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未だNAISEIが出来ません。

 ゴブリンの長は善次さんと言った。身長は低めだが横幅が広い。がっしりした体型でゴブリンというよりドワーフっぽい。ただ、髭はそれほど生えておらず、下顎から牙が二本生えている。


 善次さんと権兵衛さんを連れて、斎藤さんに相談しに行く。ゴブリンとオークを連れて行くってどこの魔王だよ。


 斎藤さんは予想どおりに難色を示した。


「うーん。弟子ってのはそう簡単に取れるもんじゃ無いんだよ。コンビニのバイトみたいにマニュアルがある仕事じゃ無いしな」


 権兵衛さんがとりなす。


「まあまあ、斎藤様、まずは善次さんの作品を見ていただいて、それに足りない物があれば助言して頂けませんか?」


 ゴブリン達も今まで鍛冶をしていたからまるきりのシロウトって訳じゃ無いんだよ。ただ、ほとんどが野鍛冶で農具や家事の品を作っていたんだって。それでも善次さんは脇差しか小太刀って言うぐらいの刀を一振り作って来てた。


「まずは、ご挨拶と思いまして」


 素人目には充分立派な刀に見えるんだけど、善次さんはかなり恐縮している。


「ふーむ。これは砂鉄から作ったのか?」

「へえ、たたら場が有りますんで」


 なんだかよく分からないけど、職人さん同士は通じるものがあった様でしばらく二人でゴソゴソと話していた。


「じゃあ、ちょっと叩いてみるか?」


 いつの間にか二人して鉄を叩き始めたよ。なにやらいい雰囲気だね。

 オレと権兵衛さんはそっと外に出た。


「どうやら上手くいきそうですな」

「うん、よかったよ」


 実は、日本刀の技術って秘密が多くて技術の伝承が途絶えてしまっている事が結構あるんだって。


「俺も知らない事が結構あるんだよ。弟子を取るっていうよりも教え合いって感じだな」


 後で話を聞いた時、斎藤さんはそう言って笑っていた。


 ………………………………


 結局、ゴブリン達は城のすぐ外に集落を作ることになった。善次さんをゴブリン達の庄屋とし、「加地」の姓を与えた。合わせて、犬川一党も城の下に呼び寄せた。犬川一党がいた集落には今後猪畑から移住してくる人達が入ることになる。これも農業研修で農産物に余裕が出てきたおかげ。犬川一党は農作業より警備や内政の使い走り見たいな用事をこなしてもらう方が効率が良さそうなんだよね。


「そう言えば犬川一党は識字率が高かったな」

「初めは気が付かなかったけど、近隣の集落は漢字まで読めるのは少いね」

「五平さんやウメちゃんはパソコンも使いこなしているしな」

「確かにカッちゃんよりはパソコンスキルあるかもね」

「ぬ?たしかに……そうかも……」


 犬川一党は五平さんが庄屋衆となり、今、黒鎌城の文官のトップはウメちゃんだ。現状、お城の文官は犬川一党の女子が担っていることになる。


 ちょっとウメちゃんに犬川一党の識字率の高さについて聴いてみることにした。


「元々、コボルドは地域の神職が多かったんですよ」

「あ、巫女様もコボルドだったね」

「ええ。神職が身内に多いので小さい時から読み書きを教えるのです」


 なるほど、そういう事だったのか。


「コボルドが小さい時から文字を覚える様に、オークは農作業を覚えますし、ゴブリン達は鍛治仕事を覚えます」

「ふーん。種族特性って奴なのかなぁ?」

「そうかも知れませんね。他の土地でもだいたい同じ様ですよ」


 ゴブリン達の集落の隣には商業地区を作る予定。これは弥助さんが戻ってきてからの話になるけどね。弥助さん達との話が上手くいけば犬川の「士」猪畑の「農」加地の「工」弥助さんたちの「商」で、士農工商が揃うことになる。これでやっとスタートラインに立てる気がするよ。


「うーん。そろそろ今後の発展を考えて都市計画をしないといけないかな」

「俺的には上下水道の整備から始めたいな」


 ジンちゃんとカッちゃんが話しているけど、将来の事を考えると、道も広くしておきたいな。魔法の絵図で簡単に道が作れるけど、拡張はどれ位まで出来るのか分からない。今の所は人が歩くだけなので問題無いけどね。


「都市計画もよろしいですが、領地の経営もよろしくお願い致します」


 ウメちゃんがクギを刺して来た。


「はーい。ジンちゃん頼むね!」

「コラ、城主はタッちゃんでしょ!」

「あ、そう言えば、城主だけど、領主って称号はついて無いんだよね。そこら辺どうなんだろう?」


ジンちゃんが、落ち込んでいるんで、ウメちゃんに解説を頼んだよ。


「租税の納め先が領主になりますので、今はご城主様が領主も兼ねている形ですね。向井はまだ租税の徴収をしていませんが、本来ならば若殿様へ納付する事になってます。我らは向井家の家臣ですから向井から禄を貰っております」

「あ、そうなんだ」

「領主も兼ねてはおりますが、無位無官ですので今の向井家は有力郷士と言った所ですね」

「そう言えば、朝廷が有るって言ってたね。一度挨拶に行かないといけないかな?」

「国司様の下向の折にでも、ご挨拶すればよろしいかと。そもそもここら一帯は街道から外れておりますからね。中央からしてみれば、あまり興味を引かない土地です。上手く治っていれば追認していただけるでしょう」


なんだか、扱いが軽くないかい?



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