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Sword King  作者: ふんころ
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バトルロワイヤル

戦闘開始


ダナーは一瞬で敵の位置を確認した。目の前にいるのは、身のこなしが異常に鋭い剣士──その瞳からは冷徹なまでの集中力が垣間見え、相当な実力者であることがわかる。


「レベルが高すぎるッ……!だが…俺だって負けていないっ!」


その瞬間、敵は一気に間合いを詰めてきた。ダナーは瞬時に反応し、背後の壁に向かって飛び退く。しかし、敵はその動きに合わせて、ダナーの一歩先を読んでいた。


「速い!」


敵の剣は目にも止まらぬ速さでダナーに迫る。その剣の切っ先が、ダナーの肩をかすめ、衣服を切り裂いた。


「くっ…!」


一瞬の隙を突かれてしまったが、ダナーはすぐに体勢を整えた。敵は冷静にその剣を構え、さらに間合いを詰めてくる。恐ろしいほどの集中力を持っている相手だ。


「レベルが違いすぎる…。こいつとまともに戦っても勝機はないのか?」


だが、ダナーの心の中で冷静な声が響く。


「いや、諦めるな!こいつは確かに強い、でも俺には考える力がある!」


ダナーは咄嗟に頭を働かせた。まず、敵の攻撃パターンを読み取ることだ。その剣の鋭さと速さに圧倒されそうになるが、ダナーは一歩引いて冷静さを保ち続ける。


「今だ!」


ダナーは敵の剣をかわしつつ、反撃の隙を見つける。瞬時に目をつけたのは、敵が攻撃後に一瞬だけ見せる微かな隙。そこに全力で踏み込む。ダナーの刀が一閃し、相手の肩を狙った。


しかし、敵はそれを予測していたかのように、すばやく剣を横に動かし、ダナーの一撃をかわす。そして、反撃の刃がダナーに迫る。


「ぐっ…!」


ダナーはまたしても回避行動を取るが、今回は間に合わなかった。剣先が腕をかすめ、痛みが走る。血が流れ出るが、ダナーはその痛みを耐え、冷静さを保ち続ける。


「くそっ、こいつ…!」


攻撃の隙間を見極めるその冷徹な目、そしてスピード。その実力差に苦しむダナーだが、ここで諦めるわけにはいかない。


「でも、まだだ…!」


ダナーは一瞬、目を閉じ、深呼吸をする。自分の戦い方を思い出す――考える習慣、そしてそれをどう戦闘に活かすかだ。自分の過去の戦闘経験、学んだ技術、そしてこれまでの努力が今、試されている。


「まずは落ち着け!」


ダナーは自分の内面を落ち着かせ、頭を整理する。敵の剣の軌道は速く、予測しにくい。しかし、ダナーはそれを避けるだけでは勝てないことに気づく。反撃のチャンスを作るためには、まず相手の攻撃のリズムを読み、そこに隙間を作り出す必要がある。


そしてダナーは再び動いた。今度は敵の剣を打ち合わせるのではなく、その隙間を利用して一気に距離を詰める。攻撃は敵の目の前でかわし、ダナーは体を低くして素早く動く。


「今だ!」


ダナーは相手の背後に回り込み、肩越しに剣を振る。狙いは一瞬の隙を突いた背後からの攻撃だ。敵が一瞬だけ見せた微かな隙を狙うことで、ダナーはようやく相手に一撃を与える。


「よし!」


ダナーの剣が敵の背中にかすり、かろうじてダメージを与えたが、それでも相手はまだ動き続けている。敵はすぐに振り返り、猛反撃を仕掛けてくる。


「だが、もう少しだ!」


ダナーは一瞬の隙を見逃さず、相手の剣を受けながら反撃の準備を整える。今度は、敵の攻撃が来る前に自分が先に仕掛ける。これが、ダナーの“考える習慣”によって生まれた新たな戦法だった。


