強敵来襲
ブックマークありがとうございます!
この物語は30童貞のおっさんが日本と異世界を行きつ戻りつする物語です。
不定期更新なので、暖かい目でご支援ください。基本的褒められて成長するタイプです。
さて、柵が完成したので、一安心。と言ったところかな。とは言っても篤弘が一人で向こうに行くのはダメだけどね。
あ、そうそう、篤弘もゲートを開くことが出来るようになってた。はじめは呪文を唱えても開ける事は出来なかったのだが、ジイちゃんが開るのを見て、覚えたらしい。
他の魔法は使えない様子だが、ちょっと、注意しないといけないな。勝手に異世界に行かれてはマズイ。
それはさて置き…………
「何はともあれ、間に合ったね」
「何はともあれ、間に合ったのう」
ジイちゃんと二人、柵を眺めながらお茶を飲む。
ネット一枚だけど、そこにあるだけで、安心感が違うね。
板張りと違って見晴らしも良いし、良いチョイスだったな。
なぜ、二人して間に合ったと安心してお茶を飲んでいるのか?
実は昨日、姉夫婦が海外から突然帰ってきたのだ。篤弘がゲートを扱える以上、姉夫婦にも秘密を教えないといけない。そもそも家族でこんな重大な事を隠し事をするべきではないし、万が一にも篤弘になにか起こってからでは言い訳も出来ない。ジイちゃんと話し合うまでも無く、いつ打ち明けるかだけを決め、急いで柵を完成させたのだ。
夕方近く、レンタカーでやってきた姉夫婦を、ジイちゃんと二人で正座で迎え、ゲートをくぐってこちら側をご覧いただき、ご説明。姉ちゃんは驚くでも無く視察させられてたが、最後にフンス!と鼻から息を吐き出すと、
「なるようになるでしょ」
と、仰り、御許しをいただいた。
「まあ、何でか分からないけど、こうなっちゃったなら、なったで受け入れて次の手を考えないとね」
「あー、ひさびさに姉ちゃんの超現実主義を聞いたよ」
「これでもびっくりしているのよ。でも、篤弘の事をチャンとみんなが見てくれているのが分かっているからね」
「ね、姉ちゃん!」
不覚にも、涙ぐんでしまった。
翌朝、姉夫婦はもう帰ると言って出て行ってしまった。
開発中の和風リゾートホテルが心配なんだそうだ。最近の日本ブームで繁盛しているんだって。姉ちゃん達は黒鎌造園土木にはタッチしていない。姉ちゃんが少しだけ株を持っているぐらい。お義兄さんの智教さんがラーメンの屋台から立ち上げた外食チェーンを元に多角経営を始め、今はニュージーランドで温泉宿に挑戦中なんだ。知る人ぞ知るホテルで、世界中から泊まりに来るんだって。
「達夫くんも、今度、泊まりに来るといいよ。日本じゃ見られない満天の星空の下で入る露天風呂。ご近所さんも居ないから目隠しの柵もない。物凄く開放されるって喜んでもらっているんだ。さらに、本格的な和食。世界のビッグが魂を癒しに来るんだよ」
お義兄さん、元ヤンキーなんで、ビッグとか大好きなんだよね。端から見ていると物静かなサラリーマンに見えるらしいけど。
「いやぁ、やっぱり食材が微妙に違うんだよね。日本食にとしての美味いバランスを出すのが難しくてさ。日本からの輸入品に頼るのもシャクだしさ、オーストラリアも含めて食材を求めて農家回りさ」
「ちっちゃな飛行機で土の空港に降りたりしてね。トモは火が付くと止まんないから」
「ユリが、どこまでも付いてきてくれるからな」
夫婦仲はいい様で、ご馳走様です。そんな生活なんで篤弘をウチにおいている訳です。
篤弘は久しぶりに両親に会え、ピッタリ張り付いてたが、姉夫婦が帰るとなると、あっさり送り出していた。
「なんか、嵐が通過した後みたいだな」
「いやぁ、緊張したのう」
「やっぱり、向井家のボスは姉ちゃんだな」
「母は強しというが、それ以前に強いからのう」
「篤弘は、あんなんでもう良かったのか?もっと泊まってもらってもよかったのに」
「かーちゃんならどこ行っても大丈夫だし、とーちゃんもかーちゃんがいれば大丈夫。二人が大丈夫なら、オレも大丈夫!」
なんか、謎理論だが、篤弘が大丈夫ならいいか。
「さて、姉ちゃんのお許しも出たし、そろそろ本格的に異世界を探索していきますか!」
「おれもいく!」
「篤弘は宿題終わってからな」
「えぇぇぇ」
篤弘がガックリとヒザをつき、orzの形になっていた。




