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歴史
五百年前、当時の天皇 後白河は摂関政治による負の連鎖を止め、藤原氏の力を削ぎ、各地に散らすことに成功した。
四百年前、紀伊の大名 藤原道長は藤原氏を束ねて上洛し、天皇の分家 橘氏を都から遠ざけ、関白となった後に藤原幕府を誕生させた。
二百五十年前、越後の大名 橘尊治は橘氏を束ね、各国の藤原氏を牽制し、藤原幕府を滅ぼした後に後醍醐天皇となり、天皇中心の政治を復活させた。
七十年前、天皇の権威が落ち、藤原・橘氏の戦国大名が自らが殿上人、天下人になるべく動き出した。
越後国岩船郡五万石の奥州橘氏の小大名 天堂時義重の子、龍之介(八歳)は歴史を習い、ある事を思った。
「なんで源氏も平氏もいねえんだよぉぉおおおぉおお」
「若がご乱心じゃーーーーッッ!!!」
その日、天堂時城はいつにも増して賑やかだった。