住人ゲットで城拡張!
食い詰めて集落を捨てたコボルド達を向井の庄の住人とすることにした。
ペットではないので、当然働いて貰う。うん、ペットじゃ無いからね!
関所には5人づつ日替わりで詰めて貰う事になった。しばらくは誰も訪問してこないと思うけど、またジイちゃん達が出て行って向井の庄の事を広めて来るから、そのうち訪問者が来るでしょ。その時までにキビキビ動ける様に訓練しておかないとね!
関所の門番は、朝から翌朝までの24時間体制。門を開けるのは日が昇っている間だけで、夜は当直が順番に起きている。
翌朝、次の隊が到着したら交代となる。毎朝、日の出前に城の前の道を走っていくのが見えるよ。
働くのは彼らだけじゃ無い。城の上流、湧き水のある辺りをコボルドの集落にしたんだけど、さらに上流に田畑を作ったんだ。年寄りや女性はコッチで働いてもらう。
「いやー、この絵図、便利だなぁ」
田畑のエリアを指定していたジンちゃんが声をあげた。この声音は、言葉とは反対にジンちゃん、呆れているね。
確かに、ジンちゃんが畑のエリアを指定しただけで広場が出来ている。コボルドの集落を作る時もこんな感じで、エリアを指定して広場を作り、小屋を置いていくだけだった。
「開墾とか、かなり苦労するのを覚悟していたんだけどなぁ」
カッちゃんも、横で呆れているね。
「まあまあ、若殿のご加護で手間が省けるのは喜ばしいではありませんか」
元コボルド村長の五平さんが、ジンちゃんを宥めている。五平さんと、五平さんの娘のウメさん、そして見習いの喜三くんは、ジンちゃん付きの文官として働いているんだ。五平さんを「庄屋」っていうのに登録しておいた。今の所は記録係りとしてなんでもメモっておくのがメインみたい。詳しい話はジンちゃんに丸投げしているんで、よくわからないんだけどね。
しばらくは、日本から持ち込んだ食料を使うけど、早めに自立して貰わないとね。
畑にはなるべく手早く食べられる野菜から順に植えていく事にした。
食料の生産計画はジイちゃんが担当する事になった。それと、ケンじーちゃんが狩ってきた大きなイノシシがいて、これもコボルド達に食べてもらう事にした。
さて、40人の住人を得てお城が拡張できるようになったよ。拡張できるようになったんだけど、まだレベル1。
「うーん。建物に関して言えば、まだまだ使えないな」
建てられる小屋はテントよりはマシな程度。それよりも城の土地を広げた方が良さそうだ。
「二の丸を作れるようになったのか」
「ほら。こうやると土地を二段にできるよ」
「なるほど、今の土地の周りが盛り上がるのか」
「うーん、重ねるより、今は広い曲輪がいいんじゃないかな?」
ジンちゃん、カッちゃんとワイワイやりながらあれこれ検討した。
ちなみにジイちゃんズとフミエさんは好きにすればいいと言って参加していない。
篤弘にも意見を聞いてみたら、コボルドの友達と一緒に遊ぶところがあれば良いって。
向井の庄では黒丸くんが一番の友達らしい。黒丸くんはコボルドの子供のまとめ役をしている子だな。面倒見が良く、小さい子達の事を相談しているのか、フミエさんとよく話している。
コボルドの子たちは、朝、軽く家の手伝いをしてから、城に来て、フミエさんかジンちゃんに読み書きを教えてもらっている。午後は俺たちが日本へ帰るので、家の手伝いがなければ子供だけで遊んでいるようだ。
「じゃあ、本丸と同じ広さで二の丸を作ろう。そこで子供達が遊べばいいね」
「なるほど。じゃあ、この練兵場っていうのが良さそうだな」
「それで決定!」
ポチッとな。【二の丸を作りました。】
二の丸はサッカーができるぐらいの大きさだった。二の丸と本丸(今までの土地ね)の間には大きな木造の橋がかかり、本丸側には立派な門が出来た。内側にハシゴが付いていて、門の上に登れるようになっている。
ちょっと困ったのは、子供達が門の上からピョンピョン飛び降りるんだ。どうしようかと思ったけど、五平さんに聞いてみたらコボルドならあれぐらいは飛べて当然の高さなんだそうだ。楽しそうだし、放置する事にした。篤弘も異世界補正で丈夫になっているしな!
コボルド達の受け入れがひと段落ついた頃、山井くんが訪ねてきたよ。未だに他の魔法使いの情報は進展が無いんだけど、オレの情報の誤魔化し方に付いて相談があるらしい。
山井くん、基本的に都内で活動しているので、たまにしかコッチに来れないんだよね。
本人は、ケンじーちゃんやフミエさんにいろいろ教えてもらいたい事があるそうなんだけど。
「で、今日は?」
「はい。向井さんのマジックに付いてなんですけど…」
「分かったよ。ミワちゃん、土蔵スタジオ空いてる?」
「はーい。一号だよね?空いてますよー!」
最近、土蔵スタジオが増えて、元々のスタジオが一号、増えた分を二号三号って呼んでいるんだ。
二号三号の方が設備も新しいので一号が空いている事が多い。ジンちゃんの策通りに一号スタジオは密談室になって来ているんだ。
「じゃあ、山井くんとお話ししてるよ。多分、ジンちゃんも来ると思うから、来たら内線で呼び出してね!」
「はーい!」
そう言えば、山井くんはまだコボルドと顔合わせしていないな。後で、合わせてあげよう。きっとビックリするぞ!




