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ゆめでんしゃ  作者: 時の凛


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18/24

18. 二人の道-1

俺はゆっくりと目を覚ました。

正面の窓には相変わらず水平線しか見えない。

どうやら寝ていたみたいだ。

となるとさっきのは夢だろうか。

蓮と紬……なんでそんな夢を見たのかははっきりしない。


「目覚めましたか。」

隣から声がする。

隣のお姉さんの肩に頭を預けて寝ていたようだ。

驚いて顔を向けると、綺麗なお姉さんがいた。

見た目的には大学生か、大人か……とりあえず若かった。

長い髪に赤いリボン。

白い着物を見るに、巫女さんの服のようだった。


「いかがですか? お気分は。」

お姉さんが優しく声をかけてくる。


「はい、大丈夫です。ところでお姉さんは……?」


「私? うーん、まだ思い出せないか……。」

お姉さんが少し寂しそうに肩を落とす。


「旅の途中だし仕方ないのかな。」


その言葉の意味は、今の俺にはよくわからなかった。


「もう少し君の旅は続くよ。旅の最後には私のこと分かるかもね。」

そう言うと彼女はゆっくりと立ち上がる。

ちょうどその瞬間、電車は静かに駅に停まった。

コツコツと足音を立てながら彼女はドアに向かう。

「またね、○○○○。」


手を振ってホームに消えていく彼女。

その背中を見送ると、なぜか胸の奥がぎゅっと締め付けられた。

何か知っていそうだったのに、何も聞けなかった。

この電車のことも、夢のことも。

結局は何もわからずじまいだった。

でも、確かに「最後」があることは知れた。

どこまで乗ればいいかわからないけれど、ただ乗り続けていればいいのだと、自然に理解していた。


か細いアナウンスが流れた。

「ドアが閉まります。」


ゆっくりとドアが閉まる。

そのとき、急に駆け込む音が響いた。

三つ編みに赤いリボンを結んだ女性――間一髪でドアに滑り込んできた。


「はぁ……はぁ……ぎりぎり間に合いました。」

息を切らしながら女性はそう言い、そのまま自然と俺の隣に腰を下ろした。


見た瞬間、今まで乗ってきた3人――巫女姿の女性や、夢に出てきた少女たち――とどこか面影が重なることに気づいた。

この子も、“紬”だったりするのだろうか。


「思った以上に混んでてね。走ったから喉乾いたよ~」

彼女は馴れ馴れしく、自然に話しかけてくる。


「そっか。間に合って良かったね。」

そう返すと、女性はきょとんとした。

まるでそんな返しが来ると思っていなかったかのように。


「ねぇ、そろそろ思い出してきたんじゃないの? 自分のこと。」

突然の質問に、俺は少し戸惑った。


「わからない。でも……もう少しでわかりそうなんだ。」


「そっか。じゃあ、思い出せるようにこの私がお話をしよう。」

彼女は胸を張って言った。


「うん、頼むよ。」


深呼吸をして、彼女は語り始めた。

最初は静かに、ゆっくりと。

だが、次第に声に熱を帯びていく。


「蓮と紬の話ね……」

彼女は遠くを見るように目を細め、ゆっくりと話しだす。

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