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魔法使いになったらしい

この物語は30童貞のおっさんが日本と異世界を行きつ戻りつする物語です。

不定期更新なので、暖かい目でご支援ください。基本的褒められて成長するタイプです。

 オレ、向井達夫。30歳になったのだが、本当に魔法使いになってしまった。何を言っているのか(ry


 ん、まあちょっと長くなるが俺の話を聞いて欲しい。オレのウチは首都圏の端、とある衛星都市のベットタウンの端っこに位置している。家族は祖父と俺と甥っ子の3人暮らし。


 昔はここら一帯の庄屋で、更にその昔は豪族だったそうで、家の敷地はむやみ広い。建物もむやみに古いけどね。

 ここらは空襲がなかったそうで、母屋は江戸時代のものだ。デカイ土蔵も3つ程あり、その内の一つをマルチユースの練習スタジオにしている。最近はダンスのレッスンなども貸し出していて、壁には大きな鏡が貼ってある。近所のみんなが集まった時などは、カラオケルームとして使われたりもする。


 30歳の誕生日を迎えた深夜、オレはその土蔵スタジオでドラムを叩いていた。いや、ボッチってわけじゃないよ。その日の夜はみんなで誕生日のお祝いをする予定になっていたんだからね!


 ドラムに夢中になっていて、気が付いたら日付けが変わっていたんだよ。


 時計を見てその事に気が付いたら、ふと思ってしまったんだよ。


 ーーあれ?もしかしてオレ、魔法使いになったんじゃね?ーー


 みんなもネットで聞いたことが 無いだろうか?30歳無職童貞(イコール)魔法使いの話を。


 オレ、働いているわけじゃないんだけど、家の手伝いをしているだけで、職に就いているわけじゃない。つまり、無職と言ってもいいだろう。んでもって、……ね。資格あるじゃん!


 いやいや、真面目に信じたわけじゃないよ。でも、深夜一人でハイになった時のノリってヤツあるでしょ?

 しかも目の前には大きな鏡。よく、ファンタジー物で鏡が異世界への扉になっているのを思い出してしまった訳。そして、つぶやいてしまったんだ。


「……ゲート……」


 スティックを鏡に向けてたのがよくなかったのかもしれない。

 鏡は、一瞬光ったかと思うと、緑深い景色を映し出したんだ。


「ウッソ!」


 正直、イタズラだと思ったんだよ。大型モニターかなんかを埋め込んでいるんじゃ無いかって。


「い、いやぁ。最近のモニターは出来が良いなぁ〜ハッハッハ」


 とか言いつつスティックでモニターを突こうとしたら、そのまま通り抜ける!

 なんか怖くなって、素早くカーテンを閉めて土蔵を出た所までは覚えているんだ。


 寝た。起きた。

 いや、眠れなかった。もう一度スタジオに戻る。


 やっぱり、見慣れない景色に続いている。


「ど、どうしよう?」


 とりあえず、カーテンを握り締めながらそちらに降りてみる。


 いや、降りた途端にゲートが閉じて取り残されそうで怖かったんだよ。


 周りを見回してみると植生はそれほど変わっているわけじゃ無い。ブナやナラなどの里山によくある木だ。

 下草も見慣れた物だったが、日本って言うか地球ではなかった。だって、太陽が二連星だったんだもの。


「二つの太陽だ……」


 しばらく、ボケーと空を眺めていたらしい。

 ふと我に帰るとゲートが自動で閉じる可能性に気がつき、慌てて部屋に戻った。


 部屋に戻ってから、ゲートに向かって「閉じろ!」と言うと、スッと鏡に戻った。

 スティックでかるく叩くと、ちゃんと鏡に戻っている。


「よーし、戸締りOK!」


 安心して部屋に帰ると、今度はちゃんと寝られた。


 おやすなさい。スヤァ……。



向井達夫 むかい たつお

達夫くんは無職ですが、ニートではありません。


次は明日の0時投稿です。

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