小学生の息子に折り紙の本を与えたら教室で産業革命が起きた話 ~教室で起業、生産ライン構築、仲介業参入で事業展開、恋のおまじないブランディングで折り紙長者になって帰ってきた~
※これは「オリロボ」という折り紙の本の商品レビューとして書いた文章を改稿したものです。
https://www.socym.co.jp/book/936
ISBN 978-4-88337-936-1
AIは使用していません。というか元の文章を書いた当時はまだAIは無かったな。
折り紙二枚でロボットを作る方法を紹介した本「オリロボ」。
この本が発売された当時、息子はまだ小学生だった。
何気なく買い与えたこの一冊が、後にクラス経済を揺るがす「産業革命の火種」になろうとは、このとき誰も知る由もなかった。
自宅のダイニングテーブルで、本を見ながら、息子と一緒に折り紙のロボットを折る。
それが、すべての始まりだった。
完成したロボットを気に入った息子が小学校に持っていくと、たちまち教室の男子たちの間で大ウケした。
「このホイル折り紙をやるから、俺のロボも折ってくれよ」
クラスメイトから、次々と注文が舞い込んできた。
最初のうち、息子は頼まれるたびに一体ずつ折っていた。しかし、一人では到底生産が追いつかない。
そこで彼は、仲間に折り方を伝授して「折り手」を増やし、量産体制を構築した。
それでも需要に供給が追いつかなくなると、今度は人気のデザインをあらかじめ大量に折っておき、完成品のロボから好きなものを選ばせる「在庫販売方式」を導入した。
顧客を待たせず、製作側の負担も減らす。実に見事な工夫である。
ムーブメントはさらに加速する。
仲間たちは「折り手」にとどまらなかった。自分たちで新しいロボや武器を考案し始めたのだ。
絵のうまい子はロボのファンアートを描き、オリジナルキャラを考案する。
文章の得意な子は世界観やストーリーを執筆する。
ゲーム好きなグループはそれらの設定を取り込み、ロボを題材にしたオリジナルのカードゲームまで作り出した。
小さな教室の中に、ひとつのメディアミックス産業が誕生した瞬間だった。
やがて、その「経済圏」に新たな「事業者」が参入してきた。
華僑にルーツを持つ同級生が、こんな申し出をしてきたのだ。
「欲しいやつからの注文を俺が取りまとめて、折り手を組織化する。
つまり俺が間に入って、ロボの流通をスムーズにするよ。
報酬は先払い。先にホイル折り紙を渡すから、指定したロボを指定した数だけ一日で折ってくれ」
小学生にして仲介ビジネスを思いつくとは。
受注の集約、製造者の手配、報酬の前払い、さらに納期と生産計画まで考えている。
栴檀は双葉より芳しというが、ビジネスエリートの見事な発想に、ただただ感服するしかなかった。
一方、息子も負けじと戦略眼を発揮する。
ロボが意外と女子にも人気があること、そして「誰が折ったか」によって欲しがる女子の数が変わる事実に気づいたのである。
独自のリサーチを進めた結果、教室内に
「好きな男子が折ったロボを持っていると、恋が叶う」
という、極めて女子力の高い「おまじない」のトレンドが生まれていることを突き止めた。
彼はすぐさま女子受けするカラーリングを展開し、「サイン入りロボ」と称して「人気折り手の氏名」を明記するブランディングを開始。
ロボ人気の波は、小学生男女の間にある高い壁を軽々と越えて広がっていった。
毎日、息子が報告してくれる「事業の進捗」を聞くのが楽しみでならなかった。
新商品の開発、生産体制の拡大、流通業者の参入、新たな顧客層の開拓。
まさに「小さな産業革命」の目撃者気分である。
ある日、帰宅した息子がランドセルから、見覚えのないホイル折り紙を何枚も取り出したことがある。
金、銀、赤、青。
聞けば、すべてロボを折った報酬として受け取ったものだという。
小学生のランドセルから、その日の「売上」が次々と出てくる光景は、なかなか壮観だった。
こうして息子たちのグループはホイル折り紙長者になり、キラキラのロボ折り放題でウハウハだったらしい。
流通していた通貨が「ホイル折り紙」であったから生暖かく静観していた。
だが、これがもし高価な品やリアルマネーに化けるようなことがあれば、いつでも大人が介入できるよう準備はしていた。
けれど、本音を言えば。
もし彼らの「経済圏」で取引トラブルが起きていたら、あの子たちはどんな仕組みを考え、どんなルールを作り、どう知恵を絞って解決したのだろう。
それを、ほんの少しだけ見てみたかった気もしている。
オリロボおすすめ。ちょっと頑張って折らないといけませんが、クラフト系とロボが好きな子には刺さると思います。絶版にはなっていないので、Amazonとか本屋で探して買ってみるといいよ。