一瞬の間に全てが決まった。ダナーは目を閉じ、敵の動きを予測しながら最後の一撃を放った。


その刃が敵の肩を打ち抜き、戦闘が終わる。


「勝った…。」


ダナーは息を整えながら、倒れた敵を見下ろした。まだ痛みが残っている腕を気にしつつも、彼は自信を取り戻した。


「レベルが違うと感じた。でも、負けてはいなかった。」


彼の思考が戦闘を支配し、また一つ成長を遂げた瞬間だった。


ダナーは男を倒した後、しばらく息を整えながら戦況を見渡した。周囲は未だに戦闘が続いており、数多くの剣士たちがその死闘を繰り広げている。どこか遠くで叫び声が聞こえ、剣の音が響き渡る。その中で、自分がどうやって生き残るかを考えていた。


「今の実力では、正面から戦えば確実に倒される……」


ダナーは冷静に思考を巡らせた。自分が今できることを考える。それは「力ではなく、頭を使うこと」だ。力勝負では勝てないと確信した彼は、戦い方を根本的に見直さなければならない。


「いかに安全に、かつ確実に敵を仕留めるか……それが今の課題だ。」


ダナーの頭に浮かんだのは、まるで暗殺者のような戦法だった。直接的な対決を避け、相手に気づかれずに一気に決着をつける。時間をかけず、リスクを最小限にし、素早く戦闘不能にする。それがこの試験での生き残りのために最も効果的な方法だと直感的に感じ取った。


ダナーは再び周囲を見渡す。敵の動き、戦闘の状況、そして自分のポジションを把握する。それをもとに行動するために、身体能力を最大限に生かさなければならない。目を閉じて、一度呼吸を整えた後、考えた。


「短剣だ。今の俺にはあれが最適だ。」


短剣は軽く、持ち運びも便利で、素早い動きが求められる。真剣を使うことで、致命的なダメージを与えることができるだけでなく、相手に気づかれずに戦闘を終わらせることも可能だ。木刀ではない、真剣を使うことで戦闘の精度が飛躍的に上がる。


「相手の死角をついて、瞬時に仕留める。身体能力を駆使して、素早く、正確に。倒すべき相手を見極め、隙を見つけて一撃で仕留める……それが理想だ。」


ダナーは戦闘の流れを読んで、次の動きを考えた。まず、敵が気を取られている間に、自分の存在を隠す。そして、視界に入らない位置から、急所を狙う。これは正面で戦うのではなく、暗殺者のように相手を倒す方法だ。


「正面切って戦わず、あくまで戦闘不能にするだけ。それもまた剣士としての技術だ。」


ダナーは短剣を手に取り、もう一度その鋭さを確認する。真剣の冷たい刃が手のひらに伝わり、その感覚が戦闘に対する集中力を高めた。何度も頭の中でシミュレーションを繰り返し、最も効果的なアプローチを見つけ出す。


「今は剣士らしくなくてもいい。合格するためにはなんだってしてやる。泥臭くても、なんだって。」


ダナーは決意を固め、再び戦場に向かって走り出した。すでに戦いの中に巻き込まれた相手を狙うことは避け、むしろ周囲でまだ戦闘を繰り広げている相手を慎重に選んだ。自分が有利な位置にいるときに、素早くその場を離れ、戦況を見極める。そして、隙を見つけた瞬間に、ダナーは再びその足を速めた。


相手の後ろに回り込み、息を潜める。敵が前を向いている間に、素早く近づき、背後から短剣を突き出す。相手の動きが予測できる瞬間に、ダナーはもうその動きを完璧に捉えていた。


一撃で戦闘不能にする。致命傷を与えず、相手を無力化するだけの一撃だ。それを実現するために、ダナーはその瞬間まで動きを読み、相手が最も警戒を解いている瞬間を見極める。そして、無駄のない一撃を叩き込んだ。


短剣が相手の防御を切り裂き、急所に当たる。相手はその場で膝をつき、意識を失う。ダナーはその場を離れ、次の相手を探しながら、またその戦いに身を投じていく。


戦闘を終えたダナーは、自分が戦闘不能にした相手の数を数えた。その記録は、1人。しかし、それが彼にとって重要だった。無駄な戦いを避け、確実に敵を仕留める。その方法が、今のダナーにとっての生き残るための戦い方だった。


