これが有名税ってやつかな?
テレビなどに出演して、ソコソコ名前が通ってくると変な電話がかかって来るようになった。
お金貸して欲しいとか、怪しい商品の売り込みとかね。
ジンちゃんに相談して、対策をとる事にしたよ。まずは留守番電話にした。
それだけで変な電話はほとんど撃退できました。留守番電話にメッセージを入れてくれれば折り返し電話するって事にしたんだけど、録音が開始される前に電話を切っちゃうんだよね。
後は、ちゃんと名乗らないで連絡先もわからないのは、連絡しません。ウチの電話は旧式なので、電話番号を記録してくれないってのもあるんだけど。
それでも、営業系の電話はかかって来る。一応、向井家はいろんな会社を持っているから、それに関連する電話はそっちに回す。大抵が箸にも棒にも引っかからない話しなんだけど、たまに光るアイデアがあったりするので、無視もできないんだよね。最近では、お義兄さんの飲食店に採用されたシステムがある。詳しくはわからないんだけど、スマホでなんとかって言ってた!
後は、マジックのネタの売り込み。これ、オレに言われてもしょうがないんだよね。で、いつもマジックの道具を作ってもらっている会社を紹介している。でも、ほとんどが自分で金を出して道具を作るって聞いた途端に連絡つかなくなるんだよ。試作品も作らないで使い勝手もわからないとおもうんだけどなぁ。
そうやってさばいて残るのは本当に怪しい電話。本来ならすぐに警察に回すんだけど、一度山井くんに確認してもらう事にしている。
大抵は、警察行きになるんだけどね。ウチは一応資産家だし、オレもソコソコ名前が売れてきたので丁寧に対応してくれる。もともと地元の警察署の人達とは顔見知りではあるんだけどね。ほら、道路の着工式とかで顔をあわせるから。
本当は、他の魔法使いから連絡が来たらいいなと期待していたんだけど、未だに連絡は来ていません!
後は組織的な暴力を主に使う方々なんだけど、昔はこんな田舎、相手にされていなかったし、ジイちゃんを中心に地元のつながりが強かったので、ここら辺には入り込んで来なかったんだ。どっちかっていうと、黒鎌党の方が荒くれ者の集団みたいに言われてた時期もあったそうで。
市の中心部で大きな組織のぶつかり合いがあった時には、ジイちゃんが仲裁に立った事もあるそうで、そういう昔ながらの所はウチの方には来ない事になっているそうなんだ。
ところが、最近はそういう規律が届かないヤツらが増えてきたそうで、コッチにも流れてくるかもしれないって引退した組長さんからジイちゃんへ情報が流れてきた。
なんでこんな事を長々書いているのかと言うと、今、目の前に絶賛展開中なんですよ。そのオニイチャンたちが!
「ルァア?ッテンジャネーゾ、ウラァ?」
今日は例のテレビの収録で市の中心部に出てきてて、いつも帰りに寄るレストランの駐車場で待ち伏せされていた。
あー、姉ちゃんやお義兄さんのお友達にこう言う人多かったなーとか懐かしく思い出していたんだけど、そのうちに比較的に話が出来そうなのが出て来るだろうと思って待っていた。まあ、そうやって待っていた事を感じて欲しくて長い文章に付き合って貰ったんだ。ゴメンね?
しばらく待っていたら、思った通り一台の車が止まって、中から一人の男が降りてきた。彼は当たり障りのない事から始めて色々言ってきた。言質を取られないようにって用心しているのか、話が長い。
彼の言い分を要約すると、「面倒は困るんじゃないの向井さん?」って事が言いたいらしい。
「うーん。面倒って言うとどんな面倒なのかな?もう少し具体t……」
「舐めんじゃねえぞ!このヤロウ!」
「いやいや、人の話し……」
「話しはコッチがしてんだよ!」
日本語は話せるけど、話しは通じないみたい。しょうがないね。黒鎌造園とかお義兄さんの友達とか荒い言葉には耐性あるし、いざとなったら魔法でなんとかできるとなると、落ち着いて対処できるね。
「ふー。分かったよ。でも、もうすぐ警察も来るだろうしね。河岸を変えよう。」
「おう。にげても無駄だからな。」
「ああ、ゆっくり運転するからついておいで、なんなら君が運転するかい?」
「ずいぶん余裕じゃないか。じゃあ俺のクルマに乗りな」
「分かったよ。軟禁って言っても君たちは気にしそうにないしね」
ちょっと付き合ってあげないといけないみたいだ。




