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くれはとはじめてのあさ

 〈ピピピ、ピピピ、〉


 目覚ましの音で目覚めた。


 目覚ましを止めてから体を起こす。


 「んっ」


 いつものように伸びをすると意識がかなり覚醒した。


 ふと昨日のことを思い出して顔が赤くなってしまった。


 まず紅羽の風呂上がり姿だ。火照った体と顔がなぜか高校生とは思えないくらい色っぽかった。胸も私より少し大きいくらいやのに。


 しかも服がかぼちゃパンツにシャツというラフな服なので手足の露出も半端じゃない。そんなこともあり慌ててお風呂に駆け込んでしまった。でもいざお風呂に入ると紅羽が今まで入ってたってことが気になって仕方がなかった。あんな姿見たばっかやったし。


 湯船に浸かるときが一番のドキドキだった。紅羽が浸かってたとか思ってしもて気が気じゃなかった。でもそのうち女の子相手に何故かドキドキしてる自分に気づいて悶絶。そうしているうちにのぼせてきたのでお風呂から出た。脱衣所から出ると母さんにすでに紅羽は寝たみたいだと言われ、顔を会わさなくてよいとわかりほっとした。


 胸の高鳴りは冷蔵庫から牛乳パックを取り出してコップに入れてチビチビと飲み終わった頃にやっと落ち着いた。


 昨日はそのあとなんとか無心を心がけて眠りについた。




 っと、こんなこと考えてる間やない。朝ご飯作らんと。


 ベットから抜け出してパジャマを脱ぐ。タンスからシャツを取り出して着る。次にクローゼットから制服とベルトを取り出した。上着は一旦ベットに置いて長めのスカートを履いた。ずり落ちないようにちゃんとベルトも付ける。そして最後に上着をきてスカーフを結んだ。


 立て鏡を見る。制服姿の自分を初めて見た。うん、・・・着慣れてない感じが全面に出てる。っとこんなことしてる間やない。


 下におりるといつものように歯を磨いて顔を洗う。最後に髪を軽く整えて完了。


 台所に行くと最近母さんが買って来てくれたエプロンを付ける。制服が汚れんようにとか言って買って来てくれた無地のクリーム色のものだ。


 ご飯は昨日寝る前にセットしてあるので大丈夫なのでみそ汁をいつものように作る。ちょっと具を多めにして味も気にしたけど。


 魚もちょっと豪華にめばるを3匹コンロに入れて焼く。


 「おはよう」

 「おはよ」


 台所に入って来た母さんと挨拶を交わす。どうやら歯磨きは済んでるらしい。その後直ぐに紅羽も台所にやってきた。


 「おはようございます」

 「「おはよ」う紅羽ちゃん」 


 ちょっと髪の毛がはねている。


 「紅羽ちゃん、新の歯ブラシも洗面所に置いてあるし先に歯磨いて顔洗って来てね」

 「あ、はい。ありがとうございます」


 紅羽が洗面所に向かった。


 「歯ブラシ、あんたんとお揃いにしといたから」


 母さんがニヤニヤと言ってきた。


 「もう、やめてや」


 母さんにも手伝ってもらって料理を机に並べる。


 「すみません、なんも手伝いませんで」


 紅羽が並び終えると丁度台所に入って来た。髪はバッチリなおっている。化粧はまだのようだ。すっぴんを初めて見たけどものすごく可愛い。化粧いらへんやん。


 「紅羽も座って」


 3人とも昨日のように席に着く。どうやら定位置が決もてしまったみたい。


 「これ稟が作ってくれたん?」

 「うん。朝は基本うちが作るからずっとそうなると思う」

 「ホンマに!?ほな毎朝稟の料理食えるんやぁ」


 紅羽が大げさに感激している。そんな喜ぶことなん?


 「稟、紅羽ちゃん。そろそろ食おや」


 微笑ましそうに私たちを見ていた母さんが時計をチラッと見て言った。確かに母さんの出勤時間が迫っている。


 「ほな」


 『いただきます』


 今回はちゃんと3人そろって言えた。着実に紅羽がうちに馴染んでいっている。知らん間に母さんとも仲良うなってるし。


 「稟、凄い美味しい」


 一口食べるや紅羽がわざわざ感想を言ってきた。


 「ぁりがと」


 恥ずかしくて声が小さくなってしまう。


 「でもそんなでもないやろ?」


 あんまし料理に自信ないし。 


 「そんなやよ。ご飯食べるんが1人やないし稟といっしょやし稟の手料理やし、美味しすぎや」


 ぅぅ~。紅羽と話すたびに恥ずかしさに心の中でうめき声を上げてる気がする。


 そうこうしているうちに母さんが食べ終わる。


 「ごちそうさま。ほな私は先に行かせてもらうわ。2人とも遅刻はせんようにな」


 母さんは言うやすぐに食器を片して部屋へ戻るとすぐに出かけていった。



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