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誕生会の後

この物語は30童貞のおっさんが日本と異世界を行きつ戻りつする物語です。

不定期更新なので、暖かい目でご支援ください。基本的褒められて成長するタイプです。

 さて、俺の誕生会から早くも一ヶ月が過ぎた。


 ちなみに姉夫婦からは、誕生日の翌日にメールが一通来たきりだった。

 しかも、内容は9割篤弘の事だった。

 まあ、30にもなって手厚い祝福が欲しいわけでは無いから、別にいいんだけどね。


 ジイちゃんは、夜の付き合いはスッパリと止めた。

 表向きには、オレの襲名を示すために、わざと引きこもっているのだと言っているらしい。

 実際は、ゲートの向こうに夢中になっているのだが。


 夕方の6時になると向こうに行ってゲートの周りを整備しているらしい。

 下草刈りとか、枝払いとかをしている。

 この間覗いてみたら、キャスター付きの工具棚が置いてあった。

 見覚えが無かったから、新しく買ったヤツだな。


 夜の付き合いを減らしたにもかかわらず、朝の畑の見回りとかで元気がないので、オレに跡目を継いだので、気が抜けたんじゃないかとか、いろいろウワサされていたらしい。

 いえいえ、むしろ、今まで以上に元気です。単に夜が遅いので、朝がつらいだけです。家にいるジイちゃんを見ている婦人部からの情報で、すぐに「ジイちゃん元気無い説」は否定されました。


 俺の方は各方面への挨拶で忙しく、中々向こうへ行けてない。

 ウチの周りへのお披露目は誕生会で済ませたけど、政治家への返礼とか、行政への挨拶とか、商売周りの挨拶とか、各書類の書き換えとその提出とか、さらにその書類関連の役所への挨拶とか、挨拶か書類書きかの毎日だったんだ。

 さすがに一ヶ月も過ぎると、そろそろ落ち着いてきて、自分の時間もまとまって取れるようになってきたけどね。


 その日は、久々に1日空いていたので、朝から婦人部のおばちゃん達とお茶飲んだりしてまったりしていたんだ。


「あー!タッちゃん、今日はいたんだ!よかった〜!」


 誰かと思ったら、ミワちゃんだ。

 話を聞いたら、ここ一ヶ月、ダンスのレッスンでスタジオが使えて無いとのこと。

 昼間は婦人部のおばちゃんに鍵を開けて貰っていたんだけど、夜はジイちゃんとあつひろしか居ないからと断られていたんだって。


 あれ?よく考えたら、ジイちゃんがゲートの向こうに行っている間は、篤弘をどうしていたんだ?


「ジイちゃんめ〜!ゴメンね。ミワちゃん。来週からはちゃんと開けておくから!」

「あ!いいのよ。スタジオは使えなかったけど、庭のステージとか使わしてもらってたから」

「ん?スタジオは使えないのにステージはOKっておかしくない?」

「あ!そう言われれば、そうね?でも、私達はステージ使える方が嬉しかったから」

「上手く騙されているような……。雨の日とかどうしてたの?」

「こないだの雨の日は、ちょうど駅前のアーケードでおジイちゃんに紹介してもらったイベントがあって」


 ミワちゃんの話だと、そのイベントの関係者に声をかけてもらって、さらに仕事が増えたらしい。


「あら〜、ミワちゃん凄いじゃないの!」

「何言ってるの!ミワちゃんの実力はこんなもんじゃないわよね〜!」

「いえいえ、皆さんのおかげですよぅ!」


 おばちゃん達の祝福を受けてミワちゃんは喜んでいるが、スタジオから遠ざけるジイちゃんの陰謀に違いない。後でしっかり説教しておこう。


 ミワちゃんを見送った後、オレはジイちゃんを説教しようと母屋へ向かった。


「ジイちゃん!」

「おお!たっくん、ちょうどよかった!」

「よかったじゃないよ!ジイちゃん!」

「たっくん、ワシ、また歯が生えてきたんじゃ」

「歯が生えたからって!え?歯が生えた?」


 どういう事?


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