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明日の準備

「さてと…」

自室に戻った俺は鞄を取り出す。明日はシルハの買い物に付き合うから俺は俺で今から用意しないとな。そう思った俺は机の中から明日持っていった方が良さそうな物を鞄に入れる。

「えーっと…虫除けスプレー、団扇、財布…」

次々と必要そうな物を入れていると、机の奥から本の様なものが見つかった。日記だ。開いてみるが、まだ何も書かれていない。

「日記…なんて買ったか…?」

暫く記憶を辿っていると…そうだ、この日記は数年前…小学生だった俺が親にねだって買ってもらったもんだった。

…だが数年たった今でも白紙である。

「せめて3日坊主になれよ…」

流石に0日坊主とは…俺は心の中で過去の自分に突っ込みつつ…日記を本棚にしまった。

…まぁ、祭りに何も日記なんて持っていったところで、だしな。

それから数時間後、俺はようやく用意を済ませた。

「やっと終わったー…っと…」

俺はベットに寝転び、3DSを起動した。




「えーっと…」

シルハは片手に1つずつ服を持ちながら何かを悩んでいた。そこに兄が通りかかる。

「妹よ、何してんだ?」

「あっ、お兄ちゃん、あのね… 」

シルハは持っていた服を1枚ずつ兄に見せる。

「明日お祭りレイラと一緒に行くんだけど…どっちが良いかな?」

真剣な顔をして質問する妹に対し、兄は笑って答えた。

「んなもんどっちでもいいじゃん?別にデートしに行く訳じゃ無いだろ?」

デート、兄がその言葉を発した瞬間シルハの顔が赤くなる。

「デートって…そんな訳無いよ…っ!?ただ一緒に買いに行って、お祭り行くだけだし…じゃあもう、こっちにしよ…」

シルハは赤くなった顔を隠すように俯き、左手に持っていたワンピースを選ぶ。

「デート頑張れよ」

兄はシルハの肩に手を置くと、本気で言ってるのか馬鹿にしてるのか分からない声で笑った。シルハはその手を全力でふりほどく。

「だからっ!!デートなんかじゃないってば!それに…」

「それに?」

少し間を開けて、シルハは呟いた。

「多分、私の気持ちには気づいてくれないだろうから…」


「おま……」

兄は暫く何を言うべきか考えた後、薄く笑った。

「やっぱデートなんじゃん」

「違うってば!!」

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