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フォークルちゃんマジ天使!(先生!主人公が魔術師やりません!)

タイトルつけるのが面倒になってきたという。


毎度のハカタです。


一部修正を施しました。

大きな修正は以下。


天使フォークルの種族を「天族」から「人族」に変更しました。


天使フォークルの総合評価を「B-」から「A+」に変更しました。

 それから、文化に逐一驚きを覚えながらも、しばしの平穏の日々が訪れていた。日常的に魔物と戦う日々を平穏と呼んで良いのかは、各人の判断に任せるとして。


 最初GランクだったギルドランクもEまで上がった。

 ちなみに、昇格には、昇格試験を受ける必要がある。GランクからFランク、FランクからEランクへの昇格試験は、指定された依頼を、本来の依頼期間より短期間で完了する事だ。


 知識に関しては、噂話に聞き耳を立てたり、町の中央にある図書館で調べたりして詰めていった。図書館の入場料1万Gにビビッたのは、きっと俺だけではないだろう。一回目の登録の時だけだったようだが。


 そうするうちに、なんとなくだが、この世界の事情というものが分かってきた。


 まず、「魔王」について。これは、スキル《魔王》を持つ者のことを言い、種族「魔族」の王という意味で使われることは無いとのこと。

 俺の言ったとおり、ミドルネームがスキルと一致しているのだが、ミドルネームがスキルになったのか、スキルがミドルネームになったのかは分からない。

 このスキルを、ミドルスキルと言ったり、それを持つ人を、「魔名持ち」と呼んだりする。いや、「魔王」って呼べよと思ったが、人族が持つ場合特に、「魔名持ち」ということが多いらしく、村によっては、忌み者とされ、嫌われたりするらしい。人も持ってるのね・・・。

 これを対となす、「天使」というのもあり、これも大体同じで、「天名持ち」とか呼ばれることもある。


 「魔王」も「天使」も、強大な力を持つ事が多く、しばしば戦争などを起こす。「純人族だけに留まらず、「天使」より「魔王」の方が凶悪だと思っている者がまだ多いが、そんなことは無い」らしい。


 魔族というのが出てきたが、大枠で、人族、竜族、天族、魔族、精霊族、神族と別れ、これ以外を魔物などと呼ぶらしい。人族の中に、天族と魔族が含まれると言う説もある。


 魔族は、天族よりも特殊とも言われ、魔物の中でも知性あるものを含めるか否かでやはり議論が分かれる。

 種族的には、「魔物」だから、ステータスに合わせるべきだという論が優勢ではあるが、そういう主張はおいておいて、「知的な魔物」について研究する学問を発達させるべきだと言う人も居る。


 精霊族は・・・イースを見れば分かるけど、結構奔放な様だが、普通生まれて百年ほどは、力の有無に関わらず、生まれた場所以外のところに行くことはないと言う。


 神族は全く情報が無い訳ではないが、神話染みた話になっているので、信憑性が薄いと思う。信じたくない。大陸が二つ無くなったとか、嘘であって欲しい。


 「勇者」というものは、異世界から召喚されたものだけが持つ「種族」の一種であるらしい。どういうことだよ。意味が分からん。

 ステータスがぶっ飛んでおり、必ず「天名持ち」か、「魔名持ち」であるという厄介さである。関りたくねぇ。




 何故、こんな長ったらしい話をしているかと言うと。


「暇だ。」


暇なのである。


「わわ、サボりです。サボってる人がいますっ。」


「彼はサボってるんじゃないよ。鼻からやる気が無いんだ。」


「誰がやる気が無いだ。何も来てねぇじゃねぇか。」


Eランクから受けられるようになった、護衛依頼に参加している。Dランクへの昇格試験も兼ねている。

 他の奴らは俺が《探知》を持っていることを知らないため、サボってる様に見えるかもしれない。


 今回、一時的にレベルをかなり上げている《探知》では、半径3kmほどをカバーできる。この馬車がどんなに早いと言っても、一瞬で3km走れる訳も無く、気付いたときに《探知》を使えば十分なのだ。

