冷やし系少女と店舗の選択
大変長らくお待たせしました!次はもっと早く出来るように頑張りますのでorz
地の文が苦手です。会話だけなら楽なのに………
今回は練習も兼ねて地の文を多めにしてみました。変なところがあったら教えてください。
そしてメインヒロインが出てこない?!∑(゜Д゜)
雛罌粟ショッピングモールはそこそこの規模があり、多種多様な店が入っているので、大抵のものはここで揃う。場所も学園から1駅の距離なので、平日の夕方はうちの高校の制服をちらほら見かける。特にこの時期は、文化祭の準備のための買い出しに訪れる生徒が多いようだ。
「さて、まずはどこから行こうか」
入っている店舗を紹介している写真付きの掲示板の前で、皆に尋ねた。こういうのは女子に聞くのが一番早い。
「ジュラルミンズ!」
「え〜ホットスプリンガーでしょ?」
「……スリーパーズ行きたい」
なにその呪文。山泣と湯々本と布枕が同時に何か言ったが、カタカナ横文字はあまり得意でないのでよく分からなかった。俺は聖徳太子じゃないしな。いや、今の教科書では厩戸皇子だっけ?いや、たしか莎羅が見せてくれた教科書には厩戸王になってたんだったか………歴史は年号も人物もコロコロ変わって何が何だか分からないよな。
さて、今彼女達が口にしたのは多分女性向けの洋服店だと思うのだが、正直よく分からないのでひとりずつ聞こう。
「ええと、順番に説明を頼む」
すると真っ先に山泣が手を上げて先手を切った。
「はい。まずは私、山泣 花喜音がプレゼンさせていただきましょう」
「よろしく頼む」
「ジュラルミンズとは、1年前に出来た新しいファッションブランドです。今一部の女性の間で爆発的な人気があるんですよ!」
「ほう……新進気鋭の注目株といったところかな?なかなか期待できそうだね」
「でしょう!?」
「それで?どんな服が置いてあるんだ?」
「はい、その名の通りジュラルミンのように丈夫で長持ちな洋服を取り揃えてるんですよ!」
「は?」
…………ジュラルミンのように丈夫ってなんだよ。そんな服が必要な場面ってあるのか?札束を懐に入れるんじゃないんだからさ。
「じょ、丈夫さが売りなんだな。可愛さとかじゃないのか」
「熱墨先輩……」
キッと鋭い目で山泣に睨まれた。ちょっと怖い。
「は、はい」
「可愛いゆるふわ森ガールファッションはもはや時代遅れです。あんな低防御のふわぽわファッションではいざという時の己を守ることはできません!!これからは防御重視の超装甲ファッションが流行るんですよ!!」
声高らかに言って、山泣は拳をぐっと握った。
突っ込みどころ満載だが、変に突つくのはヤブヘビになりそうだ。防御重視の超装甲ファッションってなんだよ。龍退治にでも行くのか?
「ぼ、防御重視だと重くなったりしないか?」
「ご安心を。カーボンナノチューブや極細ケプラー繊維を使用していますから通気性や着心地にさほど問題はありません。防刃防弾機能もばっちりです」
なにそのハイテクノロジー。それは洋服じゃなくてもはや戦闘服だよ!特殊部隊とかが使うレベルの!
「防弾防刃の繊維が銃刀法が厳しい日本で必要になるとは思えないが」
「万が一の時の備えですよ?」
「特殊工作員が襲ってくるわけじゃないんだぞ………そのブランドは本当に女の子向けなのか?」
「ええ、むしろ男子禁制のお店です。なんでも創業者が男嫌いなのに痴漢にあったそうです。以来防御重視の洋服を用意しないと外が歩けなくなったので、防御重視のファッション、ジュラルミンズを立ち上げたらしいですよ」
超個人的な理由かよ。たかが痴漢防止のために過剰防衛過ぎないか?
そして男子禁制って………
「それ、俺が行けないじゃないか。却下」
「そんな〜」
「ふふふ……山泣さん、甘いわね」
「湯々本さん?!」
「もっと男子が行きたくなるようなお店を紹介するべきよ」
「湯々本さんにそれができるんですか?」
「余裕ね」
「自信満々だな。じゃあ、次は湯々本」
「は〜い。私の行きたいお店は、ホットスプリンガーです」
ぱちんとウィンクを飛ばしてくる湯々本。泣きぼくろがなんか色っぽい………っと、そうじゃなくて…
「説明を頼む」
「読んで字のごとく水着専門店ですよ?」
「水着のみの字もないんだが」
「正しくは温泉用の水着専門店ですね。水泳というか冷たい水には向きません」
「そして範囲が狭すぎる!」
「ダメ……ですか?」
「縋るように言ってもだめだ」
「下着も売ってますよ?」
「ますますアウトじゃないか。行く気がさらに無くなった」
「ふふふ……熱墨先輩が望めばどんな恥ずかしい水着でもきわどい大人な下着でも着てあげますよ?」
そう言って湯々本は両腕でその豊かな胸を寄せて妖艶に微笑んだ。
もしもし、その発育はちょっと日本人離れしてませんか?水月なんかあれですよ。起伏の“き”で止まってますよ。
「………興味ない」
「あれれ〜?今ちょっと迷いましたよね?ね!」
「ふ……湯々本の節操なしの言動に悲しくなったんだよ」
「え〜心配してくれるんですか?大丈夫ですよぉ…………私がこんなことを言うのは熱墨先輩だけですから♪」
「…………」
「ふふ……」
くそっ、動揺させようと思ったら余裕で切り返された。見た目もその言動も年下とは思えないぞ。2、3歳年上のお姉さんと言われても信じてしまいそうである。
「とにかく趣旨が変わってるので却下。今日は水着を買いに来たわけじゃないだろう」
「おかしいですね?結構いけそうだったのにぃ」
首を傾げて流し目を送ってくる湯々本。あざとい。あと近づくのやめれ。甘い香りが漂ってきて緊張するから!そういうのは好きになった相手にでもやってください!!
