表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔ノ片鱗-才能ないからクビになったおれ、幼女になったら実力が開花したんだが-  作者: 東山ルイ
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/15

015 ハッカー役の発見

 その後、ラークとラキナはジョニーの家へ向かっていた。


「あんまり広い家じゃないからな。ドンとラキナはベッドで寝られるけど、おれはソファーで練るしかない」

「そこまで気使ってくれなくて良いのに」

「ドンは成長期だろ? なら、ちゃんとベッドで寝たほうが良いさ」


 昼の日差しがサンサンと降り注ぐ中、カネなんてない3人はただ歩いていく。ジョニーの空間移動を使えば良いのでは? と思うかもしれないが、家までの道のりが分からなくなるため仕方ない。


「ドン」

「ん? あぁ」


 ジョニーは、倒れ込んだ誰かが誰かを蹴っている様子を指差す。連中の年齢的は高校生くらいだろうか。「こりゃいけないな」とラークは、いじめっ子4人組といじめられっ子ひとりの元へ向かった。


「なにしているんですか?」

「あァ!? ガキが首突っ込むんじゃねぇ!」

「そうですか」


 ラークは魔力を右腕に集め、張り手のようにいじめっ子の胴体に触れた。

 バンッ! という爆発音。

 いじめっ子のひとりは、ガードレールまで吹き飛ばされた。

 うめき声を上げる友だちを見て、いじめっ子たちは呆気にとられたような表情になる。


「……は?」

「首の代わりに手を突っ込んだだけだよ。さて、次お仕置きされたいヤツは?」


 いじめっ子たちは、中心で蹴り放題していた少年を放って一目散に逃げ出した。根性のないヤツだ、とラークは侮蔑の目つきで彼らを見送る。


「よう、調子は?」

「……誰?」

「私はラーク。オマエは?」

「……ローナ」


 顔は腫れているが、元に戻れば美形だろう。髪の毛は金髪で、この歳の少年にしては珍しくデコを隠すくらいの長さ。身長は160センチくらいで、あまり高くない。学生服を着ているが、ラークは小学校もろくに出ていないためなんの学校かは分からない。


「そうか。ちなみに、蹴られていた理由は?」

「見れば分かるでしょ……? いじめられてるんだよ」

「理由は?」

「僕が〝ナード〟だから」

「それだけであんな人数に蹴られたりしないだろ」

「……アイツらをぶち殺す毒薬を学校で作ってたんだけど、それが誰かに密告された。だから殺されかけてた」

「へぇ。ならさ、ハッキングとかできる?」

「一応は……」

「上出来だな。きょうからオマエは、ボヘミアン・ファミリーの頭脳担当だ」

「……は?」ローナは汚れて腫れた顔を上げた。

「オマエ、居場所がねぇんだろ? 学校には殺してぇヤツがいるけども、ソイツも失敗している。それに、学校には機材が揃っているだろうけど、わざわざあそこで毒薬を作る意味はない。となれば、家でも孤立していると考えるのが普通だろ?」

「……っ」図星だったらしい。ローナは唇を噛む。

「私たちは社会の落第者で、爪弾き者の傾奇者だ。そんなクソッタレのゴミ箱どもだが、今度ハンターズ入隊の試験を受けようと思っている。どうだ? ここはひとつ手を組まないか?」ラークは小さな手を差し出した。「毒薬を作るスキルは、魔術も絡んでいるんだろ? だからそれらを私らに提供してもらえれば良い。どうだ? 乗るか?」


 ラークといじめられっ子がいつまで経っても話し込んでいるので、ジョニーとラキナは彼女たちの元へ向かっていく。


「ドン。人助けも良いけどさ、おれらを放置したら寂しいぜ」


 黒髪でウェーブのかかった髪をソフトモヒカンにしている、男前の24歳ことジョニーは、顔が腫れて口も切れて血を垂らす少年に、ひとまず口を拭くようにハンカチを差し出す。


「あ、ありがとうございます」

「あぁ。で? このガキンチョとなに話してたの?」

「簡単だよ。ボヘミアン・ファミリーに勧誘していたんだ」

「あァ? 制服見る限り、金持ちしか通えない学校の生徒だぞ? それがおれらみてぇなクソどもの仲間になるのかよ━━」

「僕、ボヘミアン・ファミリーに入りますよ。ラークさんが僕を助けてくれたのは事実なので」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