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始まり

処女作になります。

ので、おかしな点が多々見られると思いますが暖かい目で見てやって下さい。

誰もいない廃れた街。

そこに一つの人影があった。革ジャンに白いシャツ、Gパンを履いた白い髪の二十歳前後の青年。

その青年は電話で話している。


「今回の仕事は目標建築物の奪還。そして占拠していたテロリスト共の始末だ。いけるな?」


「ああ。晩飯、楽しみにしてる」



それだけ言うと電話が切れた。

青年はフフッと笑い携帯をポケットに入れた。


この街はある事件……戦争をキッカケに荒れてしまった。

当時の住民達はとっくに避難し、今ここにいるのは犯罪者ばかりなのだ。


青年は傭兵兼便利屋をやっていて、ある依頼を受けてここにいる。

その依頼というのはこの街にある建物に重要な物があるらしく、それをテロリスト達に発見される前に建物を奪還してほしいというものだった。

だがこの青年、武器など一切持っていそうな格好ではない。ていうか持っていない。



「さて、いくか」



青年は廃ビルのドアを蹴っ飛ばした。








「ボス!大変です!」


「何だ騒々しい」



テロリストの一人がボスと呼ばれた黒いコートを着た男に言う。



「襲撃です!それも相手は人間じゃありません!」


「何……?」


「おそらくはクロウかと!」


「チッ…、サイコ共か……。それで、数は」


「そ、それが………、1人です…」


「は……?」



ボスは呆気にとられた。

いくら特殊能力を持ったクロウとはいえ、1人でテロリストに………そもそもこの街に来ようと思うはずがない。

よほどの自信家か救い様のない馬鹿かと考えていた。

その瞬間、周囲の壁が一気に崩れた。



「なッ……なんだ!」



ボスはあわてて拳銃を握り周囲へ向ける。

するとコツ…コツ…と足音が聞こえてきた。

音のする方へ拳銃を向けるとそこには1人の青年が。



「て、てめぇが襲撃してきたクロウか⁉︎」



青年は何も言わず右手を前へ出した。

その瞬間辺り1面は炎に包まれた。



「なんだよ……これ…。おいマルク!」


「は、はい!」



マルクは怯えた顔のまま情けない声で返事をした。



「お前もクロウの端くれだろ! なんとかしろ!」


「む、無理です!こんなの見たことありません!」



2人が押し問答している間に炎が手の形をして迫ってきた。

周りのテロリスト達はもう焼けこげている。

そして最後の2人も炎の手に掴まれ、灰になった。











テロリストを排除して1時間後、近くで待機していた依頼主の部隊がきた。

そしてそこには先ほどの電話の女性、アルバートがいた。



「リオン、依頼は達成だ。よくやってくれた」


「連中の中にはクロウもいたようだ。能力を見る前に死んだが」


「テロリストに……?だがまぁ、たかがクロウごとき、レイヴンのお前なら瞬殺だろう。……帰るぞ」



アルバートは腰まで伸びた長い黒髪を翻しヘリへと向かった。

そしてリオンも彼女に続いた。




「しかしその青年、一体何者です?ただのクロウではありませんな。たった一人でテロリストの掃討なんて」



ヘリに乗ると依頼主が聞いてきた。



「レイヴン……と呼ばれた者をご存知ですか?」



アルバートが気怠そうに、だが少し嬉しそうに答えた。自慢の息子を紹介するように。



「レイヴン… あのレイヴンですか!?」


「そうです。あのレイヴンです。かつて旧世界の支配者として君臨していた新人類……。彼らは破壊者と呼ばれていましたが」


「殲滅されたのでは…」


「全員が死んだわけではありません。現に彼は生きています」



そう言って横に座っているリオンを見た。

リオンはずっと窓から景色を見ていた。



「なるほど……。しかし良かったのですか?私に話してしまって」


「私とて誰かれ構わず言っているわけではありません。あなたは信用に足る人物だと判断したから話したのです。それにあなたには知ってもらっていた方が何かと楽ですしね」



そう言ってアルバートは不適に笑った。



「例の件……、頼みましたよ?」









2人は家……というよりは基地のような場所に帰ってきた。

彼らは王国とは少し離れた島に住んでいる。もとは軍事基地だった(であろう)建物を改築して今の住処にしている。住んでいるのは3人だけ。リオン、アルバート、そしてもう1人。



