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擬似神装(クーかわゆい)

毎度のハカタです

タイトルがやる気無いと言われそうな今日このごろです



「はい?・・・はい。」


 私は不思議に思い、首を傾げますが、マスターの言うことです。何か意味があるのでしょう。 能力の無駄使いと言われかねませんが、《水帝の溢水(ヴァッテンフリュダ)》を使い、マスターの広い部屋にある全ての窓を全開にします。


 動くのが面倒だったからではないんです。ええ、決して。


「よし・・・。」


マスターがそう呟くと、《魔源陣》により、マスターを中心に魔力による方陣が描かれる。何枚も重なっている様に見えますね・・・。私を神精霊に至らせるぐらいですから、とんでもない程に魔力を持っていることは分かっていたのですが、それでも少し引くぐらいの量の魔力がこの一瞬で消費されている。一体何者なんでしょうか。純人族と言い張ってますが・・・。まあ、詮無きことでしょう。分かったところで何が変わるわけでもありません。


 風が起きました。《魔源陣》による方陣が完成した瞬間のことを端的に表すならば、こうなるでしょう。


 マスターを中心に、引き込まれるように風が巻き起こる。ベッドの上のシートがバタバタと煩わしく鳴り、花瓶が倒れそうになり始める。


 私が《水帝の溢水(ヴァッテンフリュダ)》を使い、クーが何がしかのスキルを使い、物が飛んでいくのを防ぐ。


 だから。


 だから、そちらにばかり気をとられ過ぎて。




 ――煌くもの達がそこに存在していることを知覚するのが遅れました。




 それらの中で、私が知っているのもは、半分程でしょうか。


 例えば、鉄製のグラディウス。

 また、蛇の装飾が施された、銅製のダガー。

 他にも、トライデント、ポール・アックス、モーニング・スター、クロスボウ、ショーテル、魔法の杖までなんでも御座れです。


 まあ、装飾を含めて全て金属製ですが。《錬金》と《鍛冶》を併用したんでしょう。


 中には、あってはいけない様な金属まである気がするのですが、おそらく気のせいという事にします。


 ――マスターですからね。


 というか、あの風は結局なんのために起きたんですかね。


「髪がボサボサですー。」


クーが何やら嘆いています。まあ、あれだけの風ですからね。


 ・・・ってぇ!なんでマスター、ブラッシング始めてるんですかっ!


 ここは色々突っ込む所でしょう!


「私も構って下さいっ!」


「あ?良いけど・・・。」


あれ?本音と建前が逆に?まあ良いです。マスターの膝の上でゴロゴロやってるクーにはムカつきますが、マスターの側に居ると、そんな気持ちもどうでも良くなります。


 しかし、やはり。


「で、何をしたんですか?」


もし、差支えが無いなら、あの超常現象に説明が欲しい。


「いやー、色々作ってみた。」


うん、まあ、それは分かりますよこの惨状(武器)を見れば。


「あの風にはどんな意味があるんです?」


「うにゃーんー?」


クー、貴方狐でしょう。なんで猫みたいな鳴き声してるんですか。というか、そんなあられもない声を出すほどマスターのブラッシングは気持ち良いですかっ!


 私もして貰いたいっ!・・・髪の毛すら水ですからね・・・。むぅ。


「ああ、あの風は副次的なものだから、別に必要であったわけじゃないな・・・。」


「「・・・?」」


クーも私も、理解ができずにキョトンとする。


「まず、俺の《錬金》が空気から色んな金属を生み出せるって所までは良いか?」


聞いてませんよ?!良くありませんよ?!クーも凄い顔してますよ?!


 まあ、マスターが空気から鉄を作り出したときに、予想は出来た事でしたが。


「・・・。例えばの話だが、湖の中心の水を一瞬で別の場所に転移させたとしよう。」


「はい?」


「にゃんごろー?」


クー、少し黙ってて下さい。


「そしたら、その中心は、水が無くなるよな?」


「はい。でも、すぐにまた水で満たされるんじゃ・・・?」


「にゃーんー。」


クー、怒りますよ?


「だから、そう言う事だよ。空気を鉄に変えたら、そこに空気が一時的に無くなっちまうだろ?だから、周りの空気がそこに入っていくのさ。水みたいにな。」


「なるほど・・・。」


「なるほどー。」


なんで今回だけ普通に喋るんですか、クー。


 つまり、純人族的に言えば、そこに空気がないのは可笑しいから、空気はそこに入っていくべきだということでしょう。在るべきものは在るべき所にと。


「まあ、意味が不明なのには変わりありませんね。これ、何の金属ですか?」


星月(イシルディン)という奴だと思う。」


伝説の金属ですよね?!ミスリルを特殊加工してできはずなんですけど?!ああ、マスターですもんね?!


「というか、思うって?」


「いや、実物とか見たこと無いし。」


「ちなみにこっちは何で作られてるんです?」


「ん?ああ、それはただの合金だぞ?《錬金》って合金まで出来るんだよなー便利便利。」


まあ、《錬金》で合金ができるのは知ってましたが、これ、何と何の合金なのか恐ろしくて聞けないんですけど。七色に光ってますけど?!


