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企画もの

(写真付き)あなたの締まりを良くするためにできること ~攻めたり攻められたりとか、考え方を逆転させてみるのもいいかもね~

作者: 鳴海 酒

※注意)事情を知らないやつにはどうでもいい前書きです。読み飛ばしてください。

 友人がろっく杯とかいう、酒なのか音楽なのかひどく中途半端な名前のイベントを開催していた。未だに散っていった友達のことを忘れられないとは、なんと女々しいやつだ。

 さてこの元になったろっくとかいう奴のことだが、ろくでもない口の悪い男で、散々エッセイの感想欄を荒らしまわってた。

 そんなろっくでもないやつのイベントをやるのに、ぶち壊すやつがいないとか、冗談もいいところだ。お行儀良すぎなんだよてめえら。


 ということで、私は企画の邪魔をすることにした。

 参加者の皆さん、エッセイランクなら簡単に一位を取れると思ったか? 残念だったな、甘いんだよ。


 さて改めましてこんにちは。こんばんは?

 心情的にはおやすみなさい。


 初めまして、私はお酒が好きなとある物書きだ。酔ってエッセイを書いたら意外に受けたので、味を締めつつある。


 が、きみたち、それは違う。

 私は酔って書くのに味を占めたわけではない。「飲みながら書いている」と書くと受けるということにおどろいているだけである。



 なんたって、私は基本的に酔っている。酔っぱらっている。

 飲んでなくとも、「鳴海さんって酔っ払いみたい」なんて普段から言われるのである。


 それをいまさら公言したら、なぜか受けた。本当の私の姿なんて、どうでもいいのだ。試しに今度、酔ってないのに飲んでいるとか言ってみようか。

 いつ言うのだ? 今でしょ!


「私は今日はしらふで書いている。」


 ……まあいいか

 実はさっきまで寝ていたので、眠たくない。ただ、残業と早朝出勤に挟まれてはいるので、セーブしていこう。あんまり飛ばすと遅刻するし。



 さてみなさん、なろうにいるということは童貞オタクどもだなという前提で話を進めようとしたけど、最近「嫁がどうこう」みたいな雑談をいろんなところで見て、正直困惑している。


 なんだお前ら、恋人がいたのか。

 え? マジの話なのか? それ、人形ふぃぎゅあとかタペストリの類ではなく?

 だいたいあんたら、クリスマスやらバレンタインも嬉々として活動報告あげたり感想書き込んだりしてたやん。


 まあいい、突っ込まない私の優しさをあがめたてまつりーたまへー。


 ということで一応言っとく。今回やったことないやつには、全然わけわからん話だぞ、たぶん。

 ついでに、あらすじに書いた通り、私は最近全然やってない。昔はハマってやりまくってたけどな。


 そんな私がこんな話題を書くわけだ、ぐだりぐだられるのは目に見える。ブラバするなら今のうち、あとでつまらんとか言ってもしらんぞ。


 まあいい。グダグダ対策、ここで酒だ。どん。とくとく、ゴクリ。ぐへー、うっめ。

 私は酒でごまかしつつ始めるが、お前らは別だ。


 いや、別じゃない。

 さけ、うそつかない。さけ、さべつしない。

 おまえ、さけのむ。わたし、おさけのむ。



 よし、酒を買ってくるタイミングを。そして、ブラバするタイミングをやる。


 そして、警告してやる。けいこくだ。この下を読んだ時点でお前は敗北者だ。簡単に言うと、つられたくまーとかいうはめになる。

 勝てる見込みは、ゼロだ。いや、ゼロとはいわんがほとんどないはずだ。


 敗北者は身ぐるみはがされるのがお約束、お前も泣きながらポイントを置いていくんだ。

 セシルたちですら、逃げ出したときに数万単位でギルを落とすんだからな。


いいか、おまえたち。

≪ こ の 下 を 読 み つ つ 、 手 ぶ ら で 逃 げ 出 す ん じ ゃ な い ぞ ≫






















 じゃまあ、始めるっか



 本日、3月9日は何の日か知っているかい?

