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偽神〜every night Memories〜  作者: 徘徊猫
第三章 織られゆく運命の物語に

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理由は空虚に溶けて

 徐々に頭が混濁してきて、目の前の光景も嘘か本当か判別がつかない。

 ただ、冷たく暗い闇の中へと体は沈んでいく。



 一つの声がその暗闇から響き渡る。

 それは私の声で語りかける。

 ──どうして彼女を守ったの?

 「仲間……だから……」

 言葉すらも徐々に紐解けてゆくように記憶から消えていく。そうなりたいと思った願いも、思い出も全てが溶け出してゆく。


 ──どうして彼女を仲間と思ったの?

 夢のような心地で、それでも心に潜む熱が光を示してくれる。

 「きっと、隣にいてくれたから、よ」

 辿々しくても、その気持ちだけは手放したくない。


 ──なぜ君は彼女たちの仲間でありたいと思うの?

 沈みゆくのは生まれた深淵。けれど、ここには何の温かみもない。冷たさだけしか残らない。

 「人として、歩むために」

 胸に手を当てて、大切なものを最後まで留めようとも、不意に消え去ろうとする。

 「いずれ、失っていくかもしれない痛みを、知っているから……」


 ──どうして人を愛するの?

 空になってしまった心を、器が埋めようとしても空虚ばかり。

 


 何を大事にしていたのかという理由すら忘れて、ただ鏡の破片のようなものが映し出す景色を見つめる。

 瞳の中に映るのは、既に遠い場所から振り返る彼らの姿だった。

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