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『四つの光』 第一話  作者: 泉あられ
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最終話ー真実

数々の人を「束縛」してきたゼマ・アール。

「…仕方ない、話そう。私の計画とはーー」



語り始めた計画とは?

「守りの力ーーそう、邪魔な守護者ガーディアン、セオ・リアスを排除し、ヴィーシの殺戮の力を呼び覚まし、無理やりにでも使わせ、それで世界征服をする事だぁッ!」




する事だぁッ!


する事だぁッ!


する事だぁッ!



……………………。


「……物凄くありがちな理由ね」

「悲しい位短絡的だね」

「わかってたけど、なんだかんだ言って今更叫ばれると…」


「五月蠅い! 能無し作者に言ってくれ!」


ごめんなさい(by作者)。




話を戻してーー


「…それで、セオを束縛して弱らせ、更に私にヴィーシへの束縛の解除を催促していたのね。全てわかったわ。」

「さあ、どう出る?」


ゼマが言った瞬間、黒い紐なようなものが表れ、ヴィーシを拘束した。


「しまっ…」

「ヴィーシ!」「ヴィーシ君!」


セオとほぼ同時に叫んだ。

ゼマが不敵な笑みを浮かべる。


「どうする? お嬢さん。

ヴィーシを助ける為には、”解放”するしかない。」

「くっ…。」


迷っているその瞬間、マイン攻撃が飛んできた。


「危ないっ!」


慌てて避けようとすると、目の前に防御壁が。


「セオ!」

「大丈夫…過呼吸とかスルーされてたけど、もう少しの間なら守れる。」



(((スルー!)))



「セオ、無理しないで!」


ゼマが大声で笑った。


「さあて…君はどうする?」

「…私が、あなたの計画を阻止してみせる。」

「ほう、大きく出たね。いいだろう。やってみなさい!」


バシュウウッ!


ゼマのマイン攻撃が飛んでくる。

すんでのところで避けーー


わかっている。勝機はある。


「げほっ…。」

「! セオ!」

「僕に…気を取られないで。 「束縛」に勝てるのは、「解放」しかないんだ。」


そうーー


「私には…失いたくない友達がいるッ!」


ゴウッ


私がそう叫ぶと、突然私の中から赤い力が溢れてくる。

「!? そうか、ようやく解放する気にーー」


その刹那。

私はゼマの目の前に飛び込んだ。


「そんな馬鹿な!?」


ゼマの声が聞こえた気がしたが、そんな事どうでもいい。


「あなたの束縛の力、セオ、ヴィーシの束縛もーー」

「や、やめろ! 私のマインまでー」


ゼマが叫んだ。しかしもう遅い。


「私が、あなたごと全て解放してみせるッ!」


パキィィーン……


…赤い光が消えた。



崩れ落ちたゼマ。

束縛で拘束されたヴィーシも、もう動けるようになってーー


「って何事!?」


ヴィーシから、恐ろしい量のマインが放出している。


「使った事ねーからな。束縛あったし、キャパオーバー。溢れてくる。そのうち収まるだろ。つーか父さんごと解放させるってのは考えもしなかった…ま、使わねーけど。」

「トラルちゃん」


振り向くと、涙を流しているセオが。


「…ありがとう。 感情って、こういうものだったんだね。」

「セオ…。」

「そーだ、俺も感謝しねーと。」

「ヴィーシまで?」


「…父さんの事、傷つけない方法で助けてくれてありがとな。……父さん、最後の肉親だったから。」

「…ヴィーシ…。…そうだわゼマ! 実の息子を何だと思っていたの! きつかったわね、ヴィーシ…。」

「きつくなかったって言ったら嘘になるけど…そういう父親だって小さい頃から知ってたし。とりあえず、昔は建物も普通だったんだけどな…。野望聞かされてからは真っ先に逃げたけど。あと、それからーー」


ヴィーシは私とセオに向き直り、いきなり頭を下げた。


「ごめん、すぐに話さなくて。

父さん、セオが邪魔で、セオが倒れる位弱ってこないと絶対に動かないんだ。普段どこにいるかもわからなくて。

もしくは、殺害までいくかもしれなかった。

ただの言い訳なんだけど…本当、ごめんな。

…お前もきつかったろ、セオ。」

「ううん…感情を取り戻せただけで充分だよ。今度からは、病院の方々の笑顔も感じ方が違うはず。」

「…よかった、セオ。」

「……ところで、そこで倒れてるゼマはどうするの?」

「…警察かな。」

「うわぁ一蹴」





そうして、ヴィーシのマインが落ち着いた所でーー


「解決してよかったわね。」

「そーだな、セオも体調改善したら業務戻るから早めに帰るって言ってたし。」

「楽しそうだったわね、セオ。」

「ああ」



「あ」

「トラル?」


私は、重大な事を忘れていた。

考えもしていなかった。

必死だったから。

でも、ようやく思い出した。



「私の…

私の買い物袋ーーーっ!」



そうして、私はまた賑やかな町並みへと駆けていくのだった。


「……なんか、わりィ…トラル…。」

これにて『四つの光』終了となります。

もし読んで下さった方がいらっしゃいましたら、

本当にありがとうございましたm(__)m

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