表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

~1時間目~

~1時間目~


1時間目は数学だった。

私は中学時代に進学塾に通わされていたせいで、中学時代のときにはすでに三角関数を学んでいた。

だからこそ、今やっている授業は復習みたいなものだ。

教科書にある問題はすでに全ページ解答記入済みだ。

だから授業黒板をノートに記入する作業ともう一つ、参考書にある問題を解く時間でもある。

私の中でのルールなのだが、数学の事業は数学の参考書と科目を統一している。

これが教卓で教えている教師へのせめてもの罪の意識なのかもしれない。


そんな中、ラインに書き込みがある通知が来た。

開くとリムトからだった。

リムトは仮説を立てたんだって言ってきた。アドレスをクリックするとアメブロだった。


「アメンバー限定じゃないか?」


そう送ったらすぐに返事がきた。


「悪い、これ用に今つくったんだった。申請しておくれ。あとみりあにも同じの送ったから」


「了解」


みりあからの返事があった。

リムトがつくったアメブロの中にはこう書かれていた。


【考察1】

天野に送ったなりすましメールと同一犯の場合


容疑者:木田

目的:佳ちゃんに恐怖を与えて勉強を手につけなくさせる

疑問点:佳ちゃんに送るメールに自分の名前を書くのかという疑問。学年2位のみりあに何もしていない



【考察2】

天野に送ったなりすましメールを見た模倣犯の場合。

容疑者:不明

目的:ただの愉快犯

疑問点:どうして佳ちゃんをターゲットにしたのか。単なる学年トップの成績者だから知名度あると思っただけなのか。高橋先生はどうして木田の名前をだしたのか。


【考察3】

天野が木田に対する復習の場合

容疑者:天野

目的:木田を陥れるため。

疑問点:送るのなら2番目のみりあでなく佳ちゃんをなぜターゲットにしたのか


【考察4】

本当に未来からメールが来た場合

容疑者:未来の佳ちゃん

目的;本当に命の危険があったため

疑問点;過去にメールが送れるなんて聞いたことがない


ブログに書かれている内容をみてわらってしまった。こんな短い間によく考えつくなと思った。だが、読みながら一つ腑に落ちないことがあった。

天野の件だ。

裏サイトを見ていて疑問に思ったのだが、天野は受験組の誰かに告白をした。

だが、一体誰に告白をしたのだろう。

それがどこにも書かれていなかった。

それともう一つ。

どこにも天野自身がMixiにあげたという記事と、内部組みに送られたというメール自体も書かれていない。

つまりどこかで情報が操作されているように感じる。

さらに、もう一つ。

どうして天野のなりすましメールで高橋先生は「木田」について懐疑的になったのか。

わからない。

多分何か重要な情報が欠落しているように感じる。

私はリムトの記事を読みながら考えていた。


「では、この問題を新城答えてくれるか」


教師が私を当てたので黒板に解答を書きに行った。黒板までの間に天野の机が見える。

引き出しの中に何かまだ入っていた。あの中はどうするのだろう。帰りのHRの時にまだ誰も気にしてなかったら先生にでも言うか。


私はそんなことを思いながら黒板に解答を黙々と書いていた。なんだか今日は授業が全然耳に入ってこない。気がついたらチャイムがなっていた。

~2時間目~


チャイムと同時にリムトが駆け寄ってきた。


「どうだった?」


ここで話すのか?

そう思っていたらみりあも同じように席にやってきた。

みりあが言う。


「全部ダメね。だってどれも決定的じゃないもの。でも考察3はちょっと面白いと思ったわ。詳細はお昼にでも話そうよ。多分科学準備室だったら空いていると思うからお昼は科学準備室ね。コーヒーつくっておいてね」


みりあはなぜかフラスコでつくるコーヒーがやたらと好きだ。

はじめその見た目から抵抗があったけれど、よく考えたら滅菌されているのだから下手なコップよりはビーカーやフラスコの方が綺麗なのかもしれない。

リムトが言う。


「そうだね。僕ら一応科学研究部だものね。こういう時って部活入っているのっていいよね」


だが、実際リムトは文芸部にも所属している。リムトが言うには小説を書くのに文芸部に入っていないと変だろう。どうせ、文芸部に入っても学校のために何かを書くなんてしないけれどねとか言っていた気がする。どちらにせよ席だけ置いている、たまにやってくる部員である。お昼休みに部室に入ってくる人も少ない。

