第六話ー時期
「駄目ですよ、セオさん! もっと休まれて下さい!」
「もう大丈夫です。明日から業務に戻ります。」
我ながら説得力がない。
何故なら丸2日程眠っていたらしいからだ。
「では、業務に戻らず自宅療養という形でもよろしいですか?」
「そ、それでしたら…。」
強引に退院し、病院を後にする。
帰りがけに、僕は物凄いものを見た。
いや、その場にいた誰もが驚愕しただろう。
ゴゴゴという大きな音を響かせ、同時に大地を揺るがしながらーー
建物の隅から、新たな建物が”生えて”くる。
感情が欠如している僕ですら、目を疑った。
その時、携帯がなった。
ヴィーシ君からだ。
「ヴィーシ君? 体調は大分よくなったよ。」
『それならよかった…。 それからセオ、今の見たか?』
「今のって、建物の事?」
『その通り! 今どこにいる?』
「病院の前だよ。」
『わかった、すぐ行くから! そこを動かないで!』
そう言って、突然リーティは切れた。
…何を急いでいるんだろう。ヴィーシ君、最近謎の言動が多い。
一応、動くなと言われたので、動かないようにしよう。
*
「何あれ…。」
突然新しい建物が生えてくる。
他に表現しようもない。
呆然としていた時、リーティがなった。
「ヴィーシからだわ。ーーもしもし」
『トラル、今のは見たか?』
「建物の話? あれはびっくりしたわよ…。」
『今、病院の前に来られるか?』
「え…いきなりどうしたの? 変な食べ物でも食べた?」
『………いや。とにかく説明は後でするから、悪いけど病院の前で!』
ヴィーシがこんなに焦っているなんて珍しい。
何かあったのだろう。直感した。
「わかったわ。病院の前ね。」
『悪ィ、頼む!』
リーティを切って、私は急いで病院の前に向かった。
「ヴィーシ! セオも一緒だったのね。」
「ああ、急がせちまったな。」
「ヴィーシ君、何があったの?」
「そうよ、あんな焦ってるヴィーシ、初めてだわ。」
「悪いけど説明してる時間がない! あの建物に乗り込むぞ!」
「えええぇぇ!?」