「希少っぽい金属を全部ぶち込んでみた。」


・・・聞かなきゃ良かったです・・・。そして、更に、好奇心から《万能鑑定》なんて試さなければ・・・。



天羽々斬(あまのはばきり)


耐久値:49800/50000

種別 :擬似神装

属性 :地・水・火・風・空・光・闇・神

性能 :攻撃力1

    炎・風属性付与

    氷結付与(1000%)

    麻痺付与(1000%)

    石化付与(500%)

    大出血付与(100%)


レア度S-


スキル枠 1/1


《コンダティオ》

 全ての状態に適応する。






可笑しい。何もかも全てが可笑しい。本当に見なければ良かったです・・・。


 普通に性能高い癖に、攻撃力1って何ですかね。その申し訳程度の自重要らないんですけど。もっと他に自重すべきところがあったでしょう。


 ちなみに、『状態:氷結』や『状態:石化』になると、ほぼ確実に死にます。ええ。動けなくなりますし、5分以内に解かないと、大抵の生物なら凍死しますから。

 まあ、その前に氷結を付与した敵に殺されるでしょうが。石化もそうです。


 後、『状態:大出血』ですが、その名の通り、どんなに小さな傷であろうと、血がダバダバ出る状態になります。グロ注意ですね。というか、この武器ロクな戦闘を想定していませんね。当てられたら戦闘終了じゃないですか。


 スキルももういいです。結論は同じですから。


「マスター、これは封印しましょう。使っちゃ駄目です。」


ということです。


「ん?ああ、別に使うつもりも無かったけどな。何処かに流せば結構な金に――」


「駄目です。絶対に持っていてください。でなければ今すぐ処分です!」


「そんなにヤバいか?」


「にゃんー?」


クー、貴方がこれほどまでに煩わしいと思った日はありません。排斥しましょうか・・・?


「ごろにゃんーっ!」


「どうしたクー?突然抱きついて?」


くっ。これではマスターに当ってしまいます。いえ、本気を出せば或いは。


「というか、イース。殺気が漏れてるぞ。」


「おっと、失礼しました。」


マスター、殺気とか感じられるんですね。当たり前ですね。・・・マスターだけでなく、マスターが住んでいたという村もかなり危ない場所に感じます。


 おそらく、村民全員が動いたら、神の1柱や2柱簡単に死ぬんじゃないでしょうか。


 そんな風に戦慄していると、気になる武器を見つけました。何だか、とても弱い感じのする武器です。魔術カードと一般に呼ばれているはずですが、未だ魔術の登録はされていないようです。それに、魔術カードと言いましたが、性能が似ているだけで、形状は全く別物のようです。



 スクロールと魔術カードの違いは、発動キーと規模にある。例えば、スクロールならば、なるべく大魔術を、即発動するためのもので、魔力を流し込んでしまえば、いつでも発動できる。

 魔術カードは小規模の魔術を、乱射することに焦点が当てられているため、発動キーを唱えて、同じ発動キーの魔術を一斉に発射するのに向いている。



 スクロールにしろ、魔術カードにしろ、マスターに必要なものでは無い気がするんですが。


「あの、マスター?この小さな奴は何に使うのでしょう?」


「ん?魔術カードっぽいのを模してみた。ほら、《魔導操作》っていうスキルで作れるらしいから。」


ああ、マスター。貴方はまだなにかやらかしていたのですね。


「でも、魔術カードなんてマスターには必要ないのでは?」


「ま、馬鹿と(ハサミ)は使いようってね。」


「はあ・・・?」


そこでマスターは一瞬にして、それに魔術を書き入れる。もう、何でもアリですね、本当に。


 そして、同じものを6つほど指に挟んで、一つ一つをあるL字型をした武器に入れていく。


「それは・・・?」


「ん?所謂トーラス・サーテイって奴を模して作ってみたんだが・・・。まあ、暴発しても《シールド》使えば問題無いしな。」


マスターが何やらレバーを引きながら、その武器についている筒の様なものを倒す。スイングアウトとか言うらしいですね。

 その筒の開いている部分に、先ほどの小さな魔術カード染みた細長いものを6つ入れて、またその筒を元の様に戻しました。


「クーもう大丈夫か?」


「はいー。有難う御座いましたー。」


髪の毛が直ったらしいクーが、マスターの膝の上から降りる。それと同時にマスターも立ち上がり、その武器を構えた。


「普通なら、鼓膜破れるとか、手が火傷するとかあるんだろうけど、対策はバッチリだぜ?」


そんな良く分からない事を言いながら、トリガーを引いた。


 ――パンッ


鈍い音と共に、何かが射出される。それに少し遅れて、マスターの「『守れ(デフ)』」という声が聞こえた。


「これは・・・。」


その射出された何かが、マスターの声に呼応して、魔術を展開した。その魔術は、射出された何かに引っ張られるように、飛んで行く。恐らく、あれは《空魔法》の『スカイ・シールド』なのでしょう。魔法や魔術じゃないスキルも、一応書き込めますが・・・。


「ありゃ?失敗した。ええっと、『解除(リリース)』」


そう言うと、既に窓から飛び出していた魔術が消える。失敗?あれで失敗ですか?


「魔弾が途中で停止するのを理想としていたんだが・・・まあ、これでも良いんだが・・・停止する術式・・・風を使うか。進行方向と逆に・・・いや、それだと周りの風が煩わし過ぎるし、効率も悪い・・・。」


ああ、その魔術カードに似た性能を持つのは魔弾と言うのですか。というか、止めたかったんですね。攻撃用に使うのかと思ってました。


「爆炎の術式を組み込んだから、超速くなってるしなあ・・・。」


もう、何をやっても驚きませんよといつも言っている私ですが、結局驚かされてしまうんですよね。ええ。なんですか『爆炎』組み込んだって。あの一瞬でどんな大魔術組み込んでるんですか。


 まあ、マスターのご気分がよろしそうなので、私としては、悪くないかな、なんて思ったりもします。


 でもマスター、改造に専念してご飯を忘れるのは・・・。


「はあ・・・。マスターですからね。」


私のマスターはとことん規格外な様です。






後々とんでもないことになります(笑)

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