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悪魔ノ片鱗-才能ないからクビになったおれ、幼女になったら実力が開花したんだが-  作者: 東山ルイ
第2章

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014 性的倒錯者・ミク

「まぁ、今の私とオマエらならきっと受かるさ」


 ラークはスカウティングされて、ハンターズに入隊した。しかし、なかなか目が出ずにクビになった。スカウト曰く、『開花すればハンターズ最強の人材になれる』とのことだったが、結局才能が昇華することもなかった。

 だが、今のラークならば試験合格もできるはずだ。〝悪魔の片鱗〟という新たな武器を手に入れた上に、10歳程度の幼女ともなれば、青田買いしてくれる可能性は高い。


 さも当然のようにハンターズの事情を知っていることに疑念を抱いたのか、ジョニーがラークに話しかけてきた。


「なぁ、ドン」

「なんだ、ジョニー」

「アンタって、結局何者なんだ?」


 ラークは鼻でフッと笑う、


「今のところは何者でもない。私はこれからなにかになるのさ。異論、あるか?」

「ねぇな」

「ねぇのかよ」ミクがツッコミを入れる。

「だって、ドンだぞ? おれらの小さい哲学じゃ理解できん、なにかを隠し持ってるはずだし」

「まぁ、魔力は凄まじいものがあるけどよ」

「それだけじゃない。なにかを隠してる気がするんだ」


 ジョニーは案外勘が鋭いのかもしれない。もっとも、ラークのような幼女がこれだけの実力を持っていて、それを訝らないほうがおかしいとも感じる。


「ま、私がなにを隠しているかはこの際どうでも良い。試験内容を伝えておくぞ」


 ラークはタバコをくわえ、火をつけてリラックスした態度で言う。


「試験内容はズバリ〝実技〟だけだ。ハンターズにとって厄介な賞金首を最初に狩ってきた連中が、アイツらの輪に加われる」

「なるほど。ソイツの懸賞金はどれくらいなんだ?」ジョニーが尋ねてくる。

「だいたい、100万メニーから200万メニーくらいだろうな。試験時にソイツの懸賞金が発表される。もっと詳細に話すと、ソイツを捕まえられる時間はピッタリ24時間。それを過ぎて誰ひとり捕まえられなかったら、全員脱落。なので、ミク。オマエの部下が役立つだろうな」


 ラークはタバコの煙を肺に入れ、ゲホゲホ咳き込む。もう吸っていられるか、とそれを灰皿に押し付けた。


「あーあ、タバコなんて吸うものじゃないな。さて、試験は1週間後。私はホームレス生活でもしようかね」

「そういえばオマエ、家賃も払えないとか言ってたな」

「ミク、そのとおりだ。どちらか間借りさせてくれないか? 退去費用とかはバックレることにした」

「はい! あたしの家を貸しますぞ━━「ドンとラキナは身体小せぇから、おれのアパートでもなんとかなりそうだな。来るか?」

「そうするよ、ジョニー」

「え、あたしと暮らすの、そんなに嫌?」

 ジョニーが悪態をつく。「当たり前だろ。ロリコンのワキガと、同じ屋根の下で暮らしたい幼女たちはいねぇよ」

「誰がロリコンのワキガじゃい!! テメェ、表出ろよ!!」

「ドンはどう思う?」

「ロリータ・コンプレックスでちょっと臭いヒトと、いっしょには暮らしたくないな。寝ている間にあそこ舐められそうだし。ラキナはどう?」

「ラークについていく」

「というわけだ。ジョニー、間借りさせてもらうぞ」


 ミクは項垂れ、ブツブツとなにかを呟く始末だった。といっても、ワキガなのはともかく、ロリコンだというのは全く持って否めないため、1週間だけとはいえいっしょに暮らせないのは仕方ない。


「んじゃ、今後はジョニーの家で計画練るぞ。ミクに住所教えてやれ」

「了解」


 あまりにもミクが落ち込んでいるため、ラークは彼女の肩を叩き言う。


「ミク、これからはボヘミアン・ファミリーの時代だ。いつかみんな揃って、同じ豪邸の下で暮らそうぜ。成功を掴めば、世界は変わってみえるはずさ」

「……オマエやラキナと同じ家で暮らせるってこと?」

「うまくいけばな」

「ひゃっほーい!! ミクちゃん頑張るぞい!!」


 ラークは内心、(コイツ、ロスト・エンジェルスにありがちな性的倒錯者だな)と毒づくのだった。


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