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源平無き戦国時代  作者: ブルータス
少年期
5/14

三年後


カンッ カンッ


二本の木刀がぶつかる。




片方は俺、天堂寺(てんどうじ)龍之介(りゅうのすけ)十二歳。


もう片方は俺の剣術指南役、南條(なんじょう)十郎左衛門(じゅうろうざえもん)


十郎左衛門は我が天堂寺家の武将で松平(まつだいら)清康(きよやす)と共に越後で名を轟かしている豪傑だ。


さて、松平清康 って誰?と思う者もいるかもしれない。俺も松平という苗字には聞き覚えがあったが、清康は知らなかった。なんでも三河でやらかして水野忠何ちゃらに追い出されて、越後で岩船郡の小さな城の城主だった俺の祖父 天堂寺(てんどうじ)重盛(しげもり)の元に落ち延びて、祖父の命令の元 大規模な粛清を行い、十郎左衛門と共に天堂寺家の武将として岩船郡の城を攻めまくり、祖父に岩船郡を統一させた豪傑らしい。


その清康の亡くなってしまった子 松平(まつだいら)広忠(ひろただ)の子の名前が竹千代と言った。

これだけ言えばわかるだろう。


松平清康はあの徳川家康の祖父。

ついでに徳川家康は源氏じゃなかった(しかも現在は厚かましく藤原氏を名乗っている)。


しかもその竹千代君(十歳)は俺の小姓。

「本来の天下人が俺の配下になっている=俺は天皇になれるんじゃないか」とか思っちゃったりしている。


この三年間の合鴨農法、たい肥、二毛作などで我が岩船郡の石高は七万二千石となり、鉄砲は三百五十挺、軒猿のおかげで火薬は隣国に売れる程あり、兵力は二千二百、三年前に俺が提案した策は着々と進んでいる。




ヒュッ


十郎左衛門の木刀が俺の左肩に向かって突き込まれる。


(格下が格上に勝つには智謀と度胸をフル活用しなければいけない。ここは相手の意表を突けることをするべき。だからここはーーマジギレした生徒会長に立ち向かうスーパーボールが大好きなやり過ぎ風紀委員長のようにーー敢えて受ける)


ゴスッ


「グッ!」

「!?何をっ」


俺は肩に向かって放たれた突きを弾きも避けもせず、ただ受ける。

それに驚いた(というよりも驚愕した)十郎左衛門に(すき)ができる。


ーー今だッッ


「悪・即・斬 牙◯零式ィィイイイィイイイイ」


ゴッ


「グ、アァァア」


俺の木刀から放たれた突きは十郎左衛門の(あご)を打ち抜き、昏倒させる。


「南條十郎左衛門、討ち取ったりィィイイイィィイイ」




この後、マゾ戦術(敢えて受けるヤツ)についてたっぷり叱られた後に、よくこの私を倒せたな的な感じで褒められた。








義重の書斎


「父上、そろそろ戦ですか?」

「そうだな、…………とも同盟を組むことができた」

「そうですか。では、私が………に攻め込みます」

「うむ、初陣だな。しっかりやれよ」

「はい」



一ヶ月後、天堂寺軍は佐賀に攻め込んだ。


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