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~時の流れるままに~

作者: 山村輝奈子


【第一説~judgment~】


【「ゼロ…ゼロ…いつ帰ってくる?………ゼロ、今日はね?…………ゼロ、また行っちゃうの?……………ゼロ…ゼロ…」】


「んん~…ゼロ……ふ、ふぁ~!!」

小さくあの人の名前を呼んで、目覚める。

夢を見た…見る必要のない。

ボクは気怠い気分でベットから起きた。


糸刃 りぃん「ちょっと!さっさと起きなさいよ!C.02!!…たくっもう!なんで、私がこんなやつ、起こさないと……って!02!?起きて!!…早く、しないと私まで遅刻扱いになるのよ!?」

有須川リナ「まぁまぁ…りぃん、私たちはそのお陰で、少し時間を遅めてもらってるんだし……」

りぃん「もう、アリス…それで、遅れるなんて尚更よ…それに、時間までに集合さえさすれば……」

リナ「昇格を見込めるかも…?」

部屋の前が騒がしい…C.01の糸刃(いとば)りぃんとC.03の有須川(ありすがわ)リナがボクを週3日…火・木・土の決まった時間に起こしに来る。


りぃん「あぁぁぁ!もう!!遅い!!…入るわよ!」

そう言って、りぃんが勢いよく…ドアを開けて入ってくる。


リナ「げぇ!!…うわー、何もない部屋…」

驚く程のものなのか?と聞きたいが、普通の人にとっては普通の反応だった。


りぃん「!…今まで、起こしに来ても02の方から出てくるから知らなかったけど……そんなことより!02!どこ?」

りぃんもリナ同様に同じ反応をした。

何もない部屋…何もないと言っても、冷蔵庫や洗濯機くらいはあるだろうと思う…それすら、ない…あるとすれば畳の床の上に畳まれた布団が一式置いてあるだけだ。


山村輝奈子「ご、ごめん…」

洗面所から出て、二人に声を掛けた。

りぃん「わぁ!!…驚かさないでよ!!」

リナ「ふっ!!…理不尽…ふふ…」

りぃん「ちょっと!アリス!……もう~…いいから、行くよ」

リナ「ごめん、ごめん!」

輝奈子「う、うん…」

三人でこれから向かう先は………。


…………。


司令官「全員!!集まったな!…出席と身体検査をする!…状況によっては、レートを上げる可能性も考慮する!」

これが、ボクたち<judgment(ジャッジメント)>の司令官。


その前にこの国のこと…judgmentのことを話しておこう。

日本暦…旧平成…49XX年…。

平成が終わる、新しい天皇が即位するその日…日本は韓国、アメリカ、イギリス、フランスの4つの国の戦争に巻き込まれ、半壊した。

その時、日本列島の北側…北海道から栃木に掛けての半径に大きな窪みが出来た。

韓国とアメリカの機密兵器がぶつかりその反動と散らばった兵器の一部一部が日本列島の北にばらまかれ、なす術なく崩落した。

それから、何年か経ち…窪みの中に黒い光沢を見つけた。

その黒い光沢を研究者ちは「こんな者はありえない」「人類の終わりの予兆か…」などと色んなことを言っていた。

黒い光沢の研究結果で遺伝子…人間と全く同じのDNAを発見した。

ただの石にも見えなくはない、黒い光沢を研究者達は…《THE Night》と呼んだ。


《THE Night》を研究しているうちに、ある可能性と未来の術に辿り着いた。

それは、《THE Night》を使った…<人間兵器>を作ることだ。

それが、何千…何億…という死者を出したが…実験は成功した。


人間の肉体そのものに、THE Nightを埋め込みコードを調節する事で一時的に身体能力及び知力を向上させるという。


そうして、作られたのが…《judgment》。

ただ…なんの為を思って作られたかは分

からない…国を守るためか…戦争に勝つためか………judgmentの力を持ってすれば、国の一つや二つ…崩壊出来る…judgmentの能力値は一人につき…10機の戦車・5機のジェット機・3機同じ撃ちのミサイルを落とすことは造作もない。それ程の威力を持っている。

