不死の剣
貰った地図が悪かった。
結局、結界での移動になり上空からだと広範囲に見れて、間違いなく進める。
あれが共和国の王都か、高い壁でおおわれていて、帝国の帝都に引けを取らない風景であった。
既に長い列が続いていて、貴族と兵だけは紋章と顔パスで出入りしている。
かれこれ2時間も待たされ、公爵の使いの証になる手紙の封印を見てすんなりと通された。
バッグを抱えていたので、一般人と同じくバッグを調べられると思っていたが間違いだった。
こんな検問なら、貴族にいいようにされそうで不安になる。
やはり貴族街だけあって、豪華な屋敷が建ち並んでいる。
見回りの兵に呼び止められるのは2度目であったが、その兵が指で示した先に、白く品格のある屋敷が建っていた。
門番に手紙を見せて案内された先に、1人の老人が机に向かってカリカリと書いている。
「私は、ダークレイ公爵さまにお世話になっているハジメ・クレナイです」
そう名のり、手紙を手渡した。
老人は、メガネに手をかけしきりに読んでいる。
「手紙では、何度も読み返したが内容が分からないですね。説明を頼めるかな」
バッグから無線機を出しながら説明してゆく。
4つ程、質問されたが丁寧に答えると納得したようだ。
俺が無線機専用の部屋に設置した方が良いと言うと、素直に同意して1つの部屋に案内される。
設置を始めると、1人の若い兵が監視に付き、やることなすことを見ている。
設置が完了すると、
「使用方法を聞くように命令されてます」
どうにか説明を終わると、やらせるしかなく注意しながらやらせた。
話す相手が幼馴染であったようで、かれこれ1時間も話している。
まあ練習には丁度良いと思い、その部屋を出てあの老人に挨拶して出て行った。
今回は、公爵の紹介状を持っているので、王都の図書館に入れることになっている。
しかしその図書館は王族や貴族専用で、貴族でも金貨5枚を払う義務があり俺は1回につき金貨8枚を払うらしい。
えらい出費だが、明日の9時に備えて宿を探すことにした。
それなりの値段の宿に金を払い、まだ13時過ぎなので大通りをぶらぶらとする。
でかく豪華な店を発見。道行く人に聞くと貴族御用達の店であった。
試しに公爵の紹介状を見せると渋い顔をしながら通された。
それなりの剣や槍があって、店主の後ろに飾られている剣は聖剣であった。
聖剣シルバーク(アンデッド系に特化した剣)
値段は14000000ドルカで、値段の割にはそれ程の強みを感じなかった。
ガラスケースの中を見ていると、黒い木で出来たナイフにあの魔術書の文字が刻まれていた。
鑑定するも文字化けして中々読めない。
値段は300000ドルカで横のナイフより安い。
俺の勘を信じて購入。
途端に笑顔になる店主に、呆れながら店をあとにする。
宿の部屋でこもりながら、あのナイフを鑑定し続けた。
4時間を経過した時に鑑定結果が出た。
不死の剣(アンデッドを刺すことで従わせることが叶う)
どうやらアンデッド系を従魔に出来るようであった。
しかしアンデッドを見た経験も情報を聞いたこともない。
ここの冒険ギルドで何か情報がないか、建屋に入って依頼板で討伐依頼を見てゆく。
成る程、魔国の国境付近で大勢の兵が死んだ跡地に、スケルトンが徘徊しているらしい。
それは魔国の魔物でなく、死んでいった兵の正真正銘のアンデッドであった。
スケルトンの魔石を砕いた粉を、墓にまく事でスケルトンにならないと昔から言い伝えられている。
その為、貴族は今でも信じていて魔石の値段が20000ドルカであった。
ひと気のない所で結界を展開して、浮上して魔国に向かってスピードを上げる。
丁度、夜になりスケルトンが出回る時間帯。
道沿いにやって来たが、警告の看板が木に打ち付けられている。
俺の探知にもガンガンと探知されている。
右手に握る不死の剣を、更に力強く握ってしまう。
ガシャン・ガシャンと歩く音が響き朽果てたスケルトンが現れた。
不死の剣が振動しながら剣が伸び1メートルになった。
俺は意を決して駆け出し、心臓部の魔石に剣を突き刺した。
一瞬、眩い光を発して、おさまると従魔になったスケルトンが立っていた。
スケルトン
Lv1
HP20
MP5
STR2+15 VIT1+15
DEF2+15 INT1+15
DEX2+15 AGI1+15
剣士(剣技が使える)
弱いステータスに+15が加算されて強そうな従魔になった。
それに元が剣士だけに剣技が使えるらしい。
剣を取り出し、与えて何か剣技を見せろと念じる。
剣を振った4メートル先の木が突然切断されて倒れた。
風魔法の【風牙・風斬】と違うことは分かったが、まさか気で切ったのかそうとしか考えられない。
今後、スケルトンが進化すると何になるのだろう。
この辺のスケルトンを12体程、不死の剣で突き刺して13体の従魔を誕生させた。
残りは13体に任せて、レベルアップするか確かめた。
やはりレベルアップを確認。
スケルトン
Lv2
HP30
MP8
STR3+15 VIT2+15
DEF2+15 INT1+15
DEX3+15 AGI2+15
剣士(剣技が使える)
そして、アンデッドには特殊能力があった。
魔石に封印できる事と、封印された魔石に話し掛けると解除されてスケルトンが現れる。
何とも変わった能力であった。
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