そういえば最近科学研究部では変なものを作っていた気がするな。

なんか部室の一角に変なオブジェができていたのを思い出した。学会で一蹴されたらしい論文だったらしいが、部長がその論文を気に入ってなんだかそれっぽいものを作り始めたと聞いていた。

実際、お金があるわけでないからリサイクルショップやジャンク屋で集めたものを作っているだけだ。

そんなもので世紀の発明が生まれたら世にいっぱいいる賢人たちが嘆くだけだ。


一見他愛ない会話をしているだけだったのだが、不意に席に近づいてくる人がいた。

内部組の人。委員長だ。


長い黒髪、キリッとした顔立ち。目力だけは半端ないこの女性を私はどこか畏怖している。リムトは女帝とあだ名をつけていたがぴったりだと思った。

誰も彼女には逆らおうとしない。多分私に用事ではないのだろうとずっと祈っていた。だが、祈りは通じず声をかけられた。


「新城くん、ちょっといいかしら?」


そう言って委員長はベランダの方に移動した。

こっそりリムトがついてこようとする。


「高坂くんには用事はないは。そこで待っていなさい」


リムトは静止された。だが、こっそりベランダ近くまで忍び寄っている。このあたりは絶対にブレないのがリムトだ。そして近くになぜかみりあもいた。

委員長がベランダにもたれながらこう言ってきた。


「何か話すことがあるのではないの?」


いきなり高圧的に言ってくる委員長に首を横に振るだけだった。

委員長がさらに言う。


「さっきの授業ずっと携帯をいじっていたよね。1学期には授業でそんな素振りをしていたことなんてなかった。何かあったと気になるでしょう」


純粋に怖いと思った。多分私の思いが委員長に伝わったのだろう。委員長が言う。


「別に、新城くんだけを見ていたわけじゃないのよ。委員長としてクラス全体をいつも見ているの。誰の様子がおかしいとかね」


私は疑問に思った。気がついたらそれは声になっていた。


「では、委員長は天野くんのことも見ていたのですか?天野くんに一体何があったのか知っているのですか?」


その瞬間委員長の顔が曇ったのがわかった。


「それは、、、」


委員長がそれでも話そうとした時にチャイムがなった。


「席に戻りましょう」


委員長のその言葉でその言葉の先を聞くことはできなかった。


授業は古典だ。

徒然草の部分が黒板に書き出されている。

進学塾だったせいか、有名どころはすべて対応済みだ。

徒然草だとどの部分が出題されても出題傾向まである程度わかるから悲しいものだ。

知っているのと知らないとでは古典なんて点数が変わるに決まっている。

私の中で不思議と古典は暗記物に変わってしまった。

はじめは英語と同じ要領だと思っていたが、覚えてしまった方が早かったので今ではある程度有名どころは覚えてしまっている。

しかも、一旦覚えるとはじめて見る物語でもなんとなくわかってくる。

まぁ、単語もなんとなく覚えているから話の流れがわかるというものだ。


だから、古典の授業は退屈でしかない。黒板を書き写しながら参考書をといていた。

ラインが更新される。リムトからだった。


「で、委員長は何言ってきた?」


私は簡単に説明を書いた。


みりあから書き込みが入る。


「佳ちゃんって鈍感だものね。だから安心でもあるけれど」


一体みりあは何を言っているのだろう。

リムトから書き込みが続く。


「んで、裏サイトは見た?あ、そうそう、天野の件って違うとこでスレ立っているから、面倒くさいよね。一つにまとめてくれたらいいのに」


スレッドがどこかに立っている。

知らなかった。


「それって、どこにに?」


私はリムトに聞いた。

リムトがアドレスを送ってくれた。


だが、そのアドレスはすでに削除されていた。

リムトからすぐに書き込みが続いた。


「あ、そうだ。そのスレ、教師が気づいて削除されたんだ。どこかに確かミラーサイトがあったはずだから探しておくよ」


そんな中、メールが届いた。

科学研究部からだった。内容はこうだった。


「放課後部員は部室に来ること。この実験で過去改変が可能になる。過去にメールを送る」


このメールでリムトが言っていた考察4もあながち夢物語ではないのだと思ってしまった。

だが、過去に送るメールで過去を変えられるとするのならあの事もなかったことにできるのだろうか。


私はみりあの方を見た。私よりみりあの方が思うだろう。

私はふと高校受験のあの頃を思い出していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