「これが、今の俺の戦い方だ。」

ダナーは静かに、だが確信を持って思った。



ダナーは物陰に身をひそめながら、大剣使いの動きを慎重に観察していた。その巨体に似合わず、驚くほどの敏捷さで周囲の敵を圧倒している。しかし、ダナーの目にはその動きに隙が見えていた。特に防御が甘くなる瞬間がある。それを逃さず、ダナーは静かに近づきながら心の中で計算を繰り返す。


(あの体格の大剣使いが見せる隙を狙うのが鍵だ。だが、一発で決めないと後悔することになる。)


ダナーは冷静に短剣を握り直し、背後からのアプローチを選んだ。大剣使いが相手の攻撃に集中している隙を突き、ダナーは素早くその後ろに回り込んだ。音もなく近づくその足音は、大剣使いには届かない。ダナーは目を細め、短剣の刃を握りしめる。


「いけっ!」


ダナーの心の中で瞬間的に閃きが走る。その刃を、大剣使いの背中に突き立てるつもりで一気に突き出す。しかし、相手はそれを察知するかのように、素早く身をひねって背後を振り返った。ギリギリで短剣が空を切る。ダナーはそれでも引かず、次の動きを繰り出した。


だが、この一撃が失敗したことで、逆に大剣使いの警戒心を高めることになった。大剣使いは、ダナーの姿が見えないことに焦り、周囲を見回し始める。その間、ダナーはすぐに物陰に隠れ、冷静に次の攻撃を準備する。


「攻めの隙間が生まれるのはすぐだ。」


ダナーは次の瞬間を狙って、再び攻撃を繰り出すべく動き始めた。今度は、短剣での直接的な攻撃ではなく、もっと巧妙な手段を取ることにした。大剣使いが隙を見せた瞬間、ダナーは全力で近づき、相手の視界に入りながらもその動きを逆手に取る。再び見えない攻撃を仕掛けるのだ。


「"絶"!」


ダナーの必殺技"絶"は昔のようなただの攻撃ではない。3年を得てさらに素早くなり、相手の隙間をつき、精神的にも肉体的にも圧倒する一撃だ。大剣使いは一瞬その気配を感じ取るものの、直後に強烈な衝撃が背中に走り、反応する間もなく膝をついた。


「ぐぁっ!なんだ今のはっ!!」


大剣使いは驚きと痛みに顔を歪ませながら、必死に立ち上がろうとするが、その動きは遅く、ダナーには次の一手を打つ余裕があった。ダナーはその隙を見逃さず、再び物陰に身を隠し、次の攻撃の準備を整える。


(今の一撃で、少しは削れたはずだ。相手がもう少し自信を持ちすぎているところが狙い目だが、油断は禁物だ。)


ダナーは次の攻撃に備えて、冷静に思考を巡らせた。大剣使いの動きに合わせて、さらに隙を作り、ダメージを蓄積させていく。戦いの中で学んだことはひとつ。強敵に正面から挑んでいくことは命取りだ。だからこそ、確実に一歩一歩攻め、少しずつ相手を削る。


「この攻め方を続けて様子を見よう。」


ダナーは再び少しずつ、大剣使いの背後に近づき、次の一手を考えた。相手はまだその衝撃から回復しきれていない。次はさらに強力な攻撃を仕掛け、確実に戦闘不能にしてやる。その覚悟を胸に、ダナーは動き始めた。



ダナーは物陰に身をひそめ、静かに息を整えながら、今までの攻撃を振り返った。確かに、大剣使いの耐久力は異常だった。何度も見えない攻撃を食らわせたが、いずれも彼の体力を削りきるには至らない。あの巨体を相手に、もっと強力な攻撃を続けなければならないのだろうが、今のダナーではそれは無理だ。


