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蔵の周り

ブックマークありがとうございます!


この物語は30童貞のおっさんが日本と異世界を行きつ戻りつする物語です。

不定期更新なので、暖かい目でご支援ください。基本的褒められて成長するタイプです。

 今日はゲート調査の日。朝から何となく落ち付かずに、一緒にいたカッちゃんやジンちゃんに訝しまれた。


「まあ、この一月、タッちゃんは休み無しだったからね」

「ジンちゃんだって、そんなに変わらないじゃん」

「オレはカッちゃんと交代しながらだったしな」

「カッちゃんもタフだよね」

「いやいや、俺なんかは現場と比べれば、挨拶周りなんか休みと変わらないさ。頭脳労働はジンちゃんに任せっぱなしだし。まあ、若の護衛みたいなもんさ」

「カッちゃん、会社の方も事務仕事は若いモンに任せきりだもんな」

「あー、田村君が嘆いてたよ」

「あ!あのヤロー、チクリやがって!」

「いやいや、中学生じゃないんだから、チクリはないだろう」


 3人でワイワイやっていると、玄関まで見送ってくれたお姉さんに笑われた。

 ここの会社で挨拶周りも終了。残っているのは海外の取引先とかなんで、姉ちゃん達が行ってくれる。


「やれやれ、これでまた現場に戻れる!」

「カッちゃんは現場好きだよねぇ」

「まあ、造園は生き物相手だからな。世話している木が元気かとか心配になったりするんだよ」

「あー、それはわかるね。植樹式で植えた木とか見にいったりするもん」

「おー、さすがは黒鎌造園のオーナー!」

「はいはい、そこのデコボココンビ。通行の邪魔だから、サッサと車に乗る!」


 自動車を駐車場から廻して来たジンちゃんに怒られた。


「お疲れさん。これでしばらくはノンビリ出来るだろう」

「ジンちゃんも、ありがとうね」

「まあ、僕の場合は代が変わっても支持されているって見せて回る意味もあったしね」

「ジンちゃんだけじゃなく、オレも新オーナーに信頼されていると見せて回ったんだしな」

「カッちゃんもジンちゃんも頼りにしてるんだから、信頼を回りに見せるのはオレも変わらないよ!」

「「何それ、キモイ」」


 カッちゃんとジンちゃんが声を揃えてキモイとか言った。ヒドくない?


 さて、おっさん達とじゃれ合ったあとは、探索です。探索といっても、はじめはウチの敷地と同じカタチの土地から調べてく。


 これでもネット小説で異世界の話を読んだ事もあるからな。この一ヶ月の間にネットも検索して、あるあるネタを漁って対策を考えてみたんだ。


 植物については、ジイちゃんがツテを使って調べてくれた。どう誤魔化したのか、DNA鑑定までしてもらっていたが、ほぼこの辺の植物と言って良いらいしい。


 理系の言い方でこれだから、同じと考えて良いだろう。虫やベビなども解剖した感じでは変わりが無い。ただ、ベビの中で一尾だけ内臓から小粒の透明な石が出てきたのがいた。


 本当に小粒でうっかりしたら見逃したかもしれ無いけど、ネット小説に出てたモンスターの魔石って話をジイちゃんにしてたので、取っておいてくれた。

 なんか温かい感じもするけど、よくわからない。


 オレのレベルが低いのかなぁ?


 ゲートは、開けっ放し。ゲートの開け閉めについてはもう何度も試しているので心配してい無いんだけど、ゲート閉めちゃうと電波が切れちゃうんだよね。念のため、スマホはゲートからすぐのところに置いてある。


 ジイちゃんと篤弘は慣れたもんで、さっさと掃除道具持って周りを履いている。

 一ヶ月、草刈りをやったおかけで見通しは良い。ジイちゃんの言っていた通り、ここらだけ盛り上がっていて、その先は森になっている。

 見た感じ、確かにウチの敷地のカタチのなんだが、念のため、レーザーのメジャーで測ってみた。


「確かに、ウチの敷地と同じだなぁ」

「まぁ、そんなもんじゃと、飲み込むしか無いのう」

「確かに……」

「不思議だね〜」

「篤弘は、分かってるのか?」

「うーん、よくわかんない!」


 分かってなかったらしい。 さて、蔵の周りは取り立てて見るほどのものも無い様子。


 では、ラジコンヘリを飛ばしてみようかな。

 農薬散布用のヘリなので、ガソリンエンジンの大型機。今回は撮影用のカメラをつけている。これ、無線でモニターできる優れもの。

 近くの小学校とかのイベント撮影とかにも使っているんだよ。その時は、専門家の操縦だけどね。


「あっくん、危ないから、こっちのテレビみておこうな?」


 ジイちゃんが上手く誘導して、ヘリから篤弘を離す。


「篤弘、ちゃんとモニターで見張っていろよ」

「うん!」

「じゃあ、飛ぶぞ!」


 一気に空高く飛んで行くヘリ。

 気持ちいいなあ。ある程度、高度をとったところでゆったり旋回する。


「ジイちゃん、どう?」

「うーん。周りは森ばかりのようじゃのう」

「木の隙間とかに何か見えない?」

「むう。見た限りでは、この盆地には何も無さそうじゃな」


 もう少し、高度をとるか。


「お?たっくん、今の方向!」

「なんか見えた?」


 ゆっくりとヘリを戻す。


「うむ、かなり遠いが集落のようじゃな」

「おー!人とか見える?」

「いや、遠いので人などは見えん。ただ、街道があって、その先にも、村がありそうじゃ」


 おお!これは異世界交流か?


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