~エピローグ~
~エピローグ~
リムトと咲季も時計塔のロビーにやってきた。
みんな教師に説明が終わったからだ。
目の前には時計塔の長針が落ちている。
もし、あの場所に誰かが居たら大惨事になっていただろう。
私はそっと胸をなでおろした。
1階の会議室で天野、木田、そして委員長がまだ教師からの事情徴収をうけている。
写真部の部室でも同じようなことが行われているだろう。
海馬部長が横に座って話してきた。
「思うんだが、俺はどうして校門前だったんだ。俺も現場にいけばよかったんじゃなかったのか?」
私はこう言った。
「誰かが校門前で校内に入るのを止めないといけないでしょう。現場でもし逃走して学校に来られたら知られたくないことも知られてしまうかなって思ったからです」
そう、いろんな気遣いの中で今という関係が成り立っているのならそれを壊したくないと思った。海馬部長が私の頭をぽんとたたいて立ち上がった。
海馬部長が言う。
「まぁ、無事終わったということかな」
リムトが近寄ってくる。
「どうして、咲季をストーカーしていたのが木田だってわかったの?」
リムトの答えは簡単だった。カメラだ。そうそれがなかったら木田はいつもフィクサーで実行犯が天野だと思っていた。
実行犯の後ろでカメラで撮って楽しんでいるだけのやつだと思っていた。
「リムトのおかげだよ。ありがとう」
遠くでみりあと咲季が話している。あの二人があんな感じで笑い合っているのを見るのは本当に久しぶりだった。
この輪に後からやってきたのは花音先輩だった。なんだかすっきりしていない表情だ。
ずっと隅にいて下を向いている。時折抱いているぬいぐるみに話しかけているので、そっとしておこうと思った。
海馬部長が言う。
「じゃあ、俺らはこれから病院にいってくる。また明日部室でな」
そう言って海馬部長と柿崎先輩は時計塔から出て行った。もう雨雲は通り過ぎたのか雨は弱まっていた。
「じゃあ、帰ろっか」
リムトが立ち上がってそう言った。
私も立ち上がる。やはり雨のせいか杖がないとなかなかうまく立てない。
花音先輩がまだ下を向いていたので話しかけに行った。
「どうしたんですか?こんなにうまくいったのに」
だが、花音先輩のセリフは違っていた。
「うまくいったの?ならいいのだけれど。結局プログラムは完成しなかったのよね。じゃあ、私帰るから」
そう言って花音先輩は帰って行った。ピンクのフリルつきの傘をさして歩いている。
「佳ちゃんも帰ろうよ」
みりあが話しかけに来た。私は「おう」と言えたけれど自分の中で何もかもかが間違っていたことに気が付いた。
みりあが言う。
「どうしたの、佳ちゃん?」
「いや、なんでもない」
そう言った後にみりあはいつもとちがって何も追及してこなかった。