「もう少しだ…」


ダナーは心の中で呟きながら、少し冷静さを取り戻すことを意識した。だが、その冷静さも束の間、目の前に立ちはだかる厳しい現実に直面していた。いくら相手の死角をついて攻撃しても、致命的なダメージには至らない。もはや時間の問題だ。気づかれるのも時間の問題、追い詰められるのも時間の問題だ。


(俺の攻撃が弱いのは分かっている。だが、相手はそれを分かっていても耐えられるほどのタフさを持っている。俺が耐えられないのは、戦い方の違いだ。…)


本来、ダナーは超近接戦闘型だ。瞬時に間合いを詰めて一気に決める戦闘スタイル。だが、今はそれができない。今の自分では相手の巨体に突っ込むことさえできない。ましてや、目の前の大剣使いに対して直接的な攻撃を仕掛けるには、距離を詰めることが致命的になり得る。


(間合いに入ったら負けだ。この攻め方が正しいのか分からないが、もう別の方法を試さないとダメだ…)


精神的な疲労がだんだんと目立ってきた。最初は冷静に攻めるつもりだったが、相手の耐久力と自分の攻撃の弱さが徐々に心に重くのしかかっている。毎回繰り出す一撃に集中する度に、意識が朦朧とし始め、身体が重く感じられる。


(これはまずい…休む暇もない…)


ダナーは冷静に次のステップを考え、戦況を見渡す。もはや力任せの戦いは通用しないと感じた。彼はどうしてもこの局面を切り抜けなければならなかった。だが、そのためには今までの自分の戦闘スタイルを超えて、何か新しい方法を見つけなければならない。


一度、深呼吸をしてから目を閉じ、頭の中で冷静に戦局を再確認する。


(見えない相手を攻撃するのも大変だ。俺の短剣は直接的な力で勝負をかけるものじゃない…。それに、この状況で無理に挑んでも、俺が先にやられるだけだ。)


そこで、ダナーの脳裏に一つの考えが浮かんだ。それは、今までやったことがない戦法。相手に予測できない動きを仕掛ける方法だ。攻撃を仕掛けるのではなく、相手を騙し、罠にかける。それこそが、今の状況において最も有効な手段だと感じた。


「…そうだ。これだ。」


ダナーは決意を固め、再びその一歩を踏み出した。自分の位置を変え、相手をさらに混乱させるために、少しだけ距離をとる。さっきの死角からの攻撃で相手がまだ油断していることを、ダナーはしっかりと覚えていた。今度は、あえて姿を相手に晒して見せかけの退却を演出し、大剣使いを誘い出す。


(攻撃に出ないことで、相手が近づいてきた時に、その隙をつく。俺はあいつの動きに合わせて、次の一手を打つ…)


そしてダナーはゆっくりと動きながら、意識を集中させ、今度こそ最後の攻撃の準備を整えた。



「ついに現れやがったな!虫野郎が!」


大剣使いは怒声を上げ、まるで鬼のように暴れ回った。ダナーが見えない場所から仕掛けた攻撃に苛立ち、ついにその怒りを爆発させたのだ。視界に入らない攻撃、正体不明のその攻撃に何度も振り回され、彼の自尊心は徐々に削られていた。今、目の前には敵がいないが、見えない敵を討つためにただ暴れ回っている。


「ぶっ〇してやる!!!」


その言葉が響く。大剣使いの怒りは頂点に達し、もはや冷静さを失っている。だが、ダナーはその言葉を聞きながら冷静を保った。怒りに任せて動くのは、最も隙だらけな状態を作り出すのだ。


「今だ…!」


ダナーはその瞬間を見逃さなかった。大剣使いの動きが乱れ、怒りに身を任せて剣を無駄に振り回している。その隙をつくことができれば、ついに決定的な一撃を与えるチャンスが来る。


だが、油断してはならない。ダナーの頭の中で計算された瞬間が次第に迫ってくる。


「こいつ、無駄に振るいすぎだ。こっちに来て、相手の手が空く瞬間を…」


そして、ダナーは一歩を踏み出した。相手の攻撃が予測できる範囲に入ると、彼の心拍数が少し上がる。怒りとフラストレーションにまみれた相手の振るう剣。それは恐ろしい威力を持つ一方で、まったく無駄な動きも多い。


