ぶのかつどう
授業を終えて情報教室まで行くともう天連先生が待っていた。
「お、来たな。とりあえずそこの4つの席に座って」
私達は荷物を適当な所に置いてから言われた席に座った。
「これからお前たちに使ってもらうのは目の前にあるその4台のパソコンや。やっぱり授業で使うのと同じのはやめた方がいいと思うから授業では使わんでもすむその4台をちょっと他のと離しといたから今日から放課後は好きに使てくれたらええしな。とは言っても壊してまうようなことはせんように。何か質問は?」
紅羽が私達の顔を見回す。別に質問はないので頷く。他の2人も頷いたことを確認してから紅羽が答える。
「ないです」
「ほなちょっと私は用事あるから席外すわ。5時半には戻ってくるからそれまでは活動の時間ってことでいいか?部長」
「はい」
「ほなちょっと行ってくるわ」
「さて、今日の活動はどうする?稟」
「初日やし好きにパソコン触るってことでええんやない?」
「うん、じゃあそれで。燈も晴ちゃんもそれでええ?」
「うん、大丈夫」
「オッケー」
そんな感じで初日の部活動が始まった。
早速パソコンの電源を入れて立ち上げる。3人も電源を立ち上げたみたいやな。やっぱり理系の学科来るぐらいやしちょっとは触れるんやろな。
立ち上がったら早速パソコンのスペックや状態を確認する。OSはXPでメモリは512・・・って一般モデルでこれって数年ですごいな。CPUも平気であれやし。とりあえずOSのこと調べるかな。
XPって何?状態なのでネットでOSやその他の気になることを調べていく。
なるほどな。とっくに次のOSも出てんねんな。ダメOSみたいやけど。Macはダメダメみたいやな。ipodは人気やのに。さてと、ほなこのOSちゃんの中身拝見しましょか。
OSのバイナリを開き解析していく。ほお、こんなコードいっぱいあんのか。リアルタイムカーネル形式に置き換えようと頑張ってるふしはあるけど汎用化にウェイトかけすぎてダメみたいやな。確かに天才コードやけどプラスプラスで作ってきてるから無理が出てきてるな。
他のOSも見てみようとネットからLinuxのオープンスージとubuntuをダウンロードしてそっちも解析する。へぇ、こっちはかなりシンプルに作ってオブジェクト指向できれいに纏めてるんやな。まあでも完成度としてはやっぱりフリーOSな分低いかな。
「稟〜、もうそろそろ先生戻ってくる時間やけどキリはどう?」
紅羽に呼ばれて目線をディスプレイから離し声の方に向ける。
「ちょうどええかな」
「そか、ほな先生戻ってきたら終わりでいいかな?」
頷く。
「あ〜、久々にネットサーフィンできて満足!」
「だね」
姫と晴がそろって伸びをする。ほんまに姉妹みたいやな。
「どうや?皆まだ続けたいか?」
いいタイミングで、というよりも紅羽の読み通りのタイミングで天連先生が戻ってきた。
「もう大丈夫です」
紅羽が代表して答える。
「ほなもう鍵閉めてまうし皆は電源落として解散で」
電源を落として皆を見ると全員準備OKのようだ。
「先生ありがとうございました。また来週もお願いします」
紅羽すごいな。社会人ばりやん。
「活動日はどうする?毎日?それとも週1?」
「稟はどれくらいがええん?」
「ウチはなんでもええで。紅羽らはどうなん?」
「ウチも稟に合わすで。燈と晴ちゃんは?」
「私は週2で満足かな」
「あたしもそれくらいでいいかな。帰り遅くなると・・・勉強もやばいし」
「そっか。先生、週2で大丈夫です?」
先生は少し考え込んでから口を開いた。
「ほな火曜と金曜の放課後が活動でどうや?」
確認の目線を送ってくる紅羽に私達は頷いてかえす。
「はい、それでお願いします」
「じゃあ今度の活動は来週の火曜ってことで、解散。気ぃつけて帰れよ〜」
『ありがとうございました』