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源平無き戦国時代  作者: ブルータス
少年期
6/14

佐渡攻めと見せかけて蒲原攻めと見せかけて…………

佐渡城


『天堂寺軍、佐渡へ侵攻』


「何!?やはりあの噂は本当だったのか!!!」


この報告を受け、佐渡城にいる佐渡二万石の小大名 大間(おおま)晴信(はるのぶ)は三年前に流れ始めたある噂を思い出した。


『天堂寺が佐渡を狙っているらしい』

『天堂寺は佐渡を取るために火縄を買い集めているらしい』

『天堂寺が狙っているのは佐渡の金山らしい』


これらの噂で、一時は佐渡全体が天堂寺に(くだ)るか、他国に助けを求めるか、佐渡のみで徹底抗戦するか話し合われたが、二年も経てば噂はガセだったと思われ、すっかり油断していたところで天堂寺が佐渡に攻め込むらしい。


「ふむ、敵の数は?」


「およそ四百です」


「四百?少ないな。つまり、佐渡に侵攻するのは(おとり)か?」








蒲原城


『天堂寺軍、佐渡へ侵攻』


「ほう、やはり佐渡に行くのか。先代当主が死んでからほぼ全く戦をしていなかった天堂寺が自ら戦を仕掛けるとはな」


この報告を受け、蒲原群二十一万石の大名 上條(かみじょう)政直(まさなお)は先代の天堂寺家当主 天堂寺重盛を思い出していた。


(あの男ならこんな普通のことはしないだろう。あの男なら佐渡に攻め込むと見せかけて高篠城(たかしのじょう)を………まさか!!!)


政直があることに思い至った時、伝令兵がやってきた。


「高篠城が南條十郎左衛門率いる千五百に落とされたそうです。その後、天堂寺軍は五百を高篠城に置き、千の兵で中篠城(なかしのじょう)に向かっているそうです」


「やはりか。おのれーーッッ」




この時、政直は気づかなかった。

なんの勝算もなく南條十郎左衛門が中篠城に攻め込むわけがないということに。

配下の者が裏切るという可能性に。











佐渡島(さどがしま) 海辺


「清康、火縄は?」

「三百挺全て無事だそうです」

「では清康は騎兵百を率いて南華城に攻め込み、半刻経ったら敵を連れてここまで退却せよ」

「わかりました」


俺は松平清康に指示を出し、出撃させる。


「鉄砲隊は三列に分かれよ」


そう言い、清康が退却した時の準備を始める。








南華城(なんかじょう) 城内


「引けぇぇええ、海辺まで逃げろぉぉおお」


退却する清康率いる百騎を見て、南華城城主 大間(おおま)晴茂(はるしげ)は、


「おお、天堂寺軍が撤退していく。今が機、追撃じゃ。わしに続けぇぇえええ」


オオォォオオオォオオオオ


晴茂率いる百五十は清康の部隊を追撃する。







佐渡島 海辺


「龍之介様、清康殿が敵を連れてきました。およそ百五十」

「よし。第一鉄砲隊、構え!」


ガシャ


「龍之介様ーーッ、連れてきました」


俺はそれを聞き、


「皆の者!清康の部隊には当てるなよ!撃てぇぇえええ」


パンパンパン


弾丸が大間勢に襲いかかる。


「ギャッ」

「グアッ」

「ガアッ」


「バカな、ここの軍は囮ではなかったのか!なぜ火縄が百挺以上ここにあるのだッ!」


何やら喚いている指揮官らしき奴がいるが、気にせず、


「第二鉄砲隊、撃てぇぇえええ」


パンパンパン


再度弾丸が大間勢に襲いかかる。


「ガアッ」

「ギャッ」

「ゴフッ、片方が囮なのではなく、二正面作戦だったのか!不味い、隣国に援軍を要請せねば…………」


お、指揮官に当たったようだ。


「第三鉄砲隊が撃ったら清康は突撃しろ!構え、撃てぇぇえええ」


パンパンパン


「突撃ぃぃいいい」




戦果

敵兵八十名 降伏、指揮官 討ち死に、南華城


被害

十名 死亡、十五名 負傷



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