灰燼に帰す
どうか皆さん、聴いてくださいますか。
これは血で塗られた王国で起きた悲劇の物語を。
かつて不毛な大地に一人の人間が仲間を率いてやってきました。今ではどんな姿であったのか定かではありませんが、彼は後の世でこう呼ばれています。建国王と。
かといって、最初は彼に特別な力は何もありませんでした。そこは将来にわたって黄金を象徴するような都市ではなかったのです。ですから、彼らは知恵を振り絞って現地に住む竜で土地を耕すことにしました。彼らは不毛な地にあっても頑丈な体躯と屈強な力がある。それを頼りに、小さな村は町に、町は都市へと少しずつ移り変わることになりました。皆様はこのまま今日まで発展したと思いますか? もちろん、あまりにも早く発展してしまった代償は容易く人々の中に火種を投げ込みました。
何度も繰り返される戦争と破壊。この暗黒時代では明日は隣人ですらナイフを向ける敵となってしまった。血は大地に流れ、人は欲望の沼に沈み、瞬く間に廃墟へとなってしまった。その絶望はどれほどのものなのでしょうか。それが自らの建国した土地であるならなおさら。栄華を誇った美しい都は血によって汚されてしまった。唯一咲いた花のもとで建国王は失墜の中でたった一つ願ったのです。『どうかこの花が永遠に輝き続けるように』と。それは生命への感動化か、はたまた人への失望か。確認する術はありませんが、創造主はその者に祝福を授けました。その言葉の通りその花は黄金に輝き続けました。
さて、この話を聞いて皆さんは疑問に思うでしょう。最終的に報われた話なのではないかと。けれど皆様、聞いてください。人の身に余る力は人を狂わせるものだということを。これはまだ序章にすぎません。
これから続くのは呪われた血の物語。それを拭い去るのもまた血でなければいけないのかもしれません。あるいは英雄が枷を打ち破り、その手で救済をもたらしてくれるのでしょうか。
ここに一言、英雄と呼ばれるものは生まれながらにして英雄ではありません。また、何もなしていないのに英雄とは呼ばれないのです。では、まだこの世に名を刻んでいない彼はなぜ英雄の刻印を刻みつけたのでしょうか。英雄の登場の前には悲劇が必要です。それが暗ければ暗いほど英雄も眩く輝くのですから。なぜ彼がその配役を得たのか、それは単に運命は彼を選んだからに過ぎません。




