承諾
「遅れたけど・・・俺の名前は篠崎 優介
これからよろしくね、セレンさん」
「さん、はいらないよセレンって呼んで」
「わ、分かった。
じゃあ、俺のこともユキヤって呼んでね
あ、あと敬語もいらないから」
「うん! わかったよユキヤ!」
しばらく考えた結果、『エンクエ』に協力することにした。
そもそも、本当に後悔しないつもりでここに来たのだ。
迷惑しかかけていないニートが、ほんの少しでも何かの役に立てるのなら、
こんなどうしようもない奴でも、やってみてもいいだろう。
罪滅ぼしの気持ちもあって、セレンに承諾すると、見たことのないくらいの笑顔で喜ばれた。
「で、でも・・・自分で言うのもアレだけど、
人間としては本当のクズだよ?
・・・本当に俺なんかに頼っていいの?」
そういうとセレンはにっこり笑って
「・・・本当にだめな人は自分で自分のことをそんなにつらそうに
クズなんていいませんよ」
だから、大丈夫です! と言ってくれた。
そう面と向かって言われると、めちゃくちゃ照れる。
しかも相手が見たこともない美少女だったらなおさらだ。
「ふふっ…じゃあ、準備に入りますね。
コレをみてください」
そういうと、セレンは空中に、よくSFで見るような光だけのディスプレイを表示して見せた。
その画面の中には色んな選択肢と、俺の顔がうつっていた。
まるでゲームの設定画面のような感じだ。
「…なんだこれ?」
「それはいまのユキヤの能力値。
エンジェルクエスト会社が総計して作ったパロメーターだよ。」
そういわれてみてみると、色んなデータがあった。
体力、精神力、忍耐力、性格・・・・
自分でも驚くほど低かった。
いや、でも何年もニートやってたらこんなもんなのか。
「エンジェルクエスト…略称エンクエ。
一方的に善意をもらうだけじゃなくて、人間側にもちゃんとメリットがあるの。
例えば…」
セレンの白い指がディスプレイを操作する。
すると、急に体が軽くなった。
「おおっ!? なんだこれ!?」
「いまのは、サトシの身体能力を上げたの。善行をするたびにポイントがもらえて、
こうやってその人にポイントとして能力とかを上げることができるの。
例えば・・この料理スキルとかね」
おおっ! まじで!?
「じゃあ、善行を積み重ねてくたびに何かしらメリットがあるってことか?」
「そうだね。でもそうそう簡単にポイントってたまるもんじゃないし、
善行はクエストとしてこっちから頼む場合もあるけど、そんなにポイントもらえるクエストってないからね」
「つまり、一気にめちゃくちゃもらえるクエストもあるわけなんだ?」
「うん、こちらの基準で言うとS・A・B・C・D・Fってなってて、Dが10ポイント単位、Fが1ポイント単位って感じ。
もちろん、AとかBとかはもらえるポイントはすごいけど、そのぶんかなり難しくて、一生かけても叶えられないクエストとかもあるけどね」
なるほど、じゃあそこそこな善行を積んでいって、コツコツ貯めていくのが一番ってことか。
いや、でも善行っていったってそうそうできるものなのか?
ゴミ拾いぐらいならできるかもしれないけど。
「それについては、たまにこっちから指示をだすよ
クエストがあるときは、ユキヤの携帯に連絡するから」
「なんていうか・・・本当に仕事みたいな感じだね」
「あと、能力はランダムでえらばれていくから、あんまり期待しないほうがいいかも」
なるほど・・・なにもしなくても定期的にクエストの形で、連絡がはいるのか。
上手いことやるなあ、天使さん。
「それと・・・・最後になんだけど・・・・」