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スタジオトーク

 いつもはマジックのコーナーが終わったら、そこで出番は終了なんだけど、今回はスタジオトークがある。

 五十川くん達以外にも変な電話が絶えず、富樫さんの方にも迷惑がかかっているので、その対策もあっていろいろしゃべる事にしたんだ。もちろん深刻にならないように工夫したんだけどね。


 先ずは、さっきのマジックの話から………。


「最後のはどうやっていたの?」

「え?あのマジック?」

「そうそう」

「カンベンして下さいよ〜。オレのメシのタネなんですから〜」

「またまた、御曹司のクセに〜!」

「「「アハハハ!」」」


「ちょっとだけヒントをいうと、全てのカードを変えた時には、カードを選ばせる方法を変えているんだよ」

「あ!そういえば!」

「あー、マジシャンの人って好きなカードを選ばせる事が出来るって言いますよね〜」


 そこから少しずつオレの事に話題を変えていく。


「タッちゃんたら、なんと、未だにお小遣いを貰っているんですよ!」

「「「ええー!」」」


 司会のミッタンがばらすと、ありえなーいとか色んな声が聞こえる。

 芸人のカツヤンさんが、すかさず元首相の話を披露してくれる。


「えー!四十億!すごーい!」

「いやいやいや、違うって!オレのお小遣いは三千円ですよ?」

「「「ええー!」」」


 御曹司らしかぬ少額にまた会場が湧く。


「今日なんか、原チャリで来てますから」

「ああ、あの原チャリ、タッちゃんのか!どこぞのヤンキーのかと思ったで!」

「ああ、あれ、姉ちゃんのお古だから」

「ええ!タッちゃんのお姉さんて、伝説の総長って言われてるあの人のかいな!」


 カツヤンさん、説明しつつ驚いて見せる。


「あのバイクは引退してからのだけどね」

「いやー、やっぱりオーラが違うと思いましたわ、あの原チャリ」

「カツヤン、さっき、ヤンキーのとか言ってたじゃない」

「いやいやいや、そんな事言ってません!素晴らしいおバイクだと言ったんですよ!本当ですよ!お姉さん!」

「カツヤンのウソつき!」

「ブーブーブー!」


 カツヤンさんが、わかりやすくビビってくれる。いやー、さすが芸人さんは上手いなぁ。


「バイクはええねん!タッちゃん、車も持っているらしいやんけ!なんでも四駆だって聞いたで!」


 逆ギレしつつ、話を戻してくれるカツヤンさん。


「クルマって、軽ですよ。ウチ、山奥ですから」

「あー。あれは酷いクルマだよねー」


 クルマの解説はプチリップスが説明してくれる段取りになっている。


「前に、わたしとリヤゾウとアケタンで乗せてもらった事があるんですよ」

「えええ!アイドルを三人も乗せてドライブかいな!このリア充!」


 カツヤンさん、オレの首を掴んで揺さぶる。やーめーてー。

 ミッタンが訂正してくれる。


「違うんです。練習スタジオから駅まで送ってくれたんですよ」

「あー。あの時かー」

「あれは、引いたねー」

「ナニナニ、どういう事なの?」


 あの時は、オレも焦ったよ。


「いやー、クルマに乗るじゃないですか、ドアを閉めるじゃないですか」


 ミッタンが手振りを交えて再現してくれる。


「ふんふん」

「で、地面に足がついているんですよ」

「え?どういう事?」

「クルマに乗るじゃないですか、普通はクルマの床に足が乗るハズですよね?」

「うん、そらまあ、そうやろな」

「そのハズなのに、足が地面を踏んでいるんですよ」

「どういうこっちゃい?」

「そのクルマ、床が抜けていたんですよー!」

「「「えええええ!」」」


 カツヤンさんは俺の肩に手をまわして、しみじみとした口調で言ってくれた。


「タッちゃん、それはないで」


「イヤ!確かにそんな事もありましたけど、それは前のクルマなんですよ!」

「なんや、買い換えたのか、金持ちやんけ!」

「違いますって、買い換えたのが、今の軽ですよ」

「そー。それも3万円だって!」

「えー!あの軽、3万円!また床が抜けるんやないの!」


 ………………………………


 番組の後、みんなにお礼を言って回ったよ。


「カツヤンさん、ありがとうございました」

「あれで、変な電話が減るといいねぇ」


 カツヤンさん、本当にいい人。


「他にも相談していろいろ対策をしてもらっていますんで、これから随分減ると思います」

「それは、よかった。こういう仕事していると結構聞くしね。可哀想な結果になっちゃった子もいるから。タッちゃんも気をつけるんやで!」

「はい、気をつけます」


「ミッタン達もありがとうね」

「いつもタッちゃんには、お世話になってるからね!」

「でも、クルマはもうちょっといいのに変えなよ!」

「そうだよ!あれじゃあ、ミワちゃん先生が可哀想だよ!」

「ちょっと!なんでそこにわたしが出て来るのよ!」

「えー、それは言わないといけないんですかぁ?」

「あ、コラ!ちょっと!」

「キャ〜!」


 逃げて行くプチリップス達を追いかけて行くミワちゃんだけど、なんだかオレは手ごたえを感じたんだよね。


 うん。ちゃんとお付き合いしてもらえるんじゃないかってね。


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