 今から3年前、2016年のことだ。AlphaGoと李セドル氏による、公開対局が行われた。

 その初日が、今日。3月9日なのだ。


 AIの登場により、碁の序盤の考え方というのはすごい革命を起こした。

 これについては今更言うまでもないことだ。本当に、常識というやつが変化したんだ。


 昭和の呉清源先生達の時期に起きたことも、きっとすごい革命だったのだろう。知らんけど。

 今回の件は、間違いなくそれに匹敵するし、超えるほどのことかもしれない。


 囲碁界の3大転換期を上げるとすると、初代本因坊だの四家元が生まれた江戸時代初期、呉清源先生などが起こした新布石時代の昭和初期、そして2016年からのAI革命。

 本当にそのレベルでやばいのだ。

 ちなみにもう一つ付け加えるなら、武宮先生の宇宙流だな。いや、これもすごいんだよ、何がすごいかってほとんど一人で革命を起こしたあたりが。


 まあいいか。

 とにかくα碁事件っていうものは、「初めてこんぴゅーたーが人間に勝ったんでしょ?」とかいうレベルではない大事件だったってのがわかってくれればいい。


 ああそうだ、α碁のほかにもマスターだのZenだのいろいろいるのだけど、囲碁を知らない人にどれだけ伝わるかわからないので、今回は「AI」でひとくくりにさせてもらう。



 さて、表題につけたシマリについてだな。

 シマリについてのは石田さんという人が本を出している。石田秀芳さんだな。もうかなり高齢ですが、若いころはすごかった。ぶいぶい言わせてた。らしい。私は世代ではないので知らないけどね。


 その人がいろいろ研究して書いたのが、シマリの技法という本だ。

 これ、めっちゃすごい本だから、まだ読んだことない人は必ず読むように。少し昔の本ではあるけど、どうせお前らアマなら関係ないだろ。

 買え、絶対に損はしない。私は2冊持っている。


 この本、なんと小目の二間ジマリについても書いてある。

 知らない人のために、画像を用意した。


 挿絵(By みてみん)


 これだな。当時はかなり珍しいシマリだったはずだけど、きちんとページを割いて紹介されている。

 今では感覚が変わったとはいえ、プロの判断だ。参考になるはず。


 AIが出てくる昔と今とで、別に打ち方の手法はさほど変わっていない。いや、結果的にばっさりと変わってはいるんだけどさ。

 何が真に変わったかって、厚みとか空間の評価だと思うんだ。

 その一つとして、シマリの使われ方、考え方もあると思う。


 以前は根拠がしっかりしているケイマジマリが主流だったけれど、今では外側への影響力が大きい一間ジマリなんかのほうが多く打たれるようになった。

 高目スキーとしては嬉しい限りだ。が、しかし、私としてはそんなことよりも、「えっ、こんなに固めちゃっていいの?」という衝撃もある。

 今まで打ってきて、相手を固めるのは基本的に損だという考えだったからね。


 例えば、いきなりツケから形を決めることも増えた。というか、決めるタイミングが早くなった。

 四角を打った後、いきなり一間ジマリにつけていくんだ。


 挿絵(By みてみん)


 例えばこれだな。このあと、リラックマの位置に黒がハネて応じるのが普通か。


 で、実際の変化がこちらだ。NHK杯とかでも打たれている。

 

 挿絵(By みてみん)


 ツケからハネ返し、ノビこんだ後で黒が一子を噛み取る。白は白で右辺側を噛み取るのだが、結局閉じ込められてるんだよね。

 これ、私の感覚からすれば、黒良しなんだよ。でも、実際のところはこれでいい勝負らしいのだ。


 いい勝負だということは、「黒の厚みはそれほど強くないんだ」ということか。昔はそう思おうとしていた。

 しかし最近は少し違う。「厚みは強いけど、辺はそんなに狭くないよ」と言われているのだ。そう思うことにしている。


 ああ、これ、あくまで私の納得の仕方の話だからな。

 いい勝負ということは、黒が悪くもないということだ。ということは、私が黒でこのコースを選ぶのは大歓迎だ。

 逆に白で打つのは勘弁していただきたい。狭くないよと言われても、私は狭いところだとすぐ死ぬからな!



