7
最後に観覧車くらい乗って帰ろうということになって、4人全員で観覧車に乗った。特別高くもない観覧車は、それでも景色が良かった。
「そういやシオンはさー、続けるの?部活」
窓の外を見ながら、リナが興味なさそうな声で言う。リナの隣で景色を見ていたユウは、春彦の方を一瞬だけ見て、景色へと視線を戻した。
「…そうだな」
呟く春彦に、レキがいつものようなおどけた口調で言う。
「ま、もし部活に来なかったとしても、俺は勧誘し続けるね」
「うっわー、レキそれストーカー」
「うっせえ」
「俺は…」
レキのリナの声をさえぎって、呟くように言った。
「もうしばらくここにいようかな」
それを聞いたレキとリナは一瞬茫然とした顔をして、それからにんまりと笑った。ユウは相変わらず大して興味なさそうに窓の外を見ているが、春彦が発言したその一瞬だけ、春彦の方を向いていた。
「そんじゃ、ま。改めまして」
レキが明るい声で続ける。
「ようこそ自殺部へ!!」
レキが両手をあげた反動で、ゴンドラが揺れた。皆で「危ないな」と笑った。
そう、少しだけ。少しだけここにいるのも、悪くないかもしれない。