「見えない攻撃が効いてる証拠だ。今度こそ、仕留めてやる。」


ダナーは心の中で呟きながら、素早く距離を詰める。相手の無駄な動きに合わせて、隙間をつくり、すべての力を込めて一気に攻撃を放つ。その瞬間、まるで空気を切り裂くように、ダナーの短剣が大剣使いの死角に突き刺さった。


「ぐっ…!」


大剣使いは痛みに顔を歪め、ようやくその攻撃の正体を理解した。しかし、彼の体力はすでに限界に近づいている。怒りと疲労で理性を失い、最早ダナーの素早い攻撃に対処することができなくなっていた。


だが、ダナーもまた、その一撃で全てが終わるわけではないと分かっている。彼の攻撃が致命傷となるまでには、まだ一歩足りない。大剣使いが振りかぶる次の一撃が、ダナーを仕留める可能性がある。しかし、その危険を顧みず、ダナーは戦い続けた。


「まだだ、まだ終わらせない!」


ダナーの表情に決意が満ちる。相手が怒りで暴走している今こそ、最も冷静でなければならない。無駄に力を使うことなく、大剣使いの最も脆い部分を見極め、今度こそ致命的な一撃を加えるための準備を進める。


「最後の一撃だ…」


ダナーは再び、その一歩を踏み出し、気配を完全に消した。大剣使いが最後に振るうであろう一撃を、見逃さないために。



ダナーは戦闘の流れを変える決断をした。肉体的に大剣使いを倒すことは難しいと感じたため、今度は精神的に追い詰める方法にシフトチェンジした。見えない攻撃を繰り返し、徐々に大剣使いの恐怖と不安を引き出すことに集中した。


大剣使いは最初は怒りでその攻撃を無視していたが、次第にその恐怖が表情に現れるようになった。肉体的な傷は少しずつ増えていき、彼はその痛みを感じるたびに焦りを感じ始めた。視界に見えない敵の攻撃を感じ、そして次はどこから来るのかという不安が、彼の精神に圧し掛かっていく。


「どこだぁ!どこにいやがるんだぁ!でてきやがれぇ!!!」


大剣使いはその怒声を上げながら、冷静さを完全に失った。無理に剣を振るい、攻撃を繰り返すが、どれも空振りに終わる。ダナーの影も形も、音さえも感じることはできない。だが、痛みだけは確かに存在し、精神をじわじわと蝕んでいく。


ほんのわずかな隙間から入る傷が積み重なり、その感覚が彼を追い詰めていった。見えない攻撃が常にどこかから飛んでくる、そしてそれに対処するために無駄に動くことで体力が削られ、精神的にも追い込まれていく。大剣使いの中に恐怖と怒りが入り混じり、ついに彼の心は壊れ始めた。


「くっ…!なんなんだよ…!」


彼の目は、もはや冷静さを失い、焦点が合わなくなっていた。今や戦う意志すらも薄れ、ただひたすら逃げ出したい一心でその場を離れようとしている。


「逃げることしか考えられないのか…」


ダナーは冷静にその姿を見ながら、戦いの結果がどう転がるかを静かに見守っていた。大剣使いが逃げると決めたその瞬間、ダナーは勝利の確信を感じ取る。


「決めきれなかったか……!」


戦闘が終息に向かっているのを感じる。大剣使いは完全に精神的に追い込まれ、もう戦う力を持っていない。彼が逃げることで、ダナーは勝利を確信し、次の行動に移る準備を整えた。戦闘不能にはならなかったものの、今後の戦闘においてダナーは有利な立場を手に入れたはずだった。


ダナーは少しだけ息を整え、次のターゲットに集中しようと心の中で決めた。次の戦いは、もっと精密で冷徹な戦術を使って、敵を完全に打ち負かす準備を整えるのだ。



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