100万、手に入れる為に
1月22日
目が覚め、ベランダでタバコを吸う。
それが僕の一日の始まりだ。
照りつける朝陽が眩しい。
空気が冷たくて、それでいて澄んでいる。
昨日の出来事は全て夢だったのではないかと思うほど、爽やかな朝だった。
しかし部屋に戻るとそこには
何本ものアダルトDVD(ナース系)と、使用済みティッシュが散らかっていた。
「夢なわけねぇか。」とため息混じりで現実に戻された。
その日はお昼からバイトだった。
しかし、もうバイトをするつもりはなかった。
何故なら100万円手に入れなければいけないからだ。
どんなにコンビニで働いても、5日間で100万は稼げない。
僕はバイト先に足を運び、店長に事情を説明して辞めることを伝えた。
何度も引きとめられたが、母のために半ば強引に辞めた。
「本当にすいません。今までお世話になりました。」
そう一礼し、倉庫から自分の制服とタバコ1カートンをカバンに詰め込み、足早にバイト先を後にした。
さあ、これからだ。
100万円、なにがなんでも手にいれて見せる。
でも、どうすればいいんだ、、、、。
ふとあることを思い出した。
以前パチンコをした際、一日で25万円勝ったことがある。
もしそれが5日間続けば、25万×5日だから、、、125万円。
125万!?
母を救えるどころか、25万円も手元に残る。
これだ。
これしかない。
これで母を救える!
余った金でハワイにも行ける!
ワイハーでパツキンのチャンネーとヤレルー‼︎
僕は胸を踊らせて、パチンコ屋に向かった。
~中略~
7万円負けた。
普通に負けた。
艶やかな街のイルミネーション、行き交う人の幸せそうな笑顔、賑やかな大学生集団
すべてを破壊したいと心から思った。
凍てつく空気が、僕の身も心も冷やした。
「クソが。死ねっ。てめーらなんてどうせ何も出来ねぇんだよ。俺はババアの手術代が必要なんだよボケ。てめーらとはちげえんだよ。」
路地裏を一人でぶつぶつと呟きながら、帰宅した。
「どうして僕だけ、こんな目に。。」
自分だけが不幸に感じた。
昔から僕は、悲観的な性格だった。
それが自分のダメなところだ。
凹んでいたって仕方がない。
母さんは辛い時も、笑顔を忘れない人だった。
そうだ。
辛い時こそボジティブシンキングだ!
「明日は絶対パチンコで勝つ‼︎」
希望とダッチワイフを抱いて、眠りについた。
つづく




