たった一人の弟子
みじかぁ。
ダナーはリーヒンドとの厳しい修行を経て、冬を越し、ついに大会に臨む時が来た。最初はただの練習だったが、今やそのすべての過程がダナーを確実に強くした。その肉体と精神の成長は、どこにでも自信を持って示せるほどに、確かなものとなっていた。
「本当に、ありがとうございました!先生!」
ダナーはリーヒンドに深々と頭を下げる。その言葉には、これまでの修行に対する感謝の気持ちが込められていた。あの激しい戦いから、数々の厳しい教えを経て、今の自分がいることを実感している。
リーヒンドは少し照れくさそうに笑いながら、口を開いた。
「俺が先生と呼ばれる日が来るとはな。指導下手だったがな。」
自分が教える立場に立つことに少しの驚きとともに、そんな風に言った。
「いや、そんなことないです!先生のおかげで、こんなに強くなれました!」
ダナーの目は輝いている。リーヒンドがあの厳しい修行を与えたからこそ、彼は限界を突破し、自信を持つことができた。
「俺は考えるの得意ですから!」
ダナーはその笑顔で言った。リーヒンドもその言葉に、心の中で思わず笑みを漏らす。最初は何もできなかった彼が、今ではどんな状況でも冷静に考え、瞬時に判断できるようになっていた。それが、彼の成長の証でもある。
「いつの間にかしつれいな弟子になったもんだ。それより大会、頑張れよ。」
リーヒンドの目には、ダナーの成長を見守る誇らしさが浮かんでいた。そして、彼にとっては、ダナーがどう結果を出すかが問題ではなかった。それよりも、ダナーがここまで強くなったという事実こそが、何よりも重要だった。
「頑張ります!!!」
ダナーは大きな声で答えた。その言葉には、彼の決意と覚悟が込められていた。そして、どんな結果が待っていようとも、この修行が無駄ではなかったことを証明するために、彼はその全力を尽くすと心に誓った。
リーヒンドは黙ってうなずき、言葉にすることなくダナーを見守る。その目には、どんな言葉よりも深い意味が込められていた。ダナーがどんな結果を出しても、彼はただ一つの真実を知っていた。それは、ダナーがもう立派な戦士であるということ。