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もう人生に飽きました

作者: 華城渚

私はベッドの上に横たわっている。

ベッドだけが淡い光で照らされ、辺りは薄暗く何も見えない。



呼吸が荒くなる。

心臓の鼓動が大きく脈打っている。


緊張しているらしい。

まぁ今から起こることを考えれば不思議なことでもないだろう。


私は今から解剖される。

意識は落とされるが、戻ってくることはない。

つまりこの時間が人生最後の日となる。



だがこれは私が望んだことだ。



もう自分の人生に飽きてしまった。

仕事は学ぶことはなくなり単純作業と化した。

息子も成人した後立派な職業に就いたらしい。 なぜか頑なに教えてくれなかったがな。



カラカラカラ......



解剖道具をのせたカートが近くに置かれた。



ドクン......ドクン.....ドクン....


鼓動がだんだんと早くなる。



ドク.....ドク....ドク....ドクドクドク


心臓が痛い。

直接頭に訴えてきている。

ただ一つの言葉を。



生きたい


生きたい 生きたい


生きたい 生きたい 生きたい



                   生きたい



やっとわかったんだな......

今までの人生がどれだけ幸福なものだったのかを......



後悔しても......もう......意識が......落ち......て......



ああ......



でも最後に......



息子の顔を見て眠れてよかった......



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