「テロリストを相手にしてた割りには早いご帰還だな」



出迎えたのは黒のジャージを着た、腰まで伸びた長い黒髪がアルバートに似た男。

顔は女にしか見えない、俗に言う男の娘というやつだ。彼が3人目の住人、ルーク・マーガロイドだ。


リオンとアルバートは近くのソファに腰をかけた。

アルバートが当然だといった顔で言った。



「たかがテロリスト程度に大して時間がかかるわけないだろ」


「それもそうだな。それより、晩飯はどうする。僕が作ろうか?」


「いや、私が作ろう」



アルバートはソファから立ち上がり、キッチンへ入っていった。



「それより、聞いたかリオン」


「何をだ」



眠そうに座りながら返事をした。


「連中がまた動きだした。……多分お前狙いだりうな」


「そうか… それは楽しみだ。すごく。すごく楽しみだ」



リオンは嬉しそうに笑っていた。












「あ…言い忘れてた」



食事中、アルバートが思い出したようにつぶやいた。



「どうかしたのか?」



ルークが尋ねる。



「リオンには明日からクリフォード学院に行ってもらおうと思っていてな」


「クリフォード……?ああ、あのクロウ養成所か」



ルークが苦い顔で言った。

リオンも珍しく驚いた顔をしている。



「実は今回の依頼主がクリフォードの関係者でな。お前の実力を見て是非来て欲しいとのことだ」


「クロウ養成所にレイヴンを入れるのか……」


「報酬も出るし、細かい学費等も全てだしてくれるそうだ。そしてこちらの都合を優先してもいいらしい。……お前は実年齢はともかく、見た目は十分学生に見えるからな」


「まぁ、確かにな…」



ルークがなるほどといった顔で頷く。



「そういうわけで、だ。頼んだぞリオン」


「それが仕事なら……」



リオンは渋々、了解をした。



「手続きはもう済ませてある。明日の朝、学院側から迎えがくる筈だ」


「わかった…」



まだ納得できていない表情だった。









「初めまして。私はあなたのクラスの担任のフラン・ハルシオンです」


「リオン・パトリオットだ」



ヘリから降りてきた金髪ボブの女性と握手を交わす。やや幼さが見えるが大人に見えるには見える。

そのままヘリに乗り、近くの座席に座る。ちなみにあの2人は作業中の為、ここにはいない



「しかし、絶海の孤島に住むなんて……粋なことをしますね」



フランの言葉にリオンは何も言わない。フランはそのまま言葉を続けた。



「先に聞いておきますがクロウのことはご存知ですね?」


「………レイヴンの模造品」


「確かにそうですが…… ま、まぁいいでしょう。あなたにはクロウとして素晴らしい素質があると聞きましたが…」



フランの言葉に首を横に振る。全く喋らないリオンにフランは嫌われてるのではないかと戸惑った。



「と、とにかくですね、学院についてからあなたには編入試験も兼ねた模擬戦をやってもらいます」


「編入試験…?」



リオンが喋ったことに安堵したのか一瞬顔が緩んだが、すぐに引き締め直した。



「はい。1番の目的はあなたの実力を図る為ですが」



リオンは何も言わず外を見た。

それからはお互いに言葉を交わすこともなくただ、窓からの景色を見続けた。









「以上、今件の報告となります」


「ご苦労。下がれ」



豪華な大きめの椅子に座った白い長髪の男は深い溜め息を吐いた。

そして横にいた男に話しかけた。



「レイヴン……。ヤツか」


「ええ、そうでしょうね」


「………クリエイド、飛んでもらうぞ」



長髪の男は立ち上がり、クリエイドの目を見た。

クリエイドは笑って言った。



「ええ。必ずヤツを消してみせますとも」



そう言ってクリエイドは姿を消した。




次話から学院が舞台になります。

なのでキャラ設定もどこかでわかりやすくしておこうかと。

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