 さて、AIの話をするなら避けては通れない話がある。三々入りだ。


 最初期こそ「もぐりこむの早すぎだろ」と言われていたが、すぐに新しい認識ってやつが広まった。人間が厚みと思っていたものは、AIから見ればむしろ攻撃目標だったということだ。


 挿絵(By みてみん)


 今更私が解説するのもアレなんだが。

 今までの三々定石といえば、このあと白が右辺側の二線にハネツギを決めて終わる。これは、今の評価でも黒良しだ。

 新しい打ち方は、ハネツギを決めない。

 この状態の黒は「あんた棒石じゃないの?」というわけだ。そして、弱点としてリラックマの位置に断点がある。

 そしてこれを、白側が荒らしにいくと、こうなる。


 挿絵(By みてみん)


 似たような形は昔も打たれることはあったんだけど、どちらかといえば「黒地を荒らしつつ軽く逃げる」といったときに打つ形だと思ってた。

 でも、これは完全に黒の棒石を攻めようという打ち方だ。

 このあたりが、認識の変化ってやつだな。


 ハネツギを保留するという部分も、今までにプロだって研究しているはずなんだよ。でも、出てこなかった。盲点だったんだろうね、壁を攻めるという発想が。


 さて、最後に大ナダレについて書いておこう。


「AIって大ナダレ苦手なんじゃない?」とかいう意見を、以前ちらっと聞いたことがある。マスターだったかな、唯一人間が勝ちかけたと言われる対局で打たれたのがナダレだったとか、ナダレに応じた対局では、意外ともつれることが多かったとか。

 ソース? ないぜ、過去の記事を読んだ私の記憶だ。


 でも、最近はそもそも、ナダレ自体を回避しているらしいね。ナダレスキーの私としては寂しい限りだ。

 でさ、ナダレ回避した形も、三々入りのように棒石っぽくなるよね。てことは、あのような形自体が、今まで人間が感じていた感覚とAIの評価に差があるってことなんだろうな。

 逆にAIがナダレてきたって話はあんまり知らないし。私が知らないだけかもしれんけど。


 挿絵(By みてみん)


 ということで、本日のしめはこちらです。AIが応じた大ナダレ。ちなみにAIが黒だ。私が見た参考譜では白黒逆になっている、ややこしいけど勘弁してくれ。

 上辺を下からアテたあと、ずらずらと二線を這っているね。いいのか、これ?

 ちなみに5-6の位置にハネたのは、先手を取る意味らしい。


 そういや書き忘れていたけど、AIって「部分的に損な手を打って先手を取り、次にいく」ってことをよくするよね。上で紹介した、一間ジマリからのツケも、白が先手だ。

 遅れてもいいから本手を~ってのが大ハズレだとは思わないけど、これに関しても、人間が思うほど得はしていないのだろうなーと思う。


 もしかしたら私と彼らの感覚の差は、見えている碁盤の広さから来るのかもしれないな。



 以上、もっと広い視野を持てよお前ら。

 人間(プロ)が積み上げてきた長い歴史ですら、あっさり「違うよ」とダメ出しされることがあるんだ。個人の感覚なんてあてにしちゃだめだぞ。

 というお話でした。


 さて、以上です。

 囲碁に興味もないのにお付き合いいただいて、ありがとうございました。ポイントはありがたくいただいていきますねー。


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[一言] 普通に作品の中身が面白かったですわ。 私、実は戦略シュミレーションゲームが大好きで、対人系の遊びが大好きなのです。 囲碁はしてないけど。 そういう対人系のものを見てる時の楽しみって、完璧な…
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2019/03/09 18:16 Stone Cold Crazy
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