「次!布枕」
「あ、逃げた……」
身の危険を感じ、にじり寄る湯々本から素早く離れてベンチの横でぼーっとしてる布枕の所へ行った。
「布枕?」
「…………」
布枕に声をかけるが返事がない。
「おーい」
「…………」
布枕の正面に回って顔を覗き込むと、彼女は立ったまますやすやと寝ていた。姿勢がぶれないので起きているかと思ったぞ。
「布枕、起きろ」
肩を軽く叩くと、布枕はゆっくりと目を開けた。
「………寝てた。何か用?」
「お前が行きたい店は?」
「……スリーパーズ」
「それはどういう店なんだ?」
「寝具全般、寝るためのものなら何でも揃うお店」
「ええと、今日は服を買いにきたんだぞ?」
「……可愛いパジャマもある」
「パジャマパーティーをするわけじゃないと思うんだが」
「今日行きたいのは枕カバーのため。ちょっと寄ってくれればいい」
「そんなことも言っていたな。じゃあ、そこは後で行こうか」
「よろしく。あと熱墨先輩……」
「ん?」
布枕はただでさえ眠たげな目をより一層とろんとさせて両手を俺に向かって突き出してきた。
「眠い……おんぶ」
「しょうがないな。よだれを垂らすなよ?」
「……前向きに検討する」
「絶対垂らすな」
「……善処する」
不安だ………
俺は布枕の両手を首に回して彼女を背負う。
って細っ!軽っ!!なにこれ!?こいつ体重あるのか?
「布枕、ちゃんとご飯食べてるか?」
「……すー、すー………」
「寝てるし……」
それにしてもまともな意見がほとんど出ないな……。
俺は何か良さそうなお店がないかと、布枕をおんぶしながら掲示板の店を見る。
だめだ、さっぱり分からない。ここには何度か水月と来たことがあるが、大抵は書店かカフェか食品売り場のスイーツ巡りぐらいしかしてないからな。
水月の場合、服はデパートで買う派だ。だから一緒に買いに行ったりはしない。そして都裏はさらに上を行く。前に聞いたことがあるが、私服は全てオーダーメイドで専属のスタイリストがいるとか。上には上がいるんだよな。
「熱墨先輩」
「ん?おお、そうか雉下にはまだ聞いてなかったな」
横から声が聞こえて、俺の意識は思考の海から浮上した。声の主は雉下だった。
というか、そもそも買い物に行きたいと言ってきたのは雉下だったな。他が濃すぎてうっかり忘れてたが。
別に雉下が薄いわけではない。例えるならMAXコーヒーとコーヒー牛乳の甘さの違いみたいな感じか。伝わらないか。ちなみに雉下がコーヒー牛乳だ。
「悪い。雉下の発案なのにな」
「べ、別に大丈夫ですよ?!」
「そうか。雉下の希望は?」
「熱墨先輩、風和がいいです」
「そうか、そこがあった!」
風和なら水月と何度か行ったことがあるな。和を基調とした商品展開で、併設する喫茶や数は少ないが本も置いてあり、服屋というよりはちょっとしたテーマパークみたいな雰囲気があるんだよな。
「いいな、あそこなら服も小物も充実してるし併設の茶寮で休憩出来るし………いい考えだ雉下」
「えへへ……ありがとうございます……」
嬉しそうに頬を赤らめて笑う雉下。恋人がいなかったら惚れてしまいそうな可愛らしさである。
「ちょっと熱墨先輩、雉下さんにだけ優しすぎません?」
山泣が不満そうな顔を向けてくる。湯々本も冷たい視線を送ってきている。
「そんなことはないぞ?布枕は別として、まともな提案をしてくれたのは雉下だけだったし」
「私のだってまともだったじゃないですか!」
「私のもまともですよね〜?」
心外という顔で詰め寄る2人。お前らが提案した店のどこがまともなんだよ。痴漢防止男子禁制の戦闘服と温泉限定でしか使えない際どい水着の店だぞ?
「山泣のは全員で行けないから駄目だろう。湯々本の提案は勉強会に着ていく服を買うという趣旨に合わない」
「ええ〜?」
「あれ〜?」
「とにかく移動するぞ!」
ええと、布枕を置いて行くのは……おんぶしてた!軽すぎて忘れてたぞ。
「風和に行くぞ。場所は………4階だな。スリーパーズとやらもあるし一石二鳥だ」
案内板で位置を確認してから、突き当たりを左に曲がる。それにしてもここのショッピングモールはいいな。床がカーペットだからずっと歩いていても大丈夫そうだ。
「熱墨先輩、エスカレーターは右ですよ?」
「ん?エレベーターで行くぞ」
「なんでですか?」
「布枕をおんぶしてるから万が一を考えてだ」
「なるほど……」
そうして俺達はエレベーターに乗り込んだ。
「おんぶいいなぁ……」
エレベーターに乗り込む際に、そうつぶやく雉下がいたとかいないとか……
全然話が進んでない(´・_・`)
予定では次回で買い物編終了、次の2話分でお勉強会、それから文化祭編に戻る予定です。
そしてメインの茶道部員が空気と化している気がする………あとでキャラ設定資料を修正するかもです。
おんぶは寝ぼけて首を絞められると本当に苦しいんですよ。3カウント待ったなしです(・_・;
あんなちっこい体のどこにあんな力があるのか………