よくも知らない…石ころ一つで…人の人生は360度……いわば、0にも等しく、かつ…0より非対称的なものとなった。


…………。


「よっしゃ!C級からB級に昇格!」

「私はやっとCの98まで上がったよ!」

「大丈夫!大丈夫!あと、ちょっとじゃん!」

judgmentには階級があり、THE Nightとの結合値によって、最初の階級が決まる…最初はだいたい…Cの20~30のスタートが多い…が…


「まじかよ!!…Aの99!?」

「ほぼ…S級レベル!?」

「あ!あいつ!糸刃りぃん!…C.01はじゃんか!」

「そりゃ、そうだろ…むしろ、S級じゃなかった事にびっくりだぜ…?」

実際、C.はコードネームの様なもので、01だからどうという…事はない。


りぃん「こんなの…普通でしょ?」

リナ「いやいや…あんたの普通の基準って少しズレてるよ…?」

周りの歓声も気にせず平然と立っているりぃんの横でリナが苦笑いを浮かべている。

能力検査は一つのブースに二人以上で入り、戦闘を行う。

倒した数でポイントが入り、総合力によっては、加算でポイントが加えられる。


「おお!こっちも、すげー!!」

「きゃぁぁ!!真貴くーん!」

「りーんざーん!!頑張れ~!!」

「真貴くーん!凛山くーん!頑張れ~!」

別のブースでC.16の梶緒真貴(かじおまき)とC.22の朔下凛山(さくしたりんざん)がタッグを組み…Aの10~30を相手に2vs50で戦っている。


凛山「なー…真貴?…聞いたか?」

真貴「こんな時になんだ?」

凛山「他のブースでS級に上がった奴がいるって!」

真貴「あー…上がった…じゃなくて、上がりそう?じゃないのか?」

凛山「そこはどうでもいい…どちらにしても……」

真貴「俺らより先に、S級にはさせない…」

凛山と真貴は戦闘中にも関わらず、関係のない話をしている。


「はぁはぁ…さっきから!ペラペラうるせーぞ!!…戦闘中に喋りやがって!!!」

真貴「おっと…あまり、喋ると舌を切るぞ?」

そう言いながら、真貴は間髪入れずに最後の一人の溝に回し蹴りを食らわせた。


凛山「♪♪…はーあ!手応え無さすぎて泣ける」

真貴「そう言ってやるなよ…A級に上がったばっかの奴二人に…50人がかりでやってきたこいらの身にもなってやれ」

凛山「それって遠回しに…弱ー奴が出しゃばってんじゃねー、よく、その戦闘力でA級名乗れてんな?てか…ひでーの」

真貴「そこまでは思ってない」

凛月「そこまでってことは思ってたんだな…やっぱ!ひでー」

ブース内で横に伏せっている、50人のA級者達を背に真貴と凛山がブースから出てきた。


リナ「わ~!…すっごいね?…あの強さ!りぃんでも倒せなかったりして…?」

りぃん「さーね…私は単体でも…50人を相手にしてきたは…」

リナ「そうだね~…でも、あの二人は今の戦いでりぃんと同じ…Aの99に上がったよ?……どうするの?りぃん…」

りぃん「知らわないわよ!…それより、早くあなたも上がって来なさいよね…アリス?」

リナ「はいはい…タッグを組むのにレートが一緒じゃないと組めないなんて…面倒くさい…」

りぃん「ごねてるけど…あと、どれくらいなの?」

リナ「今は…Aの86……」

りぃん「………アーリースー!!…あなたの!知力なら、99まで上がるでしょ?」

リナ「わぁ!…ごめん!ごめん!」

りぃん「もう……」

タッグを組むにはレート…階級とレベルが一致しない限り、タッグを組むことが出来ない。

真貴と凛山は入った当初から同じレートだったので、タッグを組んでいる。

それぞれの能力値はCの10と普通よりは低かったが…二人で組んだことにより、A級まで一気に上り詰めた。

今の個人の能力値だとBの60~80くらいだろう。


天城 梓那「はいはーい!みなさーん!…今日の訓練結果をサポートバンドに転送しておきましたので!ご確認を~!」

一通りの訓練が終わったと同時にC.04のデータ管理役の天城(あまぎ) 梓那(あずな)が訓練室に現れた。


judgmentは戦闘型とデータ型…細かくいうと…戦闘型は身体能力が主に高いもの戦闘に特化した者が入る、近接戦闘型・中距離戦闘型・遠距離サポート型…データ型は知力が高く戦闘能力があっても、戦えない人が集まる。

例によると梶緒真貴は近距離戦闘型…素手で殴る蹴るの攻撃を入れる。朔下凛山は中距離戦闘型…双剣を使い容赦なく相手をぶった斬りにいく。糸刃りぃんは中距離戦闘型…太刀一本で戦う。有須川リナは遠距離サポート型…中距離で戦うりぃんより、離れて銃などで撃ちサポートをする。

武器もTHE Nightを組み込まれて作られており、相手を気絶させるだけで…殺したりはしない。なぜか、THE Nightで作った武器は人を殺せない。


………ここまでは、ただの状況説明。

本題はここから…もう、忘れているかもしれないが…C.02。

これは、山村輝奈子がjudgmentとしてどう生きているか…どう生きていたかを知る物語り。


【第一説~No.00~judgment】

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