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獅子王の逆鱗!!

その頃、大敗退をしたドラゴマ国の王、ドラゴニスは野営テントで、寝苦しい夜を過ごしていた。


ドラゴニスの目の前に、二人の将軍が、挙動不審にしている。


「……現在の状況は?」と不機嫌そうにするドラゴニス王。


貧乏揺すりをし、苛立っていた。


「はっ。現在、第八師団及び第十師団がノウェー地区において、足止めをくらっており、身動きが取れておりません!!」


「他の部隊もプルクテスに入る前に、帝国軍との戦闘状態になっており、後方部隊は全軍、駐留しております」とドラゴニスの私兵がそう言った。


その言葉に、睨みつけるように、目の前に立つ、二人を見上げる。


「……リヒデン将軍にブルク将軍……これはどういう事だ?」


それにリヒデンとブルクが同時に姿勢を正した。


「恐れながら、申し上げます!!帝国軍は我が軍の動きを全て把握しており、帝国の待ち伏せ部隊が峠や、山脈、はたまた、廃棄された鉱山跡地にまで、忍ばせております。その為、むやみやたらに進軍しては、国王陛下より、お預かりし兵士を損失してしまうわけには行かないと思いに至り、進軍をやめております」


「そして、前進できない一番の原因は、神出鬼没の謎の黒騎士とその直属部隊です。しかも、薄気味悪いその直属部隊は確認されている限り、全員、女であり、彼女らの右肩には、白い蛇の刺青があるそうなのです」


「例の白蛇隊か……」


「情報によると、その謎の黒騎士は前線に出ないことが多く……その為、その黒騎士が帝国軍の中枢だと考えるのが……もっともだと思い……その……黒騎士を先に倒す必要があると、我々は考え、提案ですが……作戦を一から……作り直されては、いかがでしょうか……?」


「作り直す?作戦を一から作り直すだと?……この作戦は……余が考えたのだ!!余の考えた作戦は完璧であり、どこにも抜け目がないのだ!それを一から、だと!?ふざけるな!」


「しかし、陛下ー」


「黙れ!!貴様らは余の命令に従えばよいのだ!なぜ、それが出来ん!?なぜ歯向かう?なぜ、言われた通りに出来ん?」


「ですからー」


「ブルク!貴様は余に命令するのか?!公爵となったからと、王に逆らうか?!」と机をドンドンと叩く。


「いいえ!!そのような事は」


「そもそも、この作戦は二週間で終わるはずだったのだ!!貴様らに作戦期間を短縮した理由がわかるか?防衛能力を失った国を一気に叩き落すのは容易のはず。プルクテスの軍港を制圧し、首都に入れば、帝国軍はどうしょうもできないはずだった!そして、二週間後には、余が、プルクテスの城門をくぐる予定だった。なのに、今!!余はどこにいる?!ここはプルクテスか?」


「ち、違います」


「ここは、どこだ!?言ってみろリヒデン!」と罵声を浴びせる。


「ここは、バルド島です……」


「そうだ。ここはバルド島だ!!なんの価値もない更地のこの島を余の軍隊が悠々と余を示す軍旗を掲げ、自慢げに、占領しているのだ!!」と血が頭に上ったドラゴニスは、頭痛がした。


「陛下……あまり、大声を出されるとお体に触ります」と心配した侍女が寄り添う。


「………よいか?十二万の軍勢をプルクテスの首都に入城させろ。泣き寝入りは許さん。昼夜問わず、徹底的に攻撃しろ。帝国軍が、東部地方へ前線を拡大している今が、チャンスなのだ。これを逃せば、いずれは、東部地方の征服を終え、余のドラゴマが帝国軍に征服されてしまう。だからこそ、今、帝国の力を少しでも、削ぎ落とし、金鉱山を余のものにするのだ。よいな?」


「……承知致しました」


「直ちに、全軍を進軍させます!!」というと、リヒデンとブルクは一礼し、王のテントを後にした。





ドラゴニスのこの怒りは逆に焦ると自分に残された寿命の事に恐怖を感じていた。


どうしても、自分が死ぬ前に、この戦争を終結させ、領土を確立したいという思惑があった。


しかし、その思いは、帝国という大きな壁にぶち当たったのである。


リヒデンとブルクは、無言で夜の道を歩く。


すると、リヒデンがいきなり、周りをキョロキョロとする。


「ブルク。少し、付き合え」と、ブルクを一目がつかない裏側に連れて行く。


「なんだ?俺は早く寝たい。明日には早馬でー」とその話を遮るように隠していた秘密をブルクに言った。


「聞け。ブルク。………シェールが独立した」


「なに?それは本当か?!」


「バカ!声がでかい。………いいか。この情報は、私のところで止めているんだ」


「どういう事だ?側近の貴様がする行為ではないぞ。この事は急いで、国王陛下に報告をせねば………」


「待て……私は、カシミア国に亡命する」


「はっ?お前、せっかくの地位を棄てるのか?あれだけ苦労してー」


「もううんざりなんだ。こんな虐殺戦争なぞ。なんの利益も、正義もない。我々の目的は、豊かになる事だった。人を殺す事が目的ではない」

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