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しんぽがない

 「今日はどれくらいパソコン触りたいんや?」

 「晴はどれくらいしたい?」


 天連先生の問いに答えるために晴に問いかける。


 「う〜ん。2時間も見れれば満足かな」

 「なら2時間でいい?紅羽、姫」

 「うん、ええよ」

 「いいんじゃない?」

 「ほな2時間ってことでええな?ちょっと私は仕事残ってるから前みたいに時間になったら戻ってくるから好きに触っといて」

 「ブーブー、天連先生また行ってまうん?」


 ちょ、晴何つっかかってんの!?別にええやん。


 「まぁそう言うなや。この時期は結構忙しいんやって。それに私がおっても何もすることないやろ?」

 「え〜、先生と仲良くしたいじゃ〜ん。ね、稟?」


 ぇ!?私?


 「ぇ、えと、うん。」

 「ほら〜稟もこう言ってますし」

 「あ〜、今日はホントに仕事残ってるから。悪いな、次回は私も残ってやるよ。でもあれだろ?柊が私と仲良くなりたいなんてどうせ成績を良くしてもらえるかもとか考えてんやろ?私はそんなことせえへんぞ?」

 「ぐっ」


 天連先生も流石やな。もう晴のことわこてる。


 「ほな行ってくるわ」


 天津先生も出て行きパソコンも予め起動させていたので早速3人がネットの世界へ旅立って行く。


 私は何しようかな。とりあえずアセンブリとCくらいはこのパソコンに導入しとくかな。


 ネットから適当なコンパイラを落として解析する。


 ふーん、ほとんど改良されてないんやな。ダメダメやん。確かに問題はないけどもっと良いもん作ろうとは思わんのかな。ハードは凄い進歩やけど思っとった通りソフトフェアは遅れとるんやな。しゃあない。まぁ2時間あればなんとかなるやろ。


 cmdを呼び出してテキストエディタを起動、コンパイラのコードを打っていく。1時間くらいかけてコードを書き終えてからは見直しながら頭の中でデバックする。


 3人はその間ずっと画面に齧り付いていた。やっぱり3人ともファッションとか好きなんやな。


 デバックを終え導入してから簡単なプログラムを書いて作ったコンパイラに通して実行してみる。


 うん、バグもないし大丈夫やろ。今日はもうええや。


 チラッと紅羽の見ている画面を覗くと結構ファンシーな服の画像が並んでいた。


 「紅羽もこんな可愛い服着たりすんねんな」


 この系統に服を着ているところ見たことなかったし意外やな。


 「うん?あ〜、ちゃうちゃう」

 「?」

 

 意味がわからず首を捻る。


 「稟に似合う服考えて色々見ててん」

 「ぇ?」


 いやいや。こんな可愛い系の服私に似合う分けないやん。


 「何言うてん。こんな服着てもうちに似合うわけあらへんやん」

 「え〜、絶対似合うと思うよ?そもそも稟に似合わん服なんか無いんやない?」

 「いやいや、何時も言っとるけどそれ紅羽だけしか思ってないから」

 「そんなことないって。なぁなぁ燈、晴ちゃん」

 「どうかしたの?」

 「なになに?」


 2人が画面から目を離しこちらに振り向いた。


 席は私の右に紅羽、前に姫、その右には晴が座っている。


 「ちょっとこれ見てくれへん?」


 紅羽に言われて姫と晴が紅羽のパソコンの前まで回って来て眺める。


 「この服絶対稟に似合うやんな?」

 「そうね〜。お人形さんみたいに可愛くなるんやない?」

 「絶対似合うでしょ、まぁあたしが言っても何の説得力もないかもだけど〜」

 「ね、稟?」


 いや、ね?て言われても。


 「3人がたまたまそう感じただけやん」

 「もうホント稟は変なとこで頑固というかニブチンというか」

 「紅羽には言われたないわ」

 「はいはい」

 「ばかにしてない?」

 「してないしてない。で、そういうわけやから今週の土日に服見に行かへん?」

 「そういうわけってどういうわけ?」

 「燈と晴ちゃんもちょうどいいし行かへん?」


 え?無視?


 「行く!」


 晴が間をおかず答える。


 「姫も行くよね?」

 「そうやね、用事も多分無いし」 


 晴の娘言葉に姫も頷いた。 


 「稟も今週はええよね?」

 「うん、多分」

 「ほな土日のどっちがええかな?」


 う〜ん。どっちやろ。


 「私は土曜がええかな」

 「あたしも土曜かな〜」


 姫の言葉に晴も同意する。


 「稟はどう?」

 「うちも土曜でええよ」


 別になんかあるわけやないし。


 「じゃあそういう感じで」と紅羽が締めた。



 「どんな感じや?」


 ドアが開き天連先生が戻って来た。


 今回もグッドタイミングやな。前もそうやったし見計らってんのんちゃうやろな?


 「ちょうどキリいい感じなんで大丈夫です」

 「そか。ほなパソコンの電源落として解散しよか」

 

 紅羽の返答に先生は頷いて解散を促す。






 そのままこの日の部活は解散することになった。


 あれ?もしかせんでも結局あんな服着なあかんことになってもた?



アセンブリとCというのはプログラムを書く時に使う言語(プログラミング言語)のことです。


コンパイラと言うのは大雑把に言うと上のようなプログラミング言語で書いたものを機械語(0と1で書かれた機会が読み込める言語)に変換するものです。


テキストエディタとは文字を書き込めるツールのことで、有名なものではWindowsではメモ帳、Macではテキストエディットがあります。


cmdとはコマンドラインと呼ばれたりもするもので、マウスなどでクリックしたりする動作なども全部コマンドをキーボードで打ってパソコンを動かすツールのことです。



上は大雑把に書いているので詳しくは若干違うのですが、興味ある方はネットで調べてみてください。

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