルックスから男子の人気が高く、女子からも憧れている存在だ。
しかし、いかんせん胸が無く俺の好みではない。
そしてなぜ俺たちとつるんでいるのかも謎だ。
「夢がないなー、かおりんは。そこは期待しなきゃ」
「かおりん言うなっ。…まぁ、でも当てはまるのはそこそこあるから怖いのよね、本当は今日来たくなかったし…」
「かおりん怖いのか?よし堅也!今こそお前の防御重視能力で守ってやれ!」
「おうよ!…って誰が脳筋だ!」
「いや…言ってなかったわよ」
そんなおふざけな会話が少し続いた後、俺たちはプリントへ集中した。
他の生徒は話しをしたり、プリントを早く終わらせようとしている人など多種多様だ。
よく個性が強いクラスと言われている。
…プリントを解き始めてから30分後
「よっしゃ終わったぁ!」
「はや!刻亜、お前俺たちと喋ってたろ!?」
「ふふん、これが俺の能力、名付けて【面倒なところは飛ばしちゃえ作戦】!」
「最悪だなおい!」
とにかく終わったものは終わったので、俺は背伸びをしたり遊んだりしていると、あることに気がついた。
「そういや、集中しすぎて忘れてたけど、もう50分経ってるよな…何でチャイムが鳴らない?」
俺がそう言うと、皆の動きがピタッと止まった。
まるで場が凍ったかのように。
時計を見ると、終了時間より15分超えている。
先生が忘れてたのかな?と思って先生を呼びに教室を出ようとドアを開けると…
「な…んだよ、これ」
踏み入れた先は一面草だらけ。
まるでどこかのジャングルに来たかのようだった。
俺の声を聞いてたのかクラス全体が騒がしくなる。
叫ぶ者、喜ぶ者、何も出来なくなった者。
俺はというと、表情こそ堅いものの、嬉しい気持ちでいっぱいだった。
「異世界…異世界!」
ここから、俺の冒険は始まってゆく。
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