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ジンちゃんの後輩が来ました

 自分が……今迄……、

 無職で……のうのうと生きてきたんだと……

 みんなから思い知らされ……。


 3日間、布団被ってフテ寝していた訳ですが……。


 もともと、引きこもりでは無いので、3日もすると飽きてしまった。


 まぁいい。過去は過去。オレは未来に生きるんだもんね。


 布団を丸ごと運んで、庭で干していると、ジイちゃんがやって来た。


「おー、たっくん。そろそろ出てくる頃じゃと、思ったわ」

「あー、おはよう。寝ているだけってのも飽きちゃって」

「まー、急いで済まさにゃならん仕事もないしのう」

「無職だからねー」

「「アハハハハハ〜」」

「ん?」


 振り返るとジンちゃんが頭抱えてた。


「この、呑気一族はもう……」


「あ!ジンちゃん!」

「ジンちゃん!じゃないよ!無職どもと違って、僕は忙しいの!」


 ジンちゃんは、市議会の仕事もあるからね。


「忙しいんで、私設秘書を雇いました!おい!入って来い!」

「こんにちわ!新人の山井です!名前はヤマイですが、大病はした事がありません!よろしくお願いします!」

「おー、元気でええ挨拶じゃ」


 門の外から朗らかな青年が入ってきた。


「こいつはオレの学校の後輩」

「はい。大学でお世話になったんです」


「じゃあ、山井さんも東大卒?」


「ええ、そうですよ!」

「こいつは、東大出て官僚になったクチ」


「ほぅ、優秀なんじゃの」


「まー、優秀『過ぎる』ってほうで……」


 ジンちゃんが、顔をしかめている。イヤな思い出があるらしい。


「まずは、タッちゃん、こいつを鑑定してやってくれ」


 ん?ジンちゃんがそう言うって事は、ある程度秘密を話しているのかな?


 ジイちゃんの顔を見ると頷いている。


 じゃあ、やってみますか。

 家の中に戻り、居間でお茶を出してから鑑定してみる。


【人(能吏、秘密コレクター:隠密持ち)】


 って、出たんだけど?


「成る程、そう出るのか。うん、鑑定でわかるように、こいつは政府系機関の調査員ってヤツなんだよ」

「え!スパイなの?」

「いえいえ、そんなドラマ見たいなヤツじゃ無いですよ。普通にコツコツ調べ物をする方の調査員ですよ」


 山井くんがニコニコと答えてくれる。


「そう、ドンパチはやらない。だけど、ある意味ドンパチする部署より危ない所にいる」


 なんか、怖い所にいる人なんだね。見た感じは好青年なんだけど。


「あれ?公務員て副業禁止なんじゃ?」

「そう。だけど、俺の秘書になれる。そういう部署の職員なんだよ」


「ああ!もしかして、秘密対策の人?」


「そう。そういう事が出来て、俺たちを国に売らないのは、こいつしか思いつかなかったんだ」


 なんか、ジンちゃんはとても不本意そうにしている。


「まあいい。次はタッちゃんが魔法を使えるのを、山井に見せてやってくれる?」


「じゃあ、分かりやすいやつで、ホイ!っと」

「うわ!本当に宙に浮いている!」

「うん。レビテーションって魔法なんだ。物を浮かして飛ばす魔法なんだ」

「タッちゃん、山井を持ち上げてやってよ」

「いいの?じゃあ、ハイ!」

「凄い!先輩、本当に浮いていますよ!」


 山井くんは遊園地に行ったかのようにはしゃいでいる。


「向井さん!これ、浮くだけですか?」

「いや、移動もできるよ」

「うわーい!動いたー!」


 山井くんにつられて、こっちも楽しくなってきた。


「はいはい、お遊びはそこまで」


 ジンちゃんが、手を叩いて止める。


「山井に、見せてあげるのはここまでで充分だろ?」

「えー!先輩のケチ!」

「もっと、見たければ、働け。お前の場合、それが効果的な報酬だろう?」


「今までの話しから察するに、山井くんは防諜系のお仕事の方か」

「ええ、そうなんですよ。向井家の秘密を守るにはちょうど良い人間だと思いまして」

「ジンがそう判断したなら、それでええじゃろ。山井くん。よろしく頼みますの」


 どうやら、ジンちゃんは国の凄腕の人を連れてきたみたい。


「山井も気がついているだろうが、向井家の秘密はまだ先がある」

「うわー!どんな秘密なんですかね?」

「それはまた後で。ただ、日本が国家として存続出来なくなるかも知れないって事は教えてやる」

「うーん。ワクワクして来ましたよ」

「そうか、よかったな。その秘密をどう守るのかはお前に任せる。秘密コレクターなら、一番やりがいのある仕事だろ?」

「さすが先輩!人の弱点を巧みに突いてきますね!」


 二人ともニコニコしながら話しているけど、目が笑って無いからね?

 話が長くなりそうだったので、オレとジイちゃんはお茶を飲み始めた。

 しばらくすると話が付いたみたいで、山井くんはこちらを向いて姿勢を正すと一礼した。


「向井さん!僕も今日から黒鎌党として頑張りますので、よろしくお願い致します!」

「山井には政府とのパイプ役も兼ねてもらいます。彼に情報の流れを調整してもらった方が上手く行くと思うので」


 ジンちゃんの説明では、彼が皮切りで、少しずつ味方になってくれる人を増やして行くんだそうで。


「国内だけでは足りないでしょうしね。将来的には海外の人脈も作っていかないといけないでしょう」

「いやー。大変そうだね〜」

「うん、大変なんだよ。タッちゃん。君はもっと僕に感謝するべきなんだよ?」


 そろそろ、ジンちゃんがお疲れの様子。しばらくは真面目に働くとしよう!




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