 ちなみに、どうでも良いが、「これが今回護衛していただく馬車です」と、依頼主が言っていたが、俺の眼には馬に見えなかったとだけ言っとく。あれ、ヌーかなんかだよ。


「静かにしてくれ。集中できない。」


「おお、すまん。」


このパーティーで唯一の(・・・)《探知》持ちに注意される。あ、俺以外で。《探知》は結構集中力使う。しかも、そのとき無防備になるから、俺はいつもウォーターシールドを展開しながら使っていた。ソロが持っていても、危険が増すだけなスキルだと思わなくも無い。

 《探知》もMPを消費するが、知ってるかは分からんが、魔法職ですらMPが枯渇するなどという現象は滅多に起きない世界なので、彼は絶えず《探知》を使っている。そんな気を張らなくても良いのに。


 《探知》内に入っている魔物は少なくないが、襲ってくるかどうかは別問題である。例えば、Gランク依頼で倒すような、グレートディア、黒ウルフ、スタータートルは、基本襲ってこない。例外的に、群れで居る黒ウルフが襲ってくる場合があるが、俺が見た限りでは、群れも無いので、今回は無いだろう。

 他にも、人を襲わない魔物も当然居るわけで、そいつらも無視して良い。

 問題は、馬車を襲うような魔物だが、今のところ俺の分かる範囲内で13匹前後。


「4時方向から、3匹。群れのアイスモアだな。・・・厄介だな。」


群れという程でもないが、アイスモアは基本1匹なので、そういう意味では3匹でも十分群れと言えるだろう。アイスモア3匹は確かに辛いだろうな。


 使う道や、雇う冒険者などにも左右されるが、護衛人数は、20人。馬車の数が増える毎に更に5人ずつと言われている。

 しかし、商人からすれば、出来るだけ安い雇い金、できるだけ少ない人数の方が、利益が増える。

 理想は20人だが、現実は10人前後と言ったところが普通だ。

 今回はぴったり10人。馬車が一つなので、問題は無い。

 更に魔物と戦闘するのは、7,8割が理想とされるが、今回待機組は一人。つまり9人は戦う。


「事前に言ったとおりだ。《探知》持ちは、そのまま《探知》を頼む。パーティーは、4人と5人に別れて戦うが、それで良いな?」


リーダー格の男がそう言うと、全員が頷く。


「よし、では行こう。」


戦地は、《探知》持ちの声が聞こえて、尚且つすぐに馬車に戻れる位置がベストで、遠ければ遠いほど、戦闘被害が出ず、近ければ近いほど、戦闘中の魔物以外の魔物への対応が迅速になる。


 この世界において、個々の能力差は、スキルに顕著に現れるもので、ステータスは皆大体同じ。だから、純人族の場合、《一隻眼》で言えば、総合評価の差は、スキルで決まるわけだが、大体「C~F」と言ったところで、レベルが上がっても、ランクが二つ以上上がることは基本的に有り得ない。

 俺のステータスも、スキルを除けば皆と大差ない。スキルを除けば。

 ちなみに、「勇者」とか、「魔王」、「天使」みたいなのは例外的だし、そうでなくとも総合評価「B」なんて奴なら居る。稀有だが。


 俺がいるのは、5人パーティーの方で、巨漢である斧使いグードス、時折おれを馬鹿にする魔法兼剣使いレイ、なんと言うか少女っ気残る短剣使いフラルーテア、そして《回復魔法》持ちの回復師(ヒーラー)リスタレッカがいる。5人中3人が女性と言う、かなり珍しいパーティーだ。

 さらに、珍しいと言うなら、魔法主体の攻撃が一人、俺だけであるというのもそうである。


 近距離担当が多い訳だが、相手はあのアイスモアである。俺が異世界に来て、初めて会った魔物である。




アイスモアLv45

総合評価E

アイシングフィールドLv45

麻痺耐性Lv45

火傷耐性Lv45

氷結の石Lv45

狂気の一撃Lv45




厄介なことに、《アイシングフィールド》で足場を凍らせてくるため、基本的に魔法や魔術やアイテムを使って倒すべきだと言われている。《アイシングフィールド》の範囲が半径6mかそこらで、近づかなければ問題無いと言われているためだ。

 ちなみに、実際はスキルレベルによって半径が変わる。


「火炎弾使っとくか?」


俺が聞くと、全員が同意したので、火炎弾を投げつけた。


 いやー、持ってて良かった《投擲》スキル!


 ドーンという音と共に、アイスモアがよろめくが、ここで挫けるモアちゃんでは無い。


「クゥエエエエエェエエエ」


奇声を上げたところで、再び火炎弾をぶち込み・・・を続けていると、いつの間にか死んでいた。いやー、魔法?魔術?知らんがな。


「命中率が良いな。見ていて清清しいわ!わっはっは。」


グードスが笑う。


「今回は感謝だね。近距離戦では、活躍させてもらうよ。」


「ですっ!」


レイとフラルーテアが、宣戦布告してきた。いや、違うけど。まあ、任せろと言ってるんだから、甘んじよう。


「私の出番が無いじゃない。ないほうがいいんだけれど。」


最後はリスタレッカである。そうだな。怪我なんてしないほうがいい。


「解体するぞ。」


俺はできないんで、パスで。



 活躍したから面目躍如と言う訳ではないが、適材適所という言葉もあるから、解体はしなかった。その代わり、解体について、レイから色々教わったりした。


「アイスモアが最初の解体というのはね・・・。最初は黒ウルフとかでやった方が良いんじゃないかな?」


この助言に従って、アイスモアの解体には参加しなかった訳だ。ちなみに、俺達が一体倒している間に、4人パーティーは2体倒していたらしい。流石ベテラン冒険者。

 言ってなかったけ?4人パーティーの方はベテラン冒険者だよ?チートじゃないけど、いつもあのパーティーでやってるらしく、連携も恐ろしく良い。


 日が暮れる前に馬車を止め、夜営の準備を始めた。

 夕食は不味かった。黒ウルフよりは美味かった。


「護衛依頼って、こんな暇だったのかよ。」


「その代わり、どんな魔物が出てきても良いようにしておかないとだけどね?」


リスタレッカに言われて、なるほどと思ったが、大体の場合これなら、こんなに楽な仕事は無いだろうと思う。


「実際、アイスモア3体だって、普通だとかなり辛いんだぞ?ベテランが居たから助かったがな。」


グードスもリスタレッカの意見に同じようだ。確かに、アイスモアは戦い難い相手だが、それは飽くまで近接しかいないときで、魔法で戦えばかなり楽な部類に入ると思うんだが。


「魔術使えれば、楽に倒せるだろう。火炎弾は、流石に勿体無いとしても。」


「あー、その辺は、下手に魔術学校とか出てると、魔術ギルドに入る人の方が多いからってのも、原因かな?」


魔術学園なんてものがあるのか。そりゃそうか。あるわな。


「じゃあ、冒険者には魔術師が少ない?」


「それは――」


おそらく、「違う」と続けようとしたのだろう言葉は、殆ど同じ言葉に打ち消される。




「それは違う。魔術とは何処まで行っても、兵器。便利さと、危険を孕んだ、存在。」




《探知》しても見つからなかったということは、隠密系のスキルを持っているのだろう。少し緊張が走るが、この会話に入ってきた時点で、余り問題無さそうにも思える。


「わわっ。まさか、天使様ですか?・・・か?!」


「・・・フォークル。」


少し、緊張気味で、見ていなかったが、幼女だ。全体は、水色から紫辺りの色を基調とした・・・魔法少女?トンガリ帽子?そんな感じだ。絶壁だ。何がとは言わない。

 気を取り直して、《一隻眼》いってみよう。




名前 :フォークル=アルテミス=ルディエッカ

種族 :人族

年齢 :1,499

称号 :千年の魔女(魔法攻撃力+50%)

言語 :ホントル語、エルフィン語、テネル語、魔術語

状態 :良好

レベル:Max(100)

特性 :天使の輝き(全ステータス5%上昇)・天眼

HP :125万

MP :125万

力  :5千

防御 :5千

賢さ :11万5千

業力 ;9

素早さ:165

命中 :87


相互評価A+


SPスキルポイント:0


スキル枠 35/100

アルテミスLvMax(1)

天使LvMax(1)

魔術の源Max(1)

人化Max(0)

SP自動振Max(0)

詠唱短縮LvMax(10)

経験値上昇Lv23

飛行Lv4

天令Lv24

火魔法Lv57

水魔法Max(100)

地魔法Lv45

風魔法Max(100)

空魔法Max(100)

炎撃魔術Lv20

雷撃魔術Lv23

氷撃魔術Lv80

嵐撃魔術Lv20

天空魔術Lv12

治癒魔術Lv70

精霊魔術Lv0

恐怖耐性Lv20

麻痺耐性Lv49

状態耐性Lv60

自然回復Lv32

アイテム鑑定Lv56

人物鑑定Lv89

魔物鑑定Lv75

隠蔽Max(100)

危険察知Lv40

剣技Lv1

槍技Lv0

特殊単詠唱Lv40

魔導操作Lv22


控え





ワッツ?これで「A+」とか何の冗談だよ。確かに、前に会った奴らよりぶっ飛んでない気がするが。


「フォークル様は、何故ここへ?」


「ん、様は要らないけど・・・リンテル国王に伝えたい事があって・・・その途中。」


「一晩此処で泊まってくのか?」


「それができるなら、ありがたい。」


フォークルが、商人に許可を取りに行く。良かった。明日も居るなら、《スキルコピー》できるぜ。

 というか、魔術師の話がいつの間にか消えてるんだが・・・まあ良いか。




 翌日、朝起きて、とあるスキルを《スキルコピー》した後、そのスキルについてフォークルに尋ねてみて、面白い話を聞かされたりしたが、ここでは割愛するとしよう。

 フォークルと商人の馬車は、目的とする場所への方向がここから真逆であることもあって、朝に別れた。

 馬車とその護衛一行は、その後は何事も無く、隣の街まで辿り着き、護衛の依頼も無事完了し、俺は晴れてDランクへと昇格した。


 護衛パーティーと別れた俺は、コルネヴァとは一味違った町並みに、終始驚きながらも、屋台料理に舌鼓を打ち、観光旅行を満喫する。

 問題はその後で、俺が冒険者ギルドに行くと、がたいの良いおっさん数人に絡まれるという事件が発生し、《体術》スキルを一時的に限界まで上げて、なんとか逃げ切ることができた。

 慣れないスキルは使うものではないと思う。逆だな。スキルは全て使って慣れておくべきだ、か。


 色々あった隣町観光も、底が見えてきたので、帰りは適当な依頼をこなしながら、コルネヴァまで悠々自適に歩いた。途中、《剣術》や《体術》を使い、体が筋肉痛になり、微妙なところで(さいな)まれることになり、少しコルネヴァまで辿り着くのが遅れた気がする。

 ちなみに、コルネヴァから隣町まで、馬車で行けば7日、つまり一週間掛かるが、俺一人なら3日か4日ほどで行ける。

 そもそも、馬車が走れる道は、平坦で、魔物ができるだけ少ないところを選んで作られているため、遠回りになることが殆どだ。

 だから、逆に言えば、真っ直ぐ行けば、魔物は多いし、起伏も激しいが、早く着けるのだ。

 え?コルネヴァまで帰るとき誰と一緒だったのかって?一人だよ。いわゆる三徹ってやつ?いやあ、辛かった。


 コルネヴァに辿り着き、とある噂を耳にする。天使様が、リンテル国王に謁見したらしいと。それだけならまだ良いが、妙な噂まで立っている。


「帝国がまた戦争をするらしい。」


「リンテルが戦争を仕掛けられるらしい。」


上の二つを考えれば、帝国がリンテルを襲うということになる。


 さて、これは不穏な流れだな。



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