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配信者


スライムが食べられるらしい。


画面にそんな話題が流れてきた。

別に珍しくもない。

ダンジョン産の食材なんて、今さらだ。


《干物にしたら酒に合う》


そこで、指が止まった。


スライムを干物にしたら食える?

しかも、するめみたいになる?


……うまそうじゃないか。


一度閉じた画面を、もう一度開く。

細かい話はどうでもよかった。

味の方向性だけで、十分だった。


刃物と袋を出す。

使い慣れた道具だ。

床に並べて、数を確認する。


ここまでやってから、配信をつけた。


「記録用。

 あとで自分が見るやつな」


少し間を置いて、続ける。


「スライム干物。

 酒のつまみになるかどうか」


視聴者数は見ない。

見ても変わらない。


「なるなら勝ち。ならなきゃ二度とやらない」


言い切ったあと、特に考えることもなく準備を続ける。


「コメントで無茶言うなよ。今日は持ち帰りまで」


それだけ言って、道具を袋に入れた。


魔石は金になる。

それも知っている。

だからダンジョンに入る理由には困らない。


装備を確認する。

今日は深追いしない。

入口を見て、それで十分だと判断した。


「帰ってから飲むからうまいんだよ」


袋を肩に掛ける。

重さは大したことがない。

軽い仕事になる予定だった。


「まあ、スライムだしな。

 するめ系なら、外しても笑える」


配信は切らない。

切る理由もなかった。


「じゃ、行ってくる。

 生きて帰れたら、乾杯までやる」


そう言って、ダンジョンへ向かった。


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