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となり村との交流

 向井の庄にとなり村からの訪問者がやって来たよ。ほら、前にジイちゃん達が行った集落ね。


 あの後、ジイちゃん達は五平さんと再度訪ねて行って、コボルド達を正式に預かる事にした報告をしていたんだ。そこの村長さんはできた人で、快く許してくれたんだって。


「一歩間違えてたら、あそこの集落が食い詰めて山賊になっとったかもしれんかったからの」


 実は、となり村もけっこうギリギリだったそうで、村を捨てるか相談していたんだって。五平さん達に襲われそうになって、襲われる側の気持ちがわかったのでもう一踏ん張りする気になったんだってさ。以外とタフな世界だったんだね。


「向井の庄は、葉物野菜がそろそろ収穫出来るし、向こうの肉と物々交換をしようかと思っての。こっちの野菜を試してもらうために来てもらったんじゃよ」


 今は、ケンじーちゃんの獲物で食いつないでいるんだもんね。


 関所のコボルド達も、はじめての訪問者が以前迷惑をかけた村って事で、恐縮してたのか、丁寧な対応をしていたよ。

 城に居たんだけど、関所の雰囲気は転移魔法で感じる事ができるからね。


 せっかくなので、挨拶してこよう。


「ようこそ、向井の庄へ。ここを治めている達夫と申します」


 気軽に関所に転移して挨拶したんだけど、向こうをビックリさせちゃったみたい。


「エエ!若様自らお出迎えなど、とんでもねぇ!」


 村長みたいな老人と、猟師みたいな人と、若い人の三人が、そろって土下座し始めちゃったよ。


「いやいや、顔を上げてくださいよ!」


 後で五平さんに聞いたんだけど、こっちは城持ち。身分が違うんで、お城に迎い入れてあげたほうがよかったみたい。うーん。日本にはもう身分制度がないから、こういう感覚ばわからないんだよな。


 ただでさえ、身分が違う上に、こっちは普通にお風呂入ってたりするので、向こうの人から見たら貴人感がハンパないらしい。


 五平さん達も毛並みの手入れをするようになって、フサフサでツヤツヤだもんね。


「いやあ、ウチの孫が申し訳ない。まだまだ世間しらずでの。九兵衞をびっくりさせてしまったの」


 オレととなり村の人達とお互いでワタワタしていると、ジイちゃんが追いついて来て場を治めてくれた。


 なんとか、となり村の人達と話が出来るようになった。こっちは関所の建物の中で、彼らは庭に座る形なんだけどね。


 今度は、こっちが落ち着かないんだけど、この世界のしきたりなんだそうで、となり村の人たちのためにってお願いされたんだ。


 ジイちゃんにも叱られた。せめてものお願いって事で、庭にイスを置いて座ってもらう事にした。


 こっちは小屋の縁側に腰掛ける形。これでもかなり型破りらしいんだけどギリギリ許容してもらえた。


「はあ、大殿様もすごい豪傑でしたが、若殿様もなかなか肝が大きなご様子で」


 となり村の村長、九兵衛さんはビックリを通り越して落ち着いて来たみたい。


「なかなか型破りな方でして。九兵衛殿もゆるして頂ければありがたい」

「許すも許さぬもありません。ワシらこそ、こんな扱いで申し訳ないくらいです」


 五平さんが恐縮しながら謝っている。うーん。返って迷惑をかけちゃったかな?九兵衞さんはなんだか悟った顔になっているし、五平さんと仲良くなったみたいだからよかったよね!


「まあ、城持ちって言っても見ての通り、何にもないからね。九兵衛さんとこのほうが大きな集落なんじゃない?」

「とんでもねぇ!」


九兵衞さんがひっくり返って手を振ってる。そんなに否定しなくてもいいじゃない。


「九兵衞、わしが言った通りじゃろう?この通りの抜け作なんでのう、少しでも支えが欲しいんじゃ」

「へ、へえ」

「すぐに、と言う話ではない。こちらもまだ旗揚げには遠いからの。しばらくは良き隣人として付き合ってもらえれば良い」


 うーん。こっちの世界の常識も勉強しないといけないね。後でジンちゃんに調べてもらおう(丸投げ)。実務的な話になってきそうだし、そろそろ引っ込む事にしたよ。


「それじゃあ、後は五平さん、頼むね。視察が終わったらお城でジンちゃんがお話しするって」


 なぜか、九兵衛さん達が死にそうな顔をしていたけど、ジンちゃんの怖さは合っていなくても伝わるのかな?


「じゃあ、これからよろしくお願いします!」


 そう言い残して、お城に帰って来たんだ。


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