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カムフラージュ

 山井くんを連れて、向井の庄に行く。


「アレ?なんか、広くなっていませんか?」

「うん。向井の庄に住人ができて、黒鎌城も広くなったんだよ」

「うわー!ちょっと目を離すとすぐこれだから!」

「まあ、緊急避難的なものだったんでね。連絡する暇も無かったんだよ」

「まあいいや!後で詳しく教えてくださいね!」


 山井くんは話が早くて助かる。きっと、頭の回転が速いからなんだろうな。


「先ずは、向井さん、もう少しマジックショーをやりましょうよ!」

「ええと、それは防諜に関連しているの?」

「ええ、一番はもう少し有名になってもらってマジシャンとして認識してもらうのです。魔法使いじゃなくてマジシャンなんですよ。って事で誤魔化します」

「あー、なんとなくそういう方法もあるかなってオレも考えていたんだよ」


 山井くんからもマジシャン押しが来ました!これで、またタッちゃんミワちゃんのマジックショーを再開できるよ!


「あんまり有名になりすぎても逆効果なので、関東ローカルで、マジックファンなら聞いた事あるぐらいにしましょうね」


 ローカルアイドルならぬローカルマジシャンって事か。


「ミワさんって元アイドルなんですよね。そっちに詳しい友人に聞いたら全国的な活躍をしたそうで、結構覚えている人も多いそうです。ある程度向井さんが売れたら、ミワさんに注目してもらって、目を逸らします」


 そうやって、オレの事はそんなマジシャンがいたな。って程度に覚えてもらうんだそうだ。


「そうするとミワちゃんに迷惑がかかるんじゃないの?」

「いえ、その辺りはミワさんの生徒さんとか、意外とタレントが多いので、さらに注目を分散させていきます」


 ミワちゃんは昔、忙しすぎて体を壊して引退したんで、自分が売れる事にはあんまり興味ないみたいなんだよね。

 今でも地元ローカルのテレビには出てたりするけど、むしろ、話を持ってきた人には、教え子達を紹介している。


「なるほど、確かローカルアイドルやっている子がいたって聞いたな」

「え?ええと、向井さん?プチリップスの事、知らないんですか?」

「あ、そういうグループ名なの?」

「あー。一応、ローカルアイドルとしては結構有名なので、覚えてあげてくださいね。多分、これから共演もするでしょうし」


 山井くんに教えてもらったけど、一人じゃなくてグループなんだってさ。それぞれの都合でその時のメンバーを入れ替えながら活動しているんだって。なるほど、それなら無理なく活動できるね。固定メンバーじゃないから、おじさんが覚えていられなくても不思議ではない。って事にしておこう。


「まあ、オレも無職だからね。時間の融通は利く方なんで、しばらくはマジックショーも頑張るよ」

「しばらくは、市や県の催し物に出て頂ければ十分ですよ。向井さんなら地盤があるんで反発も少ないでしょうしね」


 そのうち、ローカルマジシャンって事で、テレビやラジオが取材しに来るんで、地方のお坊ちゃんらしいノンビリした対応をしてあげればいいだろうって事でまとまった。


「それじゃあ、向井の庄を案内してあげよう」

「やったー!待ってましたよ!」


 山井くん、本当に楽しみにしていたんだね。コボルドのシッポがお尻についているんじゃないかってほど分かりやすく喜んでいるよ。


「あ、そうそう、ジンちゃんから聞いていると思うけど、住人に会ってもビックリしないでね」

「ビックリしないかは自信ないですけどね!一応、犬の人だとは聞いてます。楽しみですよ!」

「それじゃあ……。おーい、五平さーん」


 このところ、五平さん達ジンちゃん付きのコボルドはお城で書類整理をしている。どれぐらいのタネを蒔いて、どれぐらい実ったとかの記録などが主なものなんだけどね。こういう細かい事まで記録するなんてした事がなかったそうで、結構苦労している。まあ、ジンちゃん曰く本格的領地経営が始まる前の練習なんだそうだけど。


「はい!お呼びで御座いますか?」


 軽い足音とともに五平さんがやってきたよ。山井くんは目を丸くしてたけど、前もって言ってあったので態度には出していない。


「紹介するね。彼が、山井くん。御庭番なんで、たまにしか見かけないかもしれないけど覚えておいてね」

山井直毅やまいなおきです!よろしくお願いします!」


 山井くんが挨拶した。山井くんの大声に五平さんがビックリしているな。


「これはご丁寧に。わたくしは五平と申します。大殿に拾っていただき、若殿から向井の庄の庄屋を任されております」


 五平さんは、オレの使っているニンジャって事で納得していた。そうかニンジャって存在は知られているんだね。


「まあ、そういうお役目の者がいるという程度で詳しくは存じませんが、我らは田舎ものにて。都の人々ならもっと色々ご存知かもしれません」


 とりあえず、山井くんは表向きは五平さん達の同僚って事で通す事にした。


「書類仕事なら、僕もお教えできると思いますしね!」


 そう言えば、山井くんも中央の官僚